開催レポート
2019/07/30(火) 13:00
Life-tech3days Day2<br> BIO×HARD tech シンポジウム
ライフサイエンスの異分野連携による新たなイノベーション
~異分野協業が進むライフサイエンス分野 アカデミアと産業界のキーマンが現状と課題を語る~
7月30日(火)、京都リサーチパーク株式会社(以降、京都リサーチパーク(株))のサイエンスホールにて、BIO×HARD techシンポジウムを開催しました。
日 時 : 平成31年7月30日(火) 講演13:00~ / 交流会18:45~
会 場 : 京都リサーチパーク 東地区 1号館 4階 サイエンスホール
主 催 : 京都リサーチパーク(株)
出席者 : 92名(関係者含む)
京都リサーチパーク(株)は、「ライフサイエンス分野課題解決型研究会」BIO×HARD tech Square【BXHTS】を10月に開始するのに先立ち、キックオフシンポジウムとして開催しました。アカデミアと産業界のキーマンにご登壇いただき、バイオとハード、それぞれの立場から最新の研究内容、現状の課題や思いをお話しいただきました。会場には、AI・IoT・製薬・バイオテクノロジー・ものづくり等の企業や研究者の方々が来場し、パネルディスカッションや交流会に参加され、盛大な会となりました。
今回、工学・医学の両分野に精通された、京都大学 ウィルス・再生医科学研究所教授の田畑泰彦先生より、「ライフサイエンスとは何か」「バイオマテリアルとは何か」といった定義、そして再生医療、化粧品、ヘルスケア、生物医学研究、創薬研究などに代表される『ライフサイエンス(=生活化学)におけるバイオマテリアルの役割』についてご講演いただきました。
続く基調講演では、東京医科大学 医学総合研究所 分子細胞治療研究部門 教授の落谷孝広先生から、世界が注目するエクソソームの最新の研究成果、応用を見据えた産業化の課題、そして新たな産業の創生についてお話しいただきました。がんとの共存時代に向けて、患者への低侵襲性、超高齢化社会の医療費削減といった可能性にも言及された講演でした。
企業講演ではリバーフィールド株式会社 創業者CEO(東京医科歯科大学生体材料工学研究所 教授)川嶋健嗣氏にご登壇いただきました。手術支援ロボットの研究開発動向と実用化の事例、今後の市場性をお話しいただくとともに「大学発ベンチャーによるマスタレーブ型の手術支援ロボットシステム」について、空気圧駆動の採用、小型軽量化といった特徴や企業との連携、販売実績と今後の事業展開についてもご説明いただきました。
プログラム後半は4名のパネリストによる情報提供が行われました。経済産業省 生物化学産業課 課長補佐(総括)の大石知広氏、株式会社島津製作所 分析計測事業部消耗品ビジネスユニット ビジネスユニット長(部長)の八巻聡氏、株式会社ニッケ・メディカル取締役 医療機器事業部長 上杉昭二氏、大阪大学大学院 医学系研究科 教授の石井優先生より、現状の成果、今後の展開、発展性も踏まえそれぞれの分野の最新情報を分かりやすくお話しいただきました。
最後は、田畑泰彦先生をモデレーターとし、来場者参加型のパネルディスカッションをおこないました。来場者からはパネリストへ各研究や開発機器などについて次々と質問があがりました。
本ディスカッションにおいて、「新たなイノベーションには、『出会いと情熱』『コミュニケーション能力』『信頼関係』などが大切である」と、パネリストより貴重な言葉を頂戴しました。
交流会でも積極的な名刺交換が行われ、ライフサイエンスの異分野連携、そして新たなイノベーションの創発が感じられる一日となりました。