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イノベーションが
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2017/10/19

KYOTO-SPARK : アカデミア発の創薬を目指して

京都大学大学院医学研究科「医学領域」産学連携推進機構 特定准教授 小栁 智義 氏

「京都にはヘルスケアのイノベーションをつくりだすエコシステムがなく、素晴らしい研究成果を製品へとつなげる人や資金が仕組みとして必要です。これがHVC KYOTOを始めたきっかけです。

創薬の『死の谷』を乗り越えるには、科学的発見を検証可能な様々なデータに変えていくためのインキュベーションシステムと、次のステップへの資金供給を行うためのマーケットプレイス(市場)が必要です。HVC KYOTOはその市場に育てたいと考えました。そして、インキュベーションは、『場所』のみの提供から『ヒト・モノ・カネ』をまとめて提供する形へ変化しています。この部分を京都大学で提供しようと開始したのがKYOTO-SPARKです。

SPARKとは、創薬分野のトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)を実現する実戦的なトレーニングプログラムで、2006年にスタンフォード大学で始まりました。"Bench to Bedside"をキーワードに、大学研究者に対して基礎医学と臨床研究の橋渡しに向けた教育指導やメンタリング、そして投資機会を提供していて、世界中でSPARKを冠したプログラムが立ち上がっています。

KYOTO-SPARKの特長は、様々な経験を持つアドバイザーのメンタリングを受けられることです。アドバイザーは全員ボランティアで、20~30年の経験を持っている各分野のエキスパートです。学内から公募した案件に対してレクチャーやメンタリングを行い、重要な研究成果を製品化するための戦略を練っていきます。そして、産業界への技術移転やベンチャー創出へとつなげていきます。

また、ソフト面だけでなくハード面の整備も進めています。京都大学に新しくできた研究施設内には、入居したその日から研究を開始できるインキュベーションに特化したスペースも用意しています。今後は国内外の方々と連携しながら、京都でエコシステムの構築を目指していきます。」

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【発表者プロフィール】

より健康で豊かな社会の実現を目指し、大学発ベンチャー創出と、企業との大型連携に従事している。スタンフォード大学博士研究員時代にベンチャー起業を通じた研究成果の事業化に接し、バイオビジネスでのキャリアを選択。帰国後は創薬、再生医療ベンチャーでの事業開発、多国籍企業での営業/マーケティング職を歴任。大阪大学大学院修了
KYOTO-SPARK ウェブサイト http://www.kyoto-spark.med.kyoto-u.ac.jp/

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