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2017/10/14

新概念の抗DNAウイルス薬

(株)キノファーマ 代表取締役社長 黒石 眞史 氏

「当社は、キナーゼを標的とした医薬品開発を行っています。まずウイルスには、エボラ熱やインフルエンザのようなRNAウイルスと、アデノウイルスのようなDNAウイルスの二種類があります。当社は、DNAウイルスをターゲットにしています。

例えば、高熱や腫れ、痛みを伴う角結膜炎(EKC)は、毎年日米欧で600万人以上が感染しますが、有効な治療薬は有りません。また、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)に対してアメリカではワクチン投与が63%ですが、日本では僅か4%です。当社は、これらの問題を解決します。

一般的に抗ウイルス薬は、DNAウイルス自体の酵素やタンパクを標的にして活動を阻害するため、ウイルス毎に異なる薬が必要です。当社の技術は、DNAウイルスが宿主細胞内で増殖するために用いる細胞内酵素を阻害するため、一つの薬で様々なウイルスに対応することが特徴です。京都大学の萩原教授が発見し、特許化しています。

開発パイプラインですが、既にパートナーがある角結膜炎用の目薬は、米国FDAへの申請を準備中です。ウイルス性のイボ用のスキンパッチが京大病院でPhase1&2の臨床研究中、子宮頸がん用のタブレットは京都大学と臨床研究を準備中です。そして、最も市場が大きい静脈注射用の製剤が動物実験の準備中であり、いずれも開発パートナーや投資家を求めています。」

【主なメンターコメント】
「非常に先端的な領域で、市場も大きいと思うが、先行他社がこの領域で非常に精力的に開発しており、彼らとの違いや安全性を明示してほしい」 Takeda Pharmaceutical, Sham Nikam氏

「技術の安全性や効果に説明時間を割くべきで、各パイプラインの市場規模に加えてベネフィットや差別化ポイントなどを紹介したほうが良い」 MassBIO, Elizabeth Steele氏

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【発表者プロフィール】
2002年にウォーターベイン・パートナーズを設立し、バイオファーマ分野のアカデミア技術のインキュベーション投資に従事。2011年にキノファーマのCEOに任命され、以来、新概念の抗ウイルス薬の開発に取り組む。
(株)キノファーマ ウェブサイト http://www.kinopharma.com/

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