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モノづくり企業ができる再生医療

再生医療とは?

もともと細胞が持つ自然治癒力や免疫力を活性化させ、病気やケガなどで機能が低下した、あるいは失われた組織や臓器をもとの状態に戻す(再生させる)医療のことです。

再生医療の2つの分野

再生医療には大きく分けて2つの分野があります。1つは病気を治す患者のための再生治療であり、もう1つはその治療を実現するための基礎研究である再生研究です。
再生治療には細胞移植や細胞誘導等の治療法があります。細胞が持つ力を高めることで自然治癒力を高める治療法です。再生研究には、細胞の生物学的な解明を行う再生医学の研究と、細胞力を高める薬の開発や薬の評価を行う創薬開発があります。

モノづくり企業ができる再生医療

再生治療には医師にしか出来ない部分があります。また、開発した製品の販売には厚生労働省の許認可が必要となるため、事業化のためのハードルは高いです。
しかしながら、再生研究の分野では許認可の必要がなく、事業化は再生治療製品に比べてハードルが低くなります。ハードルの高い再生治療にいきなり参入するのではなく、理化学機器・装置・研究用試薬などの再生研究に必要な“モノづくり”から参入する方法もあります。研究の最先端では必要な機器や装置がまだまだそろっていないため、今後の再生医療の発展には必要不可欠な分野です。
将来のビジネス展開として、再生医療に期待するモノづくり企業の方も多いと思いますが、まずは再生研究から参入してみてはいかがでしょうか。

(1)再生治療
1.細胞移植治療
2.細胞誘導治療

(2)再生研究
1.生物医学的研究(細胞の基礎生物医学研究)
■細胞力の基礎的解明(再生治療・医療を実用化するための基礎研究・学術研究など)
2.創薬開発
■細胞力を高める薬(栄養・増殖因子を含む)の開発
■細胞を利用した薬の評価

生物学的研究の3つの要素とモノづくり

再生医療をはじめとする細胞を用いた生物学的研究には、3つの要素があります。
1つは細胞そのもの自身、2つ目は細胞の家である足場(スキャホールドや細胞外マトリックスなどと呼ばれています)、3つ目としては細胞の食べ物である栄養(細胞増殖因子やサイトカインなどと呼ばれます)があります。
一見、モノづくり企業にとっては関係ないように見えますが、「細胞」においては培養や分離、評価やイメージングする装置が必要になります。
「足場」では、現在はポリスチレンなどのシャーレで細胞培養をしていますが、平面ではなく立体的な材料を用いて細胞を3次元的に成長させる材料や技術、微細加工で細胞の足場を形作る技術などが必要とされています。
また、細胞の食べ物である「栄養」では、タンパク質や糖・脂質の開発が必要です
こういった技術は、日本のモノづくり企業にとって最も得意とする分野ではないでしょうか。

生物学的研究の3つの要素