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2018/07/20

KRPPRESS特集:iPS細胞が拓く未来⑧ 「研究開発を加速させるモノづくり企業」CASE4 (株)グローヴ

再生医療・理化学機器分野を企画開発型モノづくりで支える

 FA分野の技術を生かしたモノづくりで、研究者の方たちへの側面をサポートし、再生医療の発展に貢献している(株)グローヴの代表取締役小寺俊彦氏にお話を伺った。

工業の世界で培った技術を再生医療の分野にいかす

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  私はもともと、工業系のエンジニアでした。メカトロニクス、エレクトロニクス、ソフトウェアの分野で自動機・検査機といわれるFA装置の開発に幅広く従事してきました。あるとき、再生医療に関する交流会に参加する中で、この分野はFAの世界で培った技術やノウハウをいかしていける世界だなということに気がついたんです。これが、グローヴを創業しようと思ったきっかけです。
  その後、京都試作センター(株)でのコーディネーターを経て、再生医療の分野で細胞培養などに関するモノづくりをサポートする会社として(株)グローヴを設立。京都試作センター時代には再生医療サポートプラットフォームの運営にも関わり、様々なつながりや事業運営のノウハウなどを積み重ねました。それが今、いろいろな場面でいきていると実感しています。
  弊社の事業の主軸は、再生医療、理化学分野における細胞培養に関する装置の受託開発です。細胞全般を対象とした装置ですから、iPS細胞関連の研究にも活用していただけます。「グローヴに頼んだら何とかなるんじゃないか」 そんな期待に応えるべく、IoTを活用した製品も開発しています。

「いつか永遠の命につながる」そんな想いで研究を側面サポート

  iPS細胞などの細胞を使った再生医療が今、どんどん発達しています。たとえば体の一部を失っても、その技術と治療で治っていく。いつか人間は永遠の命を手に入れるかもしれません。そしてロボットも進化している。機械の体をもつ生命体も生まれるかもしれない。それは単なる空想ではなく、生き物の未来はこの2つの方向に確実に向かっていると思うんです。20~30年前に映画の中で描かれていたことが今、次々と現実のものになってきていますから。再生医療と、ロボット。工業系エンジニアとしてはロボットにもとても興味があるのですが、私は事業として、再生医療のほうで進歩に貢献したいと思いました。それが、工業系の私がバイオの世界へ大きく舵を切った理由です。

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細胞観察装置。webシステムやタイムラプスなどの機能を搭載しながらも安価で小型なのが特徴

 工業とバイオでは領域は異なりますが、そのことを理由にした失敗というのはあまりありません。失敗した時も、見方を変えて経験として積み重ねてきたことで、次に選ぶべき選択肢を判断できる力が身についてきたように思います。

 細胞を研究するためにはいろいろな道具が必要です。私たちがどんどん使いやすい道具、使いやすい機器を作っていくことで、細胞を研究されている方の研究成果も上がっていく。そんな側面を、私たちはFA分野の技術をもつモノづくり企業としてサポートしていきたいですね。

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