2025/10/01(水)
【HVC KYOTO 2025 再生医療ビジネスシンポジウム】再生医療ビジネスのための細胞バイオテクノロジーを本音で語り合う

HVC KYOTO(Healthcare Venture Conference KYOTO)は、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)・京都府・京都市・京都リサーチパーク株式会社が主催する、ヘルスケア領域における革新的な技術を持つ国内外のスタートアップと、オープンイノベーションに積極的な国内外の事業会社や、ベンチャーキャピタル・インキュベーター等からなるHVCパートナーが集まるイノベーションプラットフォームです。
HVC KYOTOにこれまで参加されたスタートアップは194件(起業前の研究者含む)、そのうち約2割が再生医療関連と、再生医療は新ビジネス創出の一角を占める重要なテーマです。長年、バイオ・医療・材料化学・医工連携の先端研究に係る知見を共有し、広義で再生医療の議論を深める機会として、京都大学 田畑泰彦先生に監修いただいてきた当シンポジウムも、2021年よりポストイベントに位置づけ開催しています。
今回は三洋化成工業株式会社の川端 慎吾氏から「機能性タンパク質シルクエラスチンを用いた医療機器開発について」、また、愛媛大学 教授の羽藤 直人氏からは「耳鼻咽喉科領域の再生医療」をテーマに基調講演をいただく他、プログラム後半では、業界の最前線を走るスタートアップをはじめとする産官学のキーマンによる情報提供、毎年恒例のここでしか聞けないパネルディスカッションをお届けします。終了後には参加者懇親会も開催いたします。是非、ご参加ください。
日時
2025年12月9日(火)10:00~17:55(開場9:30)
※プログラムはPeatixをご覧ください。
モデレーター
<オーバービュー>
京都大学大学院医学研究科 細胞バイオテクノロジーグループ 特任教授
田畑 泰彦 氏
テーマ:「細胞に対するバイオテクノロジーとして再生医療を見てみよう ~細胞バイオテクノロジーの最前線に必要なものとは?~」
再生医療とは、体本来のもつ自然治癒力を高める先端医療の一つである。この自然治癒力の基である細胞の増殖、分化(成熟して生物機能をもつこと)能力を高めることで、再生医療は可能となるであろう。再生医療は再生治療と再生研究からなる。細胞能力を活用した先進治療が再生治療であり、再生治療を科学的に支える基礎生物医学研究と創薬研究が再生研究である。いずれに対しても、細胞能力を高めるための周辺環境を作り与える細胞バイオテクノロジー技術が必要不可欠であることは疑いない。本講演では、再生医療(再生治療と再生研究)を細胞バイオテクノロジーとしてとらえ、今後、この研究開発領域に必要となるものについて議論したい。
講師紹介
<基調講演1>
三洋化成工業株式会社 Sielaプロジェクト プロジェクトリーダー
川端 慎吾 氏
テーマ:「機能性タンパク質シルクエラスチンを用いた医療機器開発について」
当社では、ヒトが本来有する自然治癒力を活用し、組織再生を促進することを目的に、人工タンパク質を応用した治療用医療機器の研究開発に長年取り組んでいます。中でも、当社独自の機能性タンパク質「シルクエラスチン」は、シルク由来の強靭性とエラスチン由来の柔軟性を併せ持ち、高い生体適合性と細胞親和性を有する素材として、創傷治癒や軟部組織再生への応用に取り組んでいます。本講演では、シルクエラスチンの構造的特長や細胞との相互作用に関する基礎技術を紹介するとともに、創傷治癒材および半月板再生材としての応用を目指した15年にわたる医療機器開発の過程について、試行錯誤を重ねた技術的・制度的な課題、薬事対応、臨床研究との連携、さらには製品化に至るまでの道のりを多角的な視点からご紹介いたします。自然治癒力を活かす医療技術の可能性と、今後の展望についても考察し、次世代の再生医療に向けた新たなアプローチを紹介出来ればと思います。
<基調講演2>
愛媛大学医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授
愛媛大学医学系研究科長・医学部長
羽藤 直人 氏
テーマ:「耳鼻咽喉科領域の再生医療」
耳鼻咽喉科は聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚等の感覚器に加え、呼吸や嚥下、顔面表情運動等、QOLに直結した領域を扱う。また、外界に開けた器官が多く、再生医療のターゲットとしてアプローチが容易である。耳鼻咽喉科領域では古くから再生医療への取り組みがなされてきており、内耳、鼓膜、嗅覚、顔面神経等への再生医療は既にヒトを対象として、保険収載もしくは特定臨床研究として展開されている。基本的なコンセプトは、各器官の自己再生能力を最大限に引き出すことであり、徐放化栄養因子が好んで用いられている。耳鼻咽喉科領域の再生医療の現状と課題を紹介させていただく。
<情報提供>
経済産業省 商務・サービスグループ生物化学産業課長
廣瀨 大也 氏
テーマ:「再生医療の産業化に向けた経済産業省の取組について」
再生・細胞医療・遺伝子治療(以下再生医療)の分野では、2012年のノーベル賞受賞以来、多くの研究開発費が投入され、優れたシーズが臨床のフェーズに進んでいる状況である。一方で、技術の社会実装を進めていくためには、以下のような課題が存在している。
・薬機法の下では、承認を得ても適応症や患者数が限定的となり、長期的な効果という再生医療の価値や、開発コスト・時間に見合った十分な収益が得られない。
・安確法下では、患者にとってのメリットや治療効果の検証が必ずしも十分でない技術が提供され、再生医療に対する社会的な信頼を損なわせている。
こういった課題を解決するために経済産業省で現在行っている取組や、今後の予定について紹介する。

国立医薬品食品衛生研究所 副所長
佐藤 陽治 氏
テーマ:「再生医療等製品の品質保証 vs. 特定細胞加工物等の品質保証」
『医薬品医療機器等法』(薬機法)の下における「再生医療等製品」、及び『再生医療等安全性確保法』(安確法)の下における「特定細胞加工物等」の製造管理及び品質管理の基準は、それぞれ『再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令』(GCTP省令)および『再⽣医療等の安全性の確保等に関する法律施⾏規則』の第92~110条(法第44条基準)に記されており、これらは内容的に共通するものとなっている。なお、前者は再生医療等製品製造業者が製造所において、後者は特定細胞加工物等製造事業者が製造施設において遵守すべき基準である。一方、薬機法下の再生医療等製品の品質保証については、『医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令』(GQP省令)に製造販売業者が実施する旨が記されているが、安確法下での特定細胞加工物等の品質保証については、実施主体を明示した文書がない。つまり、薬機法下では製造販売業者が、製造時のみならず保管、流通、出荷後まで常に期待される品質を保証し、必要に応じて医療機関などに対して使用時の品質確保の指示を行うが、安確法下では誰がどの範囲まで品質保証を実施すべきか、薬機法のシステムほどは明らかではない。

株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング 相談役
畠 賢一郎 氏
テーマ:「再生医療等製品開発の役割分担とCDMOの意義」
近年、わが国における再生医療等製品の承認数は20品目を超え、製品開発から事業化に至るまでの経験が徐々に蓄積されつつある。これらの製品は、単なる研究開発の成果として提供されるものではなく、医療の一端を担う存在として、社会的側面を含む多角的な配慮が求められる。
製品の設計・製造における工夫は、承認後の安定供給体制の構築に直結する重要な要素である。また、臨床試験や市販後調査の実施に際しては、情報収集手法や評価方法の論理的整合性を確保しつつ、製品ごとに説得力のある運用体制を確立する必要がある。
演者らは、これまでの再生医療等製品の提供経験を基に、業界団体や学会活動を通じて、研究開発から社会実装に至るまでの課題と解決策を提案してきた。本口演では、再生医療等製品の開発におけるアカデミアと企業の役割分担、ならびに近年注目を集めるCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)の意義について考察したい。細胞バイオテクノロジーとの接点に関する話題提起になれば幸いである。

株式会社ビジョンケア 代表取締役社長
髙橋 政代 氏
テーマ:「再生医療における治験と公的保険の問題点」
2014年に世界初のiPS細胞臨床応用を実施してから10年が経過し、網膜再生医療を標準治療にするための開発を続けてきました。細胞治療という新しい治療法において、日本は法整備を含め世界でも良い位置につけていますが、実際に患者さんに届けるためには解決すべき課題があります。
再生医療は製造コストが高く、標準治療として広く提供するには医療システムの改革が必要です。治験から承認、そして保険適用に至るプロセスには時間がかかり、高額な治療費をどのように保険でカバーするかという問題が横たわっています。また、手術を伴う再生医療を多くの医療機関で実施できるようにするための医師の育成やデバイスの開発も重要です。
一方で、AIやロボット技術の進展により、細胞製造の自動化やコスト削減が可能になってきています。過去にWHOにより世界最高とされた日本の医療を再び世界トップレベルにするためには、再生医療を持続可能な標準治療として確立することが鍵となります。本講演では、治験から保険適用までの実際の課題と、神戸アイセンター構想を含めた解決策についてお話しします。

横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 教授
兼 株式会社TrichoSeeds 代表取締役社長
福田 淳二 氏
テーマ:「毛髪の再生医療」
毛髪再生医療は、移植する細胞種と形態に応じて大別すると、「間葉系細胞のみ」、「上皮と間葉系細胞からなる毛包原基」、「生体外で誘導した毛包オルガノイド」の3つのアプローチがある。「間葉系細胞のみ」のアプローチは、資生堂グループが2024年に自由診療を開始した毛球部毛根鞘細胞の移植などが代表的な例であり、残存する毛包の活性化を目的としている。「上皮と間葉系細胞からなる毛包原基」は、発生期に特徴的に形成される毛包原基を生体外で構築し、これを移植することで、移植先の皮膚にて毛包を形成させる方法である。「生体外で誘導した毛包オルガノイド」は、生体外培養系で毛包を作り出し、これを植毛手術のように移植する方法である。
我々は、これら3つのアプローチに関して、基盤技術を開発し実用化を目指した研究開発を進めてきた。本講演では、毛髪再生医療の背景から、最近の研究動向、そして我々の3つのアプローチに関して簡単に紹介する。
※資料配布はございません。ご了承ください。
※情報は順次更新いたします。最新情報はPeatixをご覧ください。
場所
京都リサーチパーク KRP西地区 4号館地下 バズホール
https://www.krp.co.jp/access/map.html
対象
・製薬・バイオ・モノづくり等の企業や研究者の方
・当該領域のスタートアップに関心がある方や今後起業を目指している研究者の方
・ライフサイエンスの異分野連携を目指す方 等
参加費
無料
定員
200名
(定員に達し次第受付終了。最終申込受付〆切は、2025年12月7日)
申し込み
Peatixよりお申し込みをお願いいたします。
https://hvc2025post.peatix.com
主催
(独)日本貿易振興機構(ジェトロ) 京都府 京都市 京都リサーチパーク(株)
共催
関西イノベーションイニシアティブ(KSII) 京都大学成長戦略本部 京都大学イノベーションキャピタル(株)
後援
厚生労働省、特許庁、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)、大阪府、兵庫県、大阪市、神戸市、近畿経済産業局、公益社団法人関西経済連合会、大阪商工会議所、京都商工会議所、神戸商工会議所、公益財団法人京都産業21、公益財団法人京都高度技術研究所(ASTEM)、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構、公益社団法人京都工業会、一般社団法人京都知恵産業創造の森、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)、NPO法人関西健康・医療学術連絡会、NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議 、NPO法人日本MITベンチャーフォーラム(MIT‐VFJ)、関西健康・医療創生会議、関西医薬品協会(KPIA)、バイオコミュニティ関西(BiocK)、CIC Japan、Plug and Play Japan株式会社、合同会社SARR、デュッセルドルフ市 経済振興局、メリーランド州商務局、香港投資推進局(インベスト香港)
お問合せ先
京都リサーチパーク株式会社 イノベーションデザイン部
E-Mail:hvckyoto@krp.co.jp