CLOSE
SITE MAP
イノベーションが
生まれる「まち」。

【イベントレポート】インクルーシブデザインとサーキュラーデザイン ―モノが自由に捨てられない時代のものづくり終了

京都リサーチパーク たまり場にて、第24回京都ものづくりバレー研究会が開催されました。

『京都ものづくりバレー』とは、JOHNAN株式会社が2017年4月より京都大学経営管理大学院に設置した寄附講座(『京都ものづくりバレーの研究と推進(JOHNAN)講座』)における、メインテーマです。

今回は、「インクルーシブデザインとサーキュラーデザイン ―モノが自由に捨てられない時代のものづくり」と題して、インクルーシブデザインのワークショップに取り組まれている塩瀬 隆之氏による講演会が行われました。

概要

【開催日】2019年9月17日(火)

【登壇者】塩瀬 隆之 氏

京都大学総合博物館 准教授    

京都大学デザイン学ユニット 構成員    

京都大学宇宙総合学研究ユニット 構成員    

経済産業省 産業構造審議会 イノベーション小委員会審議委員    

京都府 伝統と文化のものづくり産業振興審議会 委員

【参加者】 49名(関係者含む) 会社員・スタートアップ(起業家)・学生・フリーランス・大学関係者など

イベントレポート

まず、前半はインクルーシブデザインについての講演が行われました。

「包含」という意味を持つ「インクルーシブ」。インクルーシブデザインとは高齢者や障害のある人など、特別なニーズを抱えるユーザーをデザインプロセスの初期段階から参加させるデザイン手法です。

何らかの障害を持つ人を「Disable person」(=できない人)から、Disabled person(=できなくさせられている人)と再定義し、その人も「できるように」「使えるように」製品やサービスをデザインしていくプロセスであると説明がありました。

技術を、使う人へ「きちんと」届ける。これからの製品開発において、インクルーシブデザインの視点を持つことの必要性を感じることのできる講演でした。

後半はサーキュラーデザインについて。大量廃棄が問題になっている現代、「次に活かす」仕組みが必要だとお話がありました。私たちに圧倒的に足りていない"捨てる"情報と"次に活かす"ための情報。私たちは捨てるときに、分別や、曜日は気にするかもしれませんが、「どこに捨てたらどう活かされているか」について考えることはあまりありません。

塩瀬氏からの「社会課題を対岸の火事としか考えていないのでは」という問題提起には、参加者の多くが考えさせられたように思います。日本が環境破壊の加害者になっていること、そしてもっと身近にある環境問題に目を向ける必要性を感じるきっかけとなりました。

イベント休憩時間や終了後には参加者同士で自然と交流が始まり、講演の内容について意見交換がなされるなど、大変盛り上がりました。来月のものづくりバレー研究会(10/15)もたまり場で開催予定です。

イベント写真

1.jpg 多くの方にご来場いただき、主会場満員となる盛況ぶりでした

2.jpg JOHNAN山本社長からものづくりバレーについてのご説明がありました

3.jpg 会場の様子

4.jpg 参加者同士の交流も盛り上がっていました