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2019/08/06

KRP PRESS特集「KRP WEEK 2019 」SPECIAL TALK

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コスパが高い京都で、さまざまな人と絡んでおもしろいことを起こしたい!

7月28日(日)~8月4日(日)に開催する、夏のイベント週間KRP WEEK 2019。
今回、KRP WEEK中に大型イベントを予定している株式会社美京都(みやこ)代表の中馬氏、株式会社taliki代表の中村氏がKRPに顔を揃えた。
"「たまり場@KRP」でイベントを開催"という共通点をもつ若手起業家の2人が京都を拠点に何を生み出そうとしているのか。
熱い思いを伺った。

「普通の大学生」が、就活を機に起業家を志したわけ

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中村 私は大学在籍中、国際協力団体の代表をし、ニューヨーク留学時ビジネススクールに通いながら報道局でインターンをしていました。
その時思ったのは、現状を伝えることも大事だけど、私は「どうにもならないけど、今苦しんでいる人がいるから」と苦しんでいる人を助けようと行動するプレイヤーを増やしたり、応援したりする会社に行きたいなと。でも、よくよく考えてみたら、「会社に入って修行して創業するよりも、いま起業して泥臭くやったほうが、3年後には成長してるんじゃないか?」と思って、在学中に社会課題を解決する人材を育成する(株)talikiを立ち上げました。

中馬 僕は就活の3回生までは「THE普通の大学生」だったんです。でも、某企業の先輩から「何でこの会社じゃなきゃあかんの?」とか「何でそれがしたいの?」とずっと聞かれる中で「あれ?俺のしたい事ができるのって、この会社じゃないよね」と気づいて。「せっかく生まれてきたんだから、野望を持って希望をもっと生み出したい」と思って、選考はお断りして、1年休学して海外でバックパッカーをしました。本が大好きだったので、大学卒業後は、宮城で東日本大震災のボランティアをしながら、出版社を作ろうと思ったんですけど、ボランティア団体のお金が回らず断念。「今からチームを2つに分けるぞ」って言われて、宮城の現場でがんばるチームと東京に乗り込んでお金を稼ぐチームに分けたときに、僕、お金を稼ぐチームに入りました。そこから給料0円で、2年半くらい東京で起業家のカバン持ちをやって、独立して京都に帰ってきて、株式会社美京都を立ち上げました。

起業か就職かは、良し悪しよりも本人の適性

中村 結局、「組織に入るか・入らないか」って、「よりやりたい事ができる・できない」という話ではなく「どっちが向いてるか」というだけの話なんです。株主にも内定先の人事にも、「お前は絶対会社じゃないほうがいい」って言われたんですよ。それは、私がリーダーシップを持っているとかいう話じゃなくて、たまたま自分で会社を作ったほうが向いていたから。それに起業のかたちにもいろいろあると思っていて。私の場合は、初期投資がすごく必要だったのと、かつスタートアップが色濃かったから、株式会社で調達するのが向いていたんです。NPOでも合同会社でも、課題へのアプローチの仕方はいくらでもあって、なんなら法人格を持たなくてもいいかもしれない。結局、目の前のやりたいことに対する手段として、株式会社か組織しか知らなかったから、いま株式会社になってるだけで。もしかしたら違うほうが、もっと効果的だった可能性はあると思います。

中馬 僕は学生の頃からずっと、究極の安定が欲しかったんです。例えば、震災で家もすべて無くなっても、「仕事もあるし、お前だったらここでも成功できるだろ。来いよ」って呼んでくれる仲間が世界中にいたりとか。自分のしたいことができる力を持っている人になりたいと思ったんです。内定をもらった同級生から「お前、地
に足を付けろよ」って言われたときに、「大丈夫。5年後に絶対に結果出てるから」って言って。5年以上かかりましたけど、日経新聞に載ったら、みんな「中馬、お前やると思ってたよ」って。僕にとって究極の安定に一番近いのは起業家だったという話です。

中村 確かに。やりたいことができる自分になる。

中馬 僕も起業家がすべてじゃないと思っているけど、そういう選択肢があることを教えてくれたりする場所があったらいいなって思って、いま、10代のキャリアの可能性を広げる塾みたいなプラットフォームをやっています。それと、3年ぐらい前に、ある自治体さんと一緒に20歳から35歳の間の就職困難者の人たちが、地元企業に就職できるようにするプロジェクトをやっていたんですよ。就労支援自体はいい事業だと思いますが、いまの10代の教育を変えることで、将来困る20代・30代を生まないようにしたいと思ったのが、僕の事業のここ数年間の流れです。

中村 環境が人をつくるって、まさにそうですよね。子どものころから、クリエイティビティや関係性を大事にすることを学んで、それを自分の資産として使えるように育てるのはめっちゃいいなと思いました。

中馬 ありがとうございます。うれしいですね。

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経営者を辞めたくなったときに乗り越えさせてくれたもの

中馬 人、組織の問題はしんどかったですかね。実は僕、ほんまに去年の9月・10月まで経営者を辞めようとしてたんです。ただ、去年の10月に日経産業新聞に僕らの会社が取り上げられたのを機に「お前が頑張ってくれてるのが、俺らの元気にもなる」と友人らがいっぱい言ってくれて。「俺は世の中に希望を生み出したかったのに、なに逃げようとしてんのや」と思い直しました。それと、辞めようとした時に、「あぁ、俺は人間的魅力もなくなってるし、思考も停止してるから成長しない」とわかって。それが嫌で「経営者を辞めへん」って決めたら、脳が絶対なんとかしようと成長する。この半年くらい、うちが事業を含め伸びてきてるのも、そうやって切り替えたからなんですよ。

中村 経営者辞めたいとか、会社辞めたいとか、毎日思いますね。辞めないけどそう思います。社会起業家にお金が流れるべきだし、それによって社会が循環すると思ってたけど、自分が無知なだけで、「それが間違ってるんじゃないか」って。それを乗り越えられたのは、支援していた子たちから「お店作りました」「資金調達しました」って連絡がすごく来るようになって。「私のやってたことは正しかったんだ」というのを再認識して、乗り越えさせてもらったという感じでした。

主催者も参加者も、熱い思いを持って集まれる場所"たまり場@KRP"でイベントを開催する理由

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中馬 "たまり場"担当のKRPの井上さんが熱いんですよ。自分の世界観とかパッションを全部受け入れてくれるし、ぜひいろいろやるよ、というのが本当に一番大きくて。それに、僕と同世代の30歳前後の人で、起業を考え始めている人が増えてきたんです。京都には、起業家だけじゃなくて熱い社会人仲間がけっこう集まっているので、このたまり場で敷居が低いおもしろおかしいイベントばっかりやろう、と。この間はサッカーの本田選手の右腕をしていた人に出てもらって、「ナンバー2最強説」っていうイベントを開催しました。

中村  私は"たまり場"に来ることで、投資家とか民間企業とか普通の起業家、学生、NPO、年齢、場所みたいな境界線がなくなる感覚があります。"たまり場"で「こういうの一緒にやったらおもしろそう」というものが出て来るのがtaliki的には超ありがたいです。

中馬 あと、やっぱり京都はコスパが高い。東京で同じことをやったら埋もれる、地方でやっても、国内外へのインパクトがそんなにない。京都は絶妙やなと。僕は「たまり場」で、仲間とか京都でがんばってる人らの人生が豊かになるような時間が作れたらなと思ってます。

―ありがとうございました!

株式会社 美京都 

代表取締役 中馬 一登氏
京都産業大学に在籍中、東日本大震災のボランティアの活動費を稼ぐため、給料0円で、起業家のカバン持ちを2年半経験。「社会を良くする人と組織をつくる」というミッションを掲げ、2014年に3兄弟で株式会社美京都を設立。人材・教育事業から観光事業などを手掛け、最近は、10代の学生を中心に起業家塾をスタート。

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株式会社 taliki 

代表取締役 中村 多伽氏
京都大学入学後、国際協力団体の代表としてカンボジアに学校を2校建設。留学したニューヨークでは、ビジネススクールに通いながら報道局で勤務したのをきっかけに社会課題を解決する人材を育成する「taliki」を2017年に設立。本年6月、株式会社 サンブリッジ グローバルベンチャーズと業務提携を結び、起業家への投資が可能な体制を整えるなど、起業家支援事業やオープンイノベーション事業の促進に取り組んでいる。

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