【イベントレポート】京都ものづくりバレー研究会 趣味イノベーションのすすめ―古い組織や人ではイノベーションは起こらない!終了
10月15日(火)京都リサーチパーク たまり場にて、第25回京都ものづくりバレー研究会が開催されました。
『京都ものづくりバレー』とは、JOHNAN株式会社が2017年4月より京都大学経営管理大学院に設置した寄附講座(『京都ものづくりバレーの研究と推進(JOHNAN)講座』)における、メインテーマです。
今回は、「趣味イノベーションのすすめ―古い組織や人ではイノベーションは起こらない!」と題して、イノベーションの創出に取り組まれている宮島勇也氏(パナソニック株式会社)による講演会が行われました。
概要
【開催日】2019年10月15日(火)
【登壇者】 宮島 勇也 氏
パナソニック株式会社
経産省主催国家プロジェクト「始動 Next Innovator2018」第4期生/AIS社Make Happy Project 新人事制度eトレード考案者/IS社Make Happy Project 未来会議創設者/One Panasonic幹事・社内インキュベーションサークル BOOST 発起メンバー/社内有志組織 航空宇宙事業本部(仮)創設者/京都大学 京都ものづくりバレー研究会 所属/AP草津有志組織「ビワパナ」創設者京都大学総合博物館 准教授
【参加者】 46名(関係者含む)
・会社員・スタートアップ(起業家)・学生・フリーランス・大学関係者など
イベントレポート
前半は宮島氏の考える「趣味イノベーション」についてご紹介いただきました。宮島氏の活動のスタート地点は「始動Next Innovator」への参加。その時出会った「Thinker(考えている人)からDoer(行動できる人)へ」という言葉が、いまの活動の原動力になっているとお話がありました。イノベーションを起こせるかどうかは、行動を起こした距離(出会った人の数)に比例すると考え、多くの人と出会い、情報を得るよう心掛けているそうです。
後半は宮島氏が社内で実際に提案された、新しい人事制度のご紹介と、イノベーションにおける「人」の大切さをお話いただきました。大企業であっても大企業でなくても、「人を育てる」ことの大切さを実感している、とのコメントには改めて組織における地道な変革の必要性を感じました。
イベントの最後には宮島氏から「なぜ、古い組織や人ではイノベーションは起こせないのか」との問いかけがあり、参加者を交えて意見交換が行われました。会場からは「やる必然性がない、やらなくても困らないから」、「失敗することに対してマイナスに捉えている」、「上司は"イノベーションを起こせ"と言いつつ、実際は起こしてほしくないと思っているから」など、様々な意見が。宮島氏からは「単年度PLでは新規事業に投資できない」、「制度は作って満足。出口戦略がない」、「組織に染まっている人は改革に興味がなく、危機感もない」などが要因として挙げられ、「イノベーションを起こすためには「課題はなにか」と問うことが必要であり、危機感が課題解決の第一歩になる。皆さんにももっと危機感を持ってもらいたい」とのコメントがおくられました。
質疑応答では、実際に組織内でアクションを起こす際のポイントなどが紹介され、イノベーション創出を、「自分事」としてより身近に感じられるイベントとなりました。