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参加者の声

2023/03/23

【参画企業事例②】マルホ株式会社さま・アルケマ株式会社さま「企業間の異文化交流で、社員育成を強化」

<お話を聞いた人>
マルホ株式会社/研究部 執行役員付シニアマネージャー 井上 隆幸氏(左)
アルケマ株式会社/機能性樹脂事業部/コンシューマー・産業用途開発グループ グループマネージャー* 下西 祥幸氏(右)
*所属・役職は、2022年取材当時、2023年現在は、アルケマ株式会社 京都テクニカルセンター 機能性樹脂事業部 R&Dサポートグループ グループマネージャー

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学生や他企業の異なるカルチャーに触れることで、社員の成長を促す

ーーまずはお二人の自己紹介と、MOVE ONに参画された理由をについて教えてください。

井上氏:皮膚科学領域に特化した医療用医薬品メーカーのマルホ株式会社に在籍しています。ここKRP地区には研究部門を集約した京都R&Dセンターがあり、私は研究部のシニアマネージャーとして人財育成にも取り組んでいます。MOVE ONの参画は、KRPスタッフからお誘いをいただき、社員の成長を期待して決めました。

下西氏:私はフランスを本拠地とする化学品メーカーの日本法人、アルケマ株式会社に勤務し、高機能なポリアミド製品など化学品の輸入・販売を行っています。KRP地区には機能性樹脂事業部を中心に研究開発を行う、京都テクニカルセンターがあります。私はグループマネージャーとしてチームを統括し、社員育成の一環としてMOVE ONに参画しました。特に、他企業と一緒に参画できるという点に魅力を感じました。

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ーー第5回開催(20229月)に企業メンターとして参加されて、いかがでしたか?

井上氏:MOVE ONの開催前に、当社とアルケマ様の社員メンター3名ずつが集い、何回か企画会議を重ねて、「テクノロジー×ウェルビーイングで2040年の未来社会を創造する」というテーマを決めました。最初に顔合わせをした時、アルケマ様の社員は積極的に発言をされるんですけど、当社の社員は研究職という職業柄、普段は外部の方と接点が少ないこともあり、発言も控えめでした。打ち合わせを重ねるうちに社員の積極性が高まっていくのを実感しました。

下西氏:アルケマの本拠地はフランスにあり、グローバルな組織ということもあり、日常的に、海外の拠点とWEB会議を行っています。会議で積極的に意見を言わないと「なぜ発言をしないんだ」という事になるんです。マルホ様のメンターの方は、MOVE ONに参加された学生さんを丁寧にサポートされていました。お互いの社員にとって学びの多い企業ペアになったのではないでしょうか。

井上氏:学生さんならではのユニークな視点に触れることも、社員にとって大きな成長ポイントの一つですが、他企業と組むことで、異なるカルチャーを体験してほしいという想いがありました。自分たちの常識が通らないこともあり、そこで葛藤や持ち帰りの検討課題が生まれます。その経験こそが重要であると感じました。アイデアのアウトプットに関しても、正直、あそこまで完成度が高いものを、たった2日間でカタチにできたというのは驚きであり、期待以上でした。

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積極性が高まり社内コミュニケーションも活性化でき、自律型人材育成の一歩に

ーー参画によって、どのような成果を感じられましたか?

下西氏:背景やスキルの異なる人が集まり、期限や制約がある中で、共に目標設定をしてゴールをめざすというプロセスを、仕事とは異なる場で体験できるのは社員にとって大きな経験になります。MOVE ONのメンターには、比較的若い30代前後の男性社員を選びましたが、学生の意見をまとめる役割を担えたので、今後、社員をリードする立場になる上で、学びになったのではないでしょうか。

井上氏:メンターとして参加した社員たちが、MOVE ONの体験を資料にまとめて、部内の情報共有チャンネルに公開しましたが、そこには、未来像を描き自分たちで課題を見つけてロードマップを引くというバックキャスト思考とスキルがあり、それを見た役員や上司も感心していました。当社では自律型人材を求めていましたが、MOVE ONに参画したことで、きっかけがあれば、誰もが自律型人材になれるのだと気づきました。

ーー社内からはどのような反響がありましたか?

井上氏:部内の情報共有チャンネルに共有された情報に関して、通常は「いいね!」がよく付きますが、MOVE ONの報告資料には、ハートマークの「すてき」が多く付きました。このような交流の場を求めている社員たちの心に刺さったのだと思います。自分たちが体験したことを社内で共有して、コミュニケーションの活性化につながったのも大きな成果でした。

下西氏:参加したメンバーは、MOVE ONのような社員トレーニングに参加することに対して、積極性が強まったように感じます。以前は、社員育成のためのチームビルディングがありフランスやアジアに定期的に集まっていましたが、コロナ禍でそのような機会はなくなっていました。学生や他企業の方と一緒にテーマを決めて思考するという経験は、大変有意義だったと思います。

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アイデアの創出や人材育成など、MOVE ONをどう活かすかは企業次第

ーー今後、MOVE ONに期待することを教えてください。

下西氏: MOVE ONに参画して成果を実感したので、機会があればまた別の社員に参加させたいです。今回、異なる業種と職種で参画したことで大きな効果を生み出しました。このようなギャップのある企業と参画するのが、面白いのではないかと思います。

井上氏:企業にとってどのようなMOVE ONにしたいかということが重要かもしれませんね。当社の場合、アイデアのアウトプットよりは、社員の人材育成が目的でした。今後は、マネージャーを育成する場があっても良いかもしれません。学生や他企業とさまざまな異文化体験ができるMOVE ONに今後も期待しています。


今回参画いただいた2社へ、さらに個別にお話を伺っています!

マルホ株式会社 井上氏へのインタビュー記事は → こちら
アルケマ株式会社 下西氏へのインタビュー記事は → こちら

企業情報

マルホ株式会社
大阪市に本社を置く医療用医薬品等の研究・開発・製造・販売を行う皮膚科学領域のスペシャリティファーマ。創業は1915年、従業員数は1,547人(20229月末)。20229月期の売上高は85677百万円。202210月、全従業員がかかわる形で「経営理念」を刷新し、誰もが笑顔で暮らすことのできる社会の実現を目指している。

アルケマ株式会社
特殊化学・先端材料分野を軸とする化学品の製造・販売を行うARKEMA社(本社フランス)の日本法人。日本での年商はおよそ180億円(2021年度)。アルケマグループは全世界での売上高115億ユーロ、従業員数約21,100名で55ヶ国に拠点を持ち、京都テクニカルセンターを含む16の主要な研究・開発拠点と148の生産拠点を有する。材料と革新的ソリューションの設計者として、様々な材料を具現化して新たな用途を創造し、顧客製品のパフォーマンス向上に貢献する。