2024/11/05(火)
《京大発イノベーションを探る@健都》 がん/免疫関連疾患の新たな治療法の開発へ ~PD-1阻害抗体治療研究とそれを支える質量分析技術の貢献~ 終了
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2024年12月12日(木)に、健都イノベーションパーク交流セミナー「がん/免疫関連疾患の新たな治療法の開発へ ~PD-1阻害抗体治療研究とそれを支える質量分析技術の貢献~」を、大阪・健都の会場(オンライン配信とのハイブリッド)において開催いたしました。
■当日プログラム■
・講演
・パネルディスカッション&質疑応答 ※終了後、オンラインは閉会
・交流・名刺交換 ※現地参加の方のみ
今回のセミナーでは、様々ながん種に有効なPD-1/PD-L1阻害抗体による免疫治療を中心とする、京都大学と(株)島津製作所による共同研究について講演・発表いただきました。
京都大学大学院 医学研究科 がん免疫PDT研究講座(産学共同) 特定教授の茶本先生は、「がん免疫治療におけるT細胞の品質向上と品質管理の重要性」と題し、最先端の研究内容とその成果を発表。なかでは、T細胞品質管理による併用治療の重要性や、老化とPD-1抗体がん免疫治療有効性の関係、抗老化作用を持つスペルミジンが腫瘍免疫を増強する仕組みなど、専門的な内容を分かりやすく解説いただきました。
(株)島津製作所ライフサイエンス研究所 主任研究員の園村様からは、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を予測する代謝物マーカーの開発におけるメタボローム解析について、また、こうした解析プラットフォームを通じ、基礎研究を進展させ臨床応用につなげるための課題、現在の取り組みについて、お話いただきました。


■パネルディスカッション(一部)の内容:産学連携の契機・研究の現状、今後の展開について
- 京都大学との連携について
園村様: メタボローム分析データは研究の出発点に過ぎず、そのデータから得られる意味を深掘りし、さらにさまざまなデータを追加していくことが重要。具体的には、茶本先生からも紹介があったとおり、スペルミジンという物質に注目し、そこから結合するたんぱく質を見つけ出し、ひいては創薬まで考えていく。メタボローム分析からはじまりどんどんと、こうして、発想・研究を広げていく力が凄いと感じている。また、茶本先生の研究成果は一流誌に掲載されることが多く、その中で使用されるデータの正確性が求められるため、毎日プレッシャーを感じながら取り組んでいる。
- 分析機器メーカーの役割
茶本特定教授: 分析機器メーカーは黒子ではなく、バディのような存在。特に島津製作所との協力は、まさに「運命共同体」としての強力な連携であると考えている。
- 今後の展開
茶本特定教授: 臨床応用までの道のりは、単独の研究者では実現できず、産官学連携が不可欠。日本はそこが弱いため、仕組みづくりが必要である。京都大学内でもその意識が高まり、成長戦略本部やベンチャーキャピタルなどが設立されている。こうした、基礎研究から芽が出たアイデアを育成する人材が重要である。京都大学内のがん免疫総合研究センター内に、企業が共同研究を行うスペースも提供されており、研究者と企業が密に連携できる環境が整備されているため、より多く活用されれば、と思う。
園村様: 質量分析のプラットフォームを作り、茶本先生とともに代謝物マーカーの予測に取り組んでいる。臨床応用に向けて強い意欲を持っているが、現状の京都大学と島津製作所の共同研究体制をさらに発展、より大規模なグループを作り、大きな壁を突破できるような仕組みが必要だと考えている。
以上
京都リサーチパーク(株)では、今後も、定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象とした、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催していく予定です。次回もぜひご参加ください。
過去のイベントレポート等はこちら⇒https://www.krp.co.jp/labplus/events/
イベントの中でご案内した「ターンキーラボ健都」の詳細は以下ページからご覧ください。
