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「京都音楽博覧会 資源が“くるり”プロジェクトをネタに語る会」イベントリポート

梅小路公園でごみと向き合いながら『京都音楽博覧会』を行う理由
「京都音楽博覧会 資源が“くるり”プロジェクトをネタに語る会」イベントリポート

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2023年10月8日(日)、9日(月・祝)の2日間にわたり行われたくるり主催の『京都音楽博覧会(以下、京都音博)』。このイベントと開催場所である〈梅小路公園〉との関わりは、これまで開催時期だけでした。しかし、その様相が変わったのは2022年。「資源が“くるり”プロジェクト」という名の下に『京都音博』で出た食べ残しや余った食材などの生ごみを“くるり”と完熟たい肥という“資源”に変えるコンポストの取り組みを実施したことがきっかけでした。

2023年度も、継続して行われたこのプロジェクト。今回もたくさんの方々の協力のおかげで『京都音博』由来の完熟たい肥が出来上がりました。無事プロジェクトが完了した2024年2月9日(金)に〈梅小路公園〉にて「完熟たい肥お引渡し会」と、参加者への報告を兼ねて『京都音博』の主催者であるくるりの岸田繁さん、この取り組みのリーダー足立毅さん、今回『京都音博』のごみの調査を行った寺井正幸さんの3人によるトークイベントが行われました。本稿では、これまでの活動を振り返りながら、このイベントの模様をお伝えします。

はじめに、完熟たい肥のはなしを

皆さんは“完熟たい肥”をご存じでしょうか?通常のたい肥とは違い、完熟たい肥は生ごみを微生物によって分解・発酵させているため、すぐに作物の肥料として使えるというメリットがあります。「食べ残しがちゃんと分解されるの?」「塩分は土によくないのでは?」そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。土の中にいる多種多様な微生物の中には塩が好きな菌もいて、ちゃんとした条件下であれば分解され、ふかふかで土の香りがする完熟たい肥が出来上がります。

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ただし、完熟させるためには、床材と呼ばれる資材と生ごみを混ぜ合わせ、微生物が分解しやすい環境を作らなければなりません。そのために、水分を調整したり、“切り返し”と呼ばれるかき混ぜる作業をしたりと、人手が必要となります。そこで、このプロジェクトの指導と監修をしてくれているコンポストアドバイザーの鴨志田純さんによる勉強会の時間を設けるなど、コンポストのことを勉強し、実践できる学びの場としてワークショップ形式で、参加者に協力をお願いしています。今回も、コンポストに興味がある人や環境問題に関心がある人などに声をかけ、興味を示してくれた人たちを巻き込みながらボランティアで完熟たい肥づくりを約4カ月かけて行いました。『京都音博』終了後も続いたこの活動により、完熟たい肥だけではなくこのイベント由来のゆるやかなコミュニティも育まれていったのです(詳しくは、こちらの記事をご覧ください)。

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コンポスト・プロジェクトが出会いの場を作る

公園という公共の場でコンポストを作るメリットは生ごみが完熟たい肥という資源に変わるだけではありません。燃えにくい生ごみを燃やさずに活用でき、二酸化炭素の削減にもつながります。また、「資源が“くるり”プロジェクト」の立ち上げ時からアドバイザーとして関わっているサーキュラーエコノミー研究家の安居昭博さんも著書「サーキュラーエコノミー実践」の中でこのように述べています。

“コンポストプロジェクトは様々な方が関わり互いに頼り合わなければできない取り組みだ。これまで関わり合いのなかった人々が有機的に結びつく。まさに人間関係の発酵が起きていると感じる。”

すべてが手探りで行われた2022年の1回目も、コンポスト・ステーションで作業する様子を〈梅小路公園〉で活動する園芸サークル「京都みどりクラブ」の方が見かけたことをきっかけに、この取り組みに参加してくれるようになりました。公園で作業をしていたから、偶発的につながりが生まれたのです。

今回は、1回目の参加者に加え、近隣の方、この活動をフリーペーパーの特集にしたいと取材に来た同志社大学広告研究会の皆さん、京都で環境に配慮した取り組みを行っている会社の方など、新しい出会いにも恵まれました。中でも大きな変化は、地元の小学4年の生徒たちが参加してくれたことです。授業の一環で〈梅小路公園〉について調べていた時に園内で行われていたこの活動に興味を持ち、授業のない土曜日も先生同伴の下、完熟たい肥づくりに有志で参加してくれました。このご縁がつながり、小学校で行われた〈梅小路公園〉の調査の発表会にも「京都みどりクラブ」の方が参観されたりと、この場を離れたところでも交流が深まったようです。

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▲『京都音博』終了後に、継続して実施されたワークショップの様子

2年目で感じた変化。「完熟たい肥お引渡し会」で見た光景とは

さらに地域とのつながりが強くなったように感じた2年目の「資源が“くるり”プロジェクト」。今回も〈梅小路公園〉にて出来上がった完熟たい肥を公園の花壇へと譲渡する「完熟たい肥お引渡し会」が行われました。『京都音博』の主催者であるくるりの岸田繁さんをはじめ、ボランティアとして完熟たい肥づくりに関わった人たちが大集合。晴れ渡る空の下、賑やかな笑い声も聞こえるセレモニーになりました。

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▲「完熟たい肥お引渡し会」のセレモニーの様子

昨年との大きな違いは、出来上がった完熟たい肥を渡すために用意された“お渡し袋”です。完熟たい肥は新聞紙にくるまれて、環境負荷になるビニール袋ではなくインドのフェアトレードで作られたオーガニックコットン100%の布袋に入れた状態で参加者の皆さんに手渡されました。この布袋を用意してくれたのは、京都でフェアトレード事業を行っている有限会社シサム工房。1回目からこの取り組みに興味を持ち足を運んでいましたが、2回目からは『京都音博』開催当日の生ごみ回収作業を行う時のエプロンも提供されていました。この日も、布袋を通じてフェアトレードについて学ぶ場が自然とできていたのです。企業の環境活動をこのプロジェクトとマッチさせることで、たい肥づくり以外のところでも協力関係が生まれていました。

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▲シサム工房の富澤さん。袋にはフェアトレードについてのメッセージが書かれたタグがつけられています

それ以外にも、同志社大学の広告研究会の方はこの取り組みを取材した記事が掲載されたフリーペーパーを持って来てくれました。また、今回初めて参加されたという近隣の方は「普段なかなか土に触れる機会もないので、スコップでたい肥を切り返す作業が楽しかった」とにこやかな笑顔で話してくれました。それぞれが自発的につながりあうことで、関係性だけでなく、活動も広がっているように見えました。

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▲オーガニックコットンの布袋に入れられた完熟たい肥が、ボランティアに参加した皆さんに手渡されました

数字で見る『京都音博』。ごみが教えてくれたこと

会場を園内にある〈緑の館〉に移して行われたのが、トークイベント「京都音楽博覧会 資源が“くるり”プロジェクトをネタに語る会」です。まず最初のテーマは『京都音博』のごみ事情。今回『京都音博』からでるごみの種類や量を調査したごみの学校の代表を務める寺井さんが、これまでの環境の取り組みを振り返りながら、調べて見えてきたことを発表してくれました。

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▲株式会社ごみの学校 寺井正幸さん

寺井 「私は去年(2023年)初めて『京都音博』に関わらせてもらったんですけれども、すごく環境と地域によい取り組みをされているなと思っています。今回はそれを数字で見た時に、どういう効果があったのか、まとめてみました」

会場のスライドに映し出されたのは2007年から『京都音博』が行ってきた環境の取り組みのあゆみです。初年度から行われていたのは、ごみの分別、リユース食器の導入、フライヤーやチラシを作成しないということ。できるだけごみを持ち帰ってもらおうと、タイムテーブルが書かれたごみ袋も配布されていました。その取り組みが加速したのが、クラウドファンディングをはじめた2018年。そして『資源が“くるり”プロジェクト』が始動した2022年から、さらに地域を巻き込んだ環境の取り組みが広がっていきました。これらの取り組みが実際にどれくらい環境にいい効果があったのか、2023年の『京都音博』のごみについて調査した寺井さんが数値化して教えてくれました。

寺井「エコステーションの設置やフライヤーやチラシを配らないことで、本来フライヤーなどを作ったら出る予定だった紙を今回は143kg削減することができました。2023年の『京都音博』の来場者数で換算するとCO2削減効果はマイナス232kg。これを2007年からやっているので、継続してエコな取り組みをされていると思いました。

飲食物で汚れた使い捨て容器は、リサイクルが非常に難しいのですが、廃棄物削減効果が大きかったのは、リユース容器の導入です。結果、食器として廃棄されるごみが760kg減ることにつながりました。CO2の削減に大きく貢献しています」
 

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▲2023年『京都音博』での紙の削減効果(左)、食器リユースの効果(右)をまとめたグラフ

コロナ禍でライブ配信になった2年を除き、これまで15回〈梅小路公園〉で『京都音博』を行ってきたことを考えると、積み重ねの大切さを感じる結果でした。では『資源が“くるり”プロジェクト』で行った、古着をリユースする取り組み「RELEASE ⇔ CATCH 衣服の回収 / ¥0Market」や完熟たい肥を作ったコンポストの取り組みはどうだったのでしょうか。

寺井「服って実は燃やすとCO2がいっぱい出る廃棄物なんです。服を交換する取り組みによって廃棄物は-435kg削減、CO2は-1168kgという結果になりました。生ごみも水の量が多いので、燃やすのにすごくエネルギーが必要なんです。それを完熟たい肥にすることで、廃棄物量を-247kg、CO2は-54kg減らすことができました。合算すると、2023年の『京都音博』では、「紙の削減」「食器のリユース」「服のリユース」「生ごみたい肥化」という4つの取り組みで廃棄物削減量は-1586kg、CO2削減量は-810kg減らせたと言えます」

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▲2023年『京都音博』での服のリユース効果(左)、生ごみたい肥化の効果(右)をまとめたグラフ

今回、寺井さんが行ったのは数値の分析だけではありません。『京都音博』当日の現場で、どんな種類のごみが出ているのか、実際にサンプル調査をされました。捨てられたごみの内容を見てみると、このイベントらしさが見えてきたようです。

寺井「2023年は『京都音博』が開催された約2日間で約1240kgの燃えるごみが出ていました。このごみってどんな内容だったのか、イベントで出てきたごみ袋をブルーシートに広げて、それぞれ種類ごとにわけていきました」

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▲2023年の『京都音博』で出たごみの一部を種類ごとに仕分けし、サンプル調査したときの様子

寺井「『京都音博』の燃えるごみの約3分の1が食品由来の紙でした。イベントの中で出たというよりは、持ち込まれたコンビニやスーパー、お弁当に付いてる紙のような食べ物の容器が多かったです。続いて多かったのが、僕は意外だったんですけどフォークやスプーン。12%なので、換算すると約100kgぐらいですね。この結果を踏まえることで、来年に向けて、もっとごみを削減できる効果的な取り組みができると思います」


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▲2023年の『京都音博』で調査した燃えるごみの種類の内訳

寺井「実際、他のいろんなフェスやイベントのごみの調査をしているんですが、他と比較して『京都音博』って本当にごみの量が少ないイベントで、すごくびっくりしました。来場者数に対する、一般可燃ごみ発生量は『京都音博』が1人1日当たり0.06kgくらい。他のフェスでは2倍以上のごみが出ているケースもあります。僕らが見た中でもすごくごみが少ないイベントっていう印象ですね。

ごみが少ないことは数字でも出ていますが、肌感覚でもお客さんがごみを出さないようにされている。例えば、他のイベントだったらリユース容器も洗わず返すような人たちもいるんですけど、みんな当たり前に綺麗に洗って分けて出していますし、時間がかかっても分別されてるお客さんがいっぱいいる。人の行動が普通のフェスと違うと感じましたね。文化のような気がしました」

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▲2023年の『京都音博』のごみの量を他のフェスと比較した表

音楽イベントも『京都音博』のように音楽を楽しむことを主体にしている参加者が多いケースもあれば、音楽だけでなく食やアクティビティを重視するタイプもあるので単純な比較はできないかもしれませんが、なぜこのような結果になったのでしょうか。

なぜ『京都音博』はごみが少ないフェスになったのか

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▲くるり 岸田繁さん

岸田「2007年からここで『京都音博』をやらせてもらってるんですけど、なぜやろうと思ったかっていうと、例えば、小学生の皆さんはいつもは教室で給食を食べますよね。でも、たまに遠足でお弁当を外で食べたら美味しいでしょ。年1回ぐらいはそういう経験をみんなにしてもらってもいいのかなと思って始めたんです。生きていたら普通にごみが出ますから、それ以来ずっとどうやってごみを少なくできるかという取り組みはしていました。(『京都音博』にごみが少ないのは)寺井さんのお話を聞いて、みんな音楽に夢中だからご飯を食べてないのかなって思いました。初めて触れる音楽でも夢中になって観れるような、「あれ何なんやろ」と思ってもらえる音楽を集めてきた。だから、音楽が好きなお客さんがたくさんいるのかもしれないですね」

足立「僕は2022年から関わっているんですけど、ごみ袋を配ることを1回目からやっているんですね。だから参加する人は〈梅小路公園〉に来たときよりも、きれいにして帰ろうみたいなものがあると思っています。コンポストも最初は生ごみが何トンでるかわからなかったので、1、2トンぐらい出るかなと思って準備していました。でも、実際は思ったより出なかった。音楽に集中してる人が多いからかもしれませんが、ごみを出さないようにしようっていうメッセージは、くるりの皆さんから発信した積み重ねで伝わったのかなと思っています」

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▲株式会社梅小路まちづくりラボ 足立毅さん

寺井 「まず、普通のフェスで多いごみは、プラスチックと生ごみなんですよ。なのに『京都音博』はその割合がかなり少なかった。意識の高い方が集まっても、ごみ箱が揃ってないとか、捨てるところがないと、結局そこでうまくいかなかったりするんです。環境の取り組みに参加しようとする雰囲気と、設備が揃ってるからこそごみの量が少ないのが『京都音博』だと思いますね」

岸田「例えば、リユースとかリサイクルって言われても、それがどのようになってるか、わからないわけです。僕たちもリユースのプロジェクトに関わってくれている人とお話して、「それやったらできるかもね」みたいなことを繰り返してきたんですけど、今回のコンポストも、僕はちょっと興味があった。自分の感覚でしかないけど、生ごみって臭いがすることもあってごみのイメージが強いから、うまく何かに変えることっていうのができないかなって。これがたい肥になって、農業の方がそれを使って、美味しいトマトとかができたら『京都音博』で皆さんに食べてもらったりとかね」

2年目の「資源が“くるり”プロジェクト」で感じた気づき

2007年からの積み重ねと新しいチャレンジがうまく結びつき走り出した「資源が“くるり”プロジェクト」。その名のとおり、くるりくるりと周りの人を巻き込みながら2年目の活動が完了しました。現場では、この活動を通じてどのような成果を感じていたのでしょうか。

足立「アドバイザーに、東京三鷹の鴨志田農園の鴨志田さんに来てもらい、京都府和束町で同じくコンポストの活動をしている皆さんにも手伝っていただいていますが、実際に作業するのはこの地域の僕らなんで〈梅小路公園〉で花壇を作っている皆さんが、たい肥作りにも積極的に参加してくれたことですね。そして、自然に優しい繊維を作ってるPIECLEXさん、地球に優しい活動されてるシサム工房さんなどの京都の会社が、事業内容は違うんですけども“環境にいいこと”というつながりで参加してくれました。やっぱり、今年すごくうれしかったのは、地元の小学4年生の皆さんが来てくれたこと。2回目で地元で広がりを作ることができたと思います」

ほかにも、〈梅小路公園〉でダブルダッチという活動をしながら無添加のレモンを使ったレモネードを作っているプレーヤーの寺野さんと三島さんたちにも協力してもらい、作業が終わったあとレモネードを飲みながら、喋るっていう時間を作ったらとても盛り上がって。真面目に言うと、そこまでコミュニティ作りは意識してなかったんですけど、すごくいい感じだと思いました」

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▲無添加レモネードを振舞い、プロジェクトに関わっていたダブルダッチプレーヤーの皆さん

『京都音博』の環境の取り組みが向かうこの先は

今回、寺井さんがこのイベント通じて感じたというのが『京都音博』があるからこそ、いろいろな人たちとつながれるということ。「例えば、単に環境にいいものを入れるのではなくて、みんなでマイ食器を持ってくるキャンペーンを実施して、みんなで洗うみたいなごみ削減の取り組みができると、『京都音博』があったおかげで友達ができたみたいな価値も生まれるんじゃないでしょうか」とただごみを減らすだけではなく、『京都音博』ならではの循環の仕組みを考えられるのではという、次に向けてのアイデアを話してくれました。

一方、足立さんは「京都にはいろんないい活動をしてる人や会社さんも多いので、一緒にやっていけたら。今は公園の中だけでやっていますが、その周辺にある施設、例えば市場の場外とか、京都リサーチパークの中とか島原エリアや近隣の小学校とかも使わせてもらえればいいなと。そこをみんながぐるぐる回るのも、“くるり”な取り組みかと思います」と今後、〈梅小路公園〉に留まらずに『京都音博』を起点にこのプロジェクトを拡大していきたいという想いを語ります。

そして、「『京都音博』は、僕一人でやってることではなく、たくさんの人たちと一緒に作り上げているものだから、これからも新しいアイデアも取り入れ、地道にこのプロジェクトにも取り組んでいきたい」と話す岸田さんが思い描く未来はその、もっと先。

「『京都音博』自体をいつまで続けるのか、正直、僕もよくわからない。でも〈梅小路公園〉で多くの人と関わりながら開催するイベントを、細々とでいいから続けていきたいんです。もし、くるりが解散しても「俺がやる!」と言ってくれる若いバンドに『京都音博』のバトンを渡したい」と『京都音博』のステージでは語られなかった想いを話してくれました。

これまで『京都音博』は、ここだから一緒に分かち合える驚きや新しい発見を音楽で見せ、時に京都のライブハウスや若手アーティストを巻き込みながら京都の音楽文化を育んできました。同じように、環境という軸でも新しいチャレンジを重ねながら、持続可能なフェスを実現しようとしているのも、地元に根づいたお祭りのように人と人をつなぐ場を育てようとしているからなのではないでしょうか。

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教えてください!「資源が“くるり”プロジェクト」のこと

『京都音博』のごみのはなしから、このイベントの成り立ち、そして「資源が“くるり”プロジェクト」のこれから。いろいろな話を3人に語っていただきましたが、最後に行った質疑応答のコーナーでは、参加してくれた小学生の皆さんからたくさんの質問が寄せられました。その中から少し、ご紹介させていただきます。

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Q1 「今、たい肥が完成してどんな気持ちですか?」

岸田「多分、作ってる途中は臭かったと思うんですけど、出来上がったものって結構いい匂いがする。皆さんで頑張って作られたという手触りを感じて、すごくうれしかったです」

Q2 「『京都音楽博覧会』みたいに、曲を披露したりする場所は、他にたくさんあるのに、なんで〈梅小路公園〉を選んだんですか?」

岸田「音楽フェスは、山の中とか海のそばとかあんまり人のいないところで、たくさんやっているんですよね。街の中でやってる音楽イベントは、屋根の付いた建物の中でやってたりするんですけど、やっぱり野外、空の下でやりたかった。京都でやると考えたときに、実は他にも候補の場所はあったんですけど、比較的最近できた公園(1995年開園)で、しかも街の中でやる音楽イベントはあんまりなかったので、誰もやっていないことをやりたかったんです」

Q3「なぜ、違うところでコンポストを作ることもできたのに、〈梅小路公園〉の中にコンポストを作ったんでしょうか?」

足立「『京都音博』が〈梅小路公園〉にこだわってやっているのがよくわかったんで、僕らもここでできることをと思って、アイデアを出し合いました。確かにもっといろんな場所でできるかもしれませんね」

岸田「今、足立さんが言ったみたいに、例えば、他のところに持っていって処理をして戻してくるっていうこともできると思うんですけど、運ぶのにも、持って帰るのにもエネルギーを使う。ここでやることやから、ここのことはここでと思って、最初やから、小さくやってみようっていうのが始まりでした」

Q4「資源が“くるり”プロジェクトには、いろいろなところから参加する人がいると思いますが、他の県とかに広めていきたいという思いはあるんですか」

岸田「はい。いいなと思ったことは、みんな真似してほしいと思います。僕も、他の人がやってることで、やってみようと思ったりすることもあります。ただ「宇宙中のごみを集めてリサイクルしたる」みたいなことを最初に言ってしまうと、何かできなかったときに約束を守れないじゃないですか。だから最初はできることを決めてやってみる。だからこのプロジェクトも、最初は秘密基地で、コソコソみんなでやっていけばいいんです。それで面白かったら、みんなでやってみようとなっていくものだと思っています」

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「資源が“くるり”プロジェクト」をきっかけにつながりが生まれ、芽吹き始めた地域のコミュニティの輪。1年目よりも2年目の今回、それを強く感じました。このイベント中も、小学生の皆さんがメモをとりながら熱心に聴いてくれた様子が印象的でしたが、小学校でもコンポストをやってみようという話が進んでいるそうです。さて、3年目はどのように育ち、コミュニティが発酵していくのでしょうか。『京都音博』はもちろん、このプロジェクトの動向にも目が離せそうにありません。

text:乾和代
photo:岡安いつ美

【参考】「数字で見る 資源が“くるり”プロジェクト」最終結果報告レポート

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