2017/10/15

SPARK Berlin:アカデミアにおける橋渡しと起業家精神の強化

SPARK BERLIN創始者、Charite大学病院 教授、Craig Garner 氏

「SPARKのコンセプトは、いいアイデアを素晴らしい製品へ変えていく、というシンプルなものです。しかし、現実にアイデアを製品へ変えていくのは非常に困難です。起業とはどういうものか、産業界は何を求めているのか、研究者に教育しなければなりません。社会・若者へ還元したいという志を持つ産業界のベテランが、ボランティアでメンタリングをする教育の仕組みがSPARKです。

SPARKは、スタンフォード大学のDaria Mochly-Rosen教授の経験から生まれました。彼女は、大学の成果を技術移転しようとしましたが製薬大手から軒並み断られ、自ら起業しました。そして、大学を一度離れて開発を進め、最終的に300億円以上でAmgenへ売却しました。大学へ戻ったとき、学内の研究の多くが上手く進展していない事実を知り、この問題を解決するためにSPARKを立ち上げました。

スタンフォード大学のSPARKでは、10年間で110件中73件のプロジェクトが完結し、31件が臨床試験へ進んでいます。この成果を受け、世界中でSPARKプログラムが誕生して学びを共有しています。その一つ、SPARK-Berlinは3年前に設立されました。

ベルリン地域は、スタンフォードに比べて、研究者の意識も事業化へ向いておらず、エコシステムも未整備で、教育やメンタリングのプログラムが欠けていました。SPARK-Berlinは、この3年で教育やプロジェクトマネジメント、エキスパートのアドバイザー、国際的ネットワークなど様々なことに取り組んできました。まだエコシステムは整備中ですが、既に複数のプロジェクトが生まれています。

SPARKには、チャンピオン案件の育成や、経験豊かなプログラムディレクター、ボランティアのメンター、TLOとの連携、コア施設、ファンドなど、様々な要素があります。色々な人々の協力を得ながら整備していくことが、効果的な育成プログラム実現へのポイントです。」

Craig Garner 氏

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【発表者プロフィール】
Garner教授はパーデュー大学にて生化学の博士号を取得後、スイス・バーゼルのフリードリヒ・ミーシャ―研究所 研究員、ドイツ・ハンブルグの分子脳生物学センター グループリーダーを歴任後、スタンフォード大学 精神医学・行動科学部門 教授としてスタンフォード大学ダウン症センターを共同主宰。2014年にドイツ・ベルリンのCharite大学病院教授兼DZNE-Berlin(ドイツ神経変性疾患研究所)の研究者に着任。2015年に、大学研究者にトランスレーショナルリサーチと起業精神を教育するため、SPARK-Berlinを設立。Garner氏はこれまでにバイオベンチャー3社を起業しており、シナプス集合の分子・生理機構と神経変性疾患の機能に関する基礎研究に、現在も精力的に従事している。
SPARK BERLIN ウェブサイト http://www.spark-bih-berlin.org/

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