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イノベーションが
生まれる「まち」。

2017/10/09

Johnson & Johnson, Make the Connection

Johnson & Johnson INNOVATION, Asia Pacific Innovation Center, 所長 Dong Wu氏

「Johnson & Johnsonは、130年前に絆創膏の販売から始まり、今では世界でも有数のヘルスケア企業に成長しました。我々は世界で最もイノベーティブなヘルスケアカンパニーになりたいという夢の実現に向けて社内だけでなく社外にも巨額の投資を行ってきました。

しかし、イノベーションには、パートナーが必要です。そのために作った組織がJohnson & Johnson INNOVATION(以下、JJI)で、約170名が世界中で活動しています。JJIは、エコシステムの近くにいたい、という思いで、ボストン、サンフランシスコ、ロンドン、上海の4か所のイノベーションセンターを核に活動しています。イノベーションセンターでは実際のディールを行うことを主眼に、この4年間で約8000案件の評価を行い、400件以上の投資を実施しました。また、インキュベーション機能を担うJLABSや、医療機器を中心とした投資機能を担うJJDCも整備し、以前よりも早い段階でイノベーションに関わる体制を構築しています。破壊的技術でJ&Jの事業との親和性があれば、誰にでも協業の可能性があります。

イノベーションには密度が重要です。Session1で紹介されたボストンには、2km×0.5kmの狭い範囲に数千社の企業に加え、病院などが集積しています。このような密度を作っていく事がエコシステム構築において重要です。JJIの活動の一つJLABSは、エコシステム内に物理的なインキュベーションシステムを作るために設立されました。ヘルスケアのスタートアップに必要な設備投資や専門家に加え、投資家や事業パートナーなど、従来はエコシステムの中に分散していた要素を統合したのがJLABSです。現在北米8か所に設置されているJLABSには、140社が入居し、50社が卒業、30件以上の協業が生まれています。

JLABSでは、設備や装置に加えて、教育や交流の機会を用意しています。その時に重要となるのが、"No Strings attached"という発想です。入居の際にJ&Jが投資などで囲い込んでいるわけではないため、外部の投資家や他の製薬企業とも連携しながら教育プログラムや交流機会を提供することができるのが特徴です。

JJIは、それぞれの機能を通じて、スタートアップがイノベーションを加速するための架け橋となることを願っています。」

Dong Wu氏

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【発表者プロフィール】

前前職は、Johnson & Johnson消費者ビジネスのR&D担当副社長。グローバルエンジニアリング部門と新興市場のR&D部門を率いて、Johnson & Johnsonのグローバル市場での製品探索を行ってきた。新興市場でのパーソナルケア商品を開発する新興市場R&Dの部門長として2007年にJohnson & Johnson入社。以来、高付加価値製品の開発とイノベーション文化の定着に努めている。Johnson & Johnson入社前はユニリーバで品質保証、製造及び研究開発分野で経験を積んできた。Dong氏は、開発グループの長として上海のユニリーバ地域イノベーションセンターの立上げに携わった後、ユニリーバ最大の生産拠点である安徽省合肥工場の製造部長兼工場長に就任。ユニリーバでは中国、アメリカ、日本での勤務経験がある。復旦大学卒業(応用化学)、中欧国際ビジネススクールでMBA取得。
Johnson & Johnson INNOVATION ウェブサイト https://www.jnjinnovation.com/

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