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2022/03/04

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miyako起業部@KRPは、「誰のどんな課題を解決するのか?」原点に戻るホームのような場所 ~miyako起業部@KRP 上ひかりさんインタビュー~

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miyako起業部@KRP20198月に創部し、2022年で4年目を迎えるスタートアップ支援コミュニティです。本気で起業を目指す学生、社会人が集まり、約20名が活動中です。事業プランを磨くための壁打ちサポートのほか、国内のビジネスコンテストや起業家コミュニティへの橋渡しなど、最新の情報を部員の皆と共有し、各自の起業にむけた活動をサポートしています。今回はmiyako起業部@KRPがどんな場所なのか、を紹介するため、創部間もない頃から参加する、京都工芸繊維大学4年生の上ひかりさんにインタビューをし、miyako起業部@KRPについて率直な意見を聞いてみました。

■上ひかりさん プロフィール
和歌山県出身。 京都工芸繊維大学でプロダクトデザインを学ぶ大学4年生(20222月時点)。京都リサーチパーク㈱主催のmiyako起業部に2019年の創部当初から参加。在籍中にメンタルヘルスに悩む人たちと医療機関とをマッチングする相談所サービス「Cocoro direct」を考案。患者に負担の少ない方法で、適切な医療機関や治療法にマッチングできる手段を提供し、回復まで寄り添ったサービスを目指す。
受賞歴:
OPEN PITCH Vol.15 ベストプログレス賞(2021)
U-25 kansai pitch contest vol.6 アシックス賞(2021年)

■miyako起業部@KRPを知ったきっかけは?

上さん:話が長くなるんですが。私は、高校に行かないという選択をして、高卒認定をとって大学に入学しました。それまでの間、メンタルヘルスの問題で家に引きこもっていた時期もあって。大学入学後は京都で一人暮らしも始めて、社会復帰の1年という感じでした。だんだん学生生活にも慣れきて、ふと周りを見回すと、みんなが活発に活動していることを知って少し焦りはじめました。「あ、私も何かやんなきゃ」って。そんな頃に、友人が、ここ(京都リサーチパーク)で開催する「MOVE ON」を教えてくれました。「MOVE ON」への参加がきっかけで、「miyako起業部@KRP」を知ったという感じです。

■起業する!と最初から思って入部したのですか?

上さん:最初からそうだったわけではなく、新しい何かを作り出すことが、自由で、楽しいな、と思ったからです。「MOVE ON」は"企業に勤める社会人""他大学から参加した学生"が混合チームとなって一緒に事業プランを考えるアイデアソン。最初は「私にできるのかな?」と不安でした。参加してみると、気さくな雰囲気の中でアイデアを形にしていく時間を過ごせて、「私でも大丈夫だった。」と安心し、自信にもなりました。大学とは異なる世界を知ることもできました。この経験もあって、ゼロから新しいものを作りたい、という気持ちも高まり、起業にも惹かれていきました。

■入部した時には、事業プランはあったのですか?

上さん:ありませんでした。ただ、漠然と自分の過去の経験から、"教育かメンタルヘルスに関わる何かをしたい"とは思っていました。入部当時の自己紹介でも、やりたいこととして、この2点をあげていたことは覚えています。でも、「やりたいとは思っても、自分にはできないかも・・・。」と当時は自信がありませんでした。
最初から個人で動きだしたのではなく、他の部員の方が考えた事業プランに賛同し、チームとして活動をスタートさせました。

■miyako起業部@KRPのイメージは?

上さん:あまり、考えたことがないです(笑)。過去に、工繊大の起業サークルを見学したことがあります。工科大学らしく、プロダクト開発先行な感じがありました。miyako起業部@KRPではそういったプロダクト開発などのお話の前に、「誰のどんな課題を解決するのか?」ということを、何度も何度も繰り返し問われます。大学ではプロダクトデザインを学んでいるのですが、専攻したきかっけは人間中心設計の考え方に共感したからです。なので、この「誰のどんな課題を解決するのか?」を追求する場所は私に合っているな、と思いました。

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■「Cocoro direct」を考案し、上さん自身が起業を目指し始めたきっかけは?

上さん:2つきっかけがありました。1つ目は所属するチームが転換期を迎え、事業内容も大きく変わりそうだったこと。2つ目は就職活動です。周囲が就職活動を始める大学3年生の頃、私もそれに倣って就活を始めました。就職して、仕事にまい進する姿を想像はできたのですが、それがやりたいことなのか、と自問自答をした挙句に心労で倒れてしまいました。倒れるぐらい悩むのであれば、立ち止まってみる。高校に行かない選択をした時と同じように、就活をしない選択をしました。この2つのきっかけがあって、「これからは自分のやりたいことにチャレンジしたい。教育かメンタルヘルスの分野で何かをする」と決心できました。

■起業する活動って具体的に何をするのですか?

上さん:「メンタルヘルス分野のここに課題を感じていて、それを解決する事業をしたいです」と周囲に言いまくりました(笑)。自分で考えた事業プランは粗いものでした。でも、それまでの起業部の活動で、ユーザーヒアリングをしていた経験から、ユーザーと話すことで新たなチャンスを得られること、サービスの実証実験を繰り返すことで事業の形が磨かれること、を実感していました。miyako起業部@KRPで紹介してくれたビジネスコンテストや起業家コミュニティに顔を出して、やりたいことを発信する。そうすると、助けてくれる人との繋がりができたり、起業を目指す同年代とも知り合うことができました。出会った仲間と交流を深め、互いに協力することもあります。メンタルヘルスは医療に関わる分野なので、医学的知見も必要です。同じ分野で起業を目指す仲間と出会い、医療従事者の方を紹介してもらったこともあります。「起業したい」と発信して、自らが動き出すことで、起業への道が広がっていきました。

■上さんにとってmiyako起業部@KRPはどんなところですか?

上さん:ホームです。迷ったら戻る場所。「起業したいです」と周囲に宣言し始めて、ビジネスコンテストや起業家コミュニティへ参加をしていくと、色々な方が事業プランを聞いてくれます。そして、沢山の正しい、厳しい意見をもらうことになります。私の考案した事業のどこに着目した意見だったのかを咀嚼する途上で、落ち込んだり、道を見失いそうになるんです。miyako起業部@KRPのメンバーは私の事業の根幹にある課題感や事業内容の変遷を知ってくれている方ばかりです。迷ったら戻る場所、落ち着いて考えを組み立てなおす場所になっています。

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■miyako起業部@KRPはどんな人におすすめですか?

上さん:まずは、やりたいことがあって、それに対して能動的に動ける人におすすめです。先生が導いてくれると期待する方もいると思いますが、起業をするのは自分自身です。教えてもらうという受け身の姿勢では続かないと思います。独立独歩でも起業ってできると思います。でも私の場合は"しなくてもよい失敗は避けたい"という気持ちもありました。miyako起業部@KRPで先生や部員の皆に相談することで、"しなくていい失敗"を取り除くことができます。本を読んで勉強しても知りえないような、起業界隈の動向など細かい所もフォローしてくれて、安心できます。例えば、出資のお話を受けた時、わからないことが多く不安になりました。でも、先生たちから様々な情報を共有してもらうことで、最善の判断ができました。

■最後に、上さんの今後は?

上さん:大学院への進学と並行して、「Cocoro direct」の活動も進めていきます。起業のタイミングはわかりませんが、私のように、メンタルヘルスの問題を長らく抱えてしまって大事な数年を無駄にすることがないよう、それぞれの問題にあった医療機関につないでいけるサービスを提供できるようにしたいです。

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上さん、ありがとうございました。

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お問い合わせ

e-mail : miyako-kigyobu@krp.co.jp
京都リサーチパーク株式会社 イノベーションデザイン部