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【開催報告】環境技術セミナー#4 :木質バイオマス活用~バイオリファイナリー技術と木材マテリアル利用技術~終了

 2026年1月13日(水)、京都リサーチパークにて第4回「環境技術セミナー」が開催されました。 本セミナーは、環境配慮や負荷軽減に関わる技術開発、事業化を目指す企業や研究者の方々を対象とした連続セミナーです。 今回は京都府立大学より2名の先生にご登壇いただき、最新の研究についてご講演いただきました。

【講演1】木質バイオマスのマテリアル利用技術 神代 圭輔 准教授(京都府立大学大学院生命環境科学研究科)

 国内の約3分の2が森林で、その約4割を占める人工林の蓄積は年々増加し利用の好機が到来していると説明されました。森林が健全であるには「植える⇒育てる⇒収穫する⇒使う」の循環を継続することが不可欠で、マテリアル利用はその循環と炭素固定に資すると強調されました。その後、無垢材、集成材(CLT)、改質木材、樹脂複合材(WPC)、セルロースナノファイバーや改質リグニンなどの多様なマテリアル利用技術が示され、材料の形態・利用レベルと加工・改質の度合いの関係について述べられました。さらに、マテリアル利用推進のための流通という観点から、京都府立大学の「地域貢献型特別研究(府大ACTR)」に基づく共同研究を通じ、ICT活用の現場アプリ(丸太直径測定、強度推定など)を実装した省力化とコスト削減に有益な事例が紹介されました。最後に、天然の高度な材料資源である木質バイオマスのマテリアル利用は、炭素固定の要であり、用途に応じた技術の使い方が鍵であり、地域森林資源の有効活用が重要になると結論づけられました。

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【講演2】木質バイオマスの化学成分利用技術 宮藤 久士 教授(京都府立大学大学院生命環境科学研究科)

 石油を使わず、木材を原料に化学品や素材を生産する「バイオリファイナリー」の重要性を説く講義でした。木材は主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンの3つの高分子成分から成り、これらを高分子のまま利用する方法と、分解して糖や芳香族化合物などの化学原料に変換する方法があると説明されました。特にリグニン由来のバニリンは高付加価値製品の代表例で、パルプ工程の廃液から抽出・合成する事例が紹介されました。さらに、木由来のフラン系化合物を出発点にエチレングリコールと反応させてPET類似の樹脂(PEFなど)を得る取り組みも事例として挙げられ、バイオ由来プラスチックへの展開が期待される一方、製造コストや採算性が課題であると指摘されました。技術的には酵素・微生物、化学処理、イオン液体など多様な手法があり、早生樹活用や都市部での木材利用促進、カーボンクレジットを含むバリューチェーンの整備が鍵ともお話しされつつ、需要の少ない分野ほど付加価値が高く研究のしがいがあるとの私見も述べられました。

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意見交換交流会

 講義終了後は両先生に次々と質問が寄せられ、交流会では活発な意見交換が繰り広げられました。

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