2018/07/06

KRPPRESS特集:iPS細胞が拓く未来③ 「iPS細胞とCiRAについて」 CiRA の活動紹介

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 「人の役に立つ研究と理想的な再生医療を実現する」を理念に、2010年に開設されたCiRA(京都大学 iPS細胞研究所)。開所以来、「iPS細胞の臨床応用」というミッションを念頭に、未来生命科学開拓部門・増殖分化機構研究部門・臨床応用研究部門・基盤技術研究部門・上廣倫理研究部門の5つの研究部門を中心に研究活動が続けられている。

 CiRAでは、iPS細胞の実用化のために基礎から応用まで一貫した研究を行うとともに、関連情報を随時公開するなど、国内外の研究コミュニティーに対してiPS細胞の培養や誘導についての情報提供や研究支援を積極的に展開。さらなる研究発展のために、企業や大学、試験研究機関などへ研究材料の提供も行っている。

 また、2017年2月に竣工した第3研究棟でも研究活動が本格化。①iPS細胞ストックを柱とした再生医療の普及②iPS細胞による個別化医薬の実現と難病の創薬③iPS細胞を利用した新たな生命科学と医療の開拓④日本最高レベルの研究支援体制と研究環境の整備という4つの目標を掲げ、2030年までの達成を目指してそれぞれの取り組みをいっそう強化している。

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近い将来に向け再生医療用のiPS細胞をストックするプロジェクトを推進

 将来の再生医療において品質の保証されたiPS細胞を迅速に提供できるよう、再生医療用iPS細胞ストックを作製するプロジェクトを2 0 1 3年度より実施している。ストックするのは、免疫拒絶反応が起きにくいHLA型を持つボランティアから提供された細胞をベースに、CiRA内に設置された細胞調製施設(FiT)で作製・保存されたもの。高い安全性と品質を保証すると同時に、日本人の大半をカバーするiPS細胞の作製を計画している。

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細胞調製施設FiT(細胞保存タンク)

国内外企業約180社とのライセンス契約などCiRAの知的財産の管理・活用

 再生医療分野、創薬分野においてiPS細胞技術の利用が広がり、とりわけ創薬分野においてはその実用化が大きく進み、国内外の製薬企業などで広く利用されるようになっている。そうした背景のもと、iPS細胞研究から創出された特許をはじめとするiPS細胞関連知的財産を、CiRAを中心に、京都大学産官学連携本部や京大iPS細胞関連特許の実施権を許諾するiPSアカデミアジャパン(株)と連携を図りながら管理。大手製薬企業を含む国内110社以上、海外70社以上との間でライセンス契約を締結している。

 ライセンス先の業種は化学、食品、試験機器製造など多岐にわたるが、中心となるのは医薬品製造業および試薬製造業で合わせて約50%を占める。またiPSアカデミアジャパン(株)では、iPS細胞周辺技術分野に特化した中で、大学、高等専門学校および公的研究機関から生まれた研究成果の知財化も積極的にサポートしている。

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インターンシップや教材提供など教育活動も積極的に展開

 CiRAでは、京都大学医学研究科の大学院生の配属先として受け入れも行っている。またCiRAへの進学を希望する学部生(3・4回生)および大学院生を対象に、CiRA研究インターンシップを毎年実施するほか、若手研究者が講師となって科学の知識、科学の営みを伝える高校生向け研究実習プログラム「C i R Aクラスルーム」や、中学生向け実験教室、さらに小学生向けワークショップなども開催。最新の研究動向を知るために必要な最低限の予備知識が分かる楽しい教材や、さまざまなイベントを通して、iPS細胞を中心とした幹細胞研究を伝える取り組みを行っている。

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▼詳しくはCiRAホームページで
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/

写真提供:京都大学 iPS細胞研究所

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