【開催報告】環境技術セミナー#2 環境にやさしい表面改質技術:ミスト半導体形成と微細テクスチャリング
2025年8月6日(水)、京都リサーチパークにて、京都工芸繊維大学の先進的な研究者をお招きする「環境技術セミナー」が開催されました。 本セミナーは、環境配慮や負荷軽減に関わる技術開発、事業化を目指す企業や研究者の方々を対象とした連続企画です。
【講演1】ミストを用いた半導体形成技術:様々な半導体材料への展開(電気電子工学系 西中 浩之 教授)
半導体業界において、融液成長によるバルク単結晶の製作は以前から行われていますが、近年、低価格なパワー半導体への応用に向けた研究が特に注目され、エネルギー効率向上やコスト削減の要求に応じて、この技術を用いた取り組みが活発化しています。
今回、西中先生には、ミストCVD法(水や有機溶媒に溶かした原料を超音波振動でミスト(霧)状にし、加熱された基板上に吹き付けて薄膜を形成する技術)による高品質酸化物の形成例など、半導体形成技術についてご紹介いただきました。シンプルな仕組みで、高価な装置を使わないミストCVD法は、当初は実現不可能と考えられていましたが、継続的に開発・研究されてきた先生は、酸化ガリウムなどの金属酸化物を材料として使用し、パワーデバイス、メモリ材料、透明導電膜、太陽電池材料などへ応用研究を進めていらっしゃいます。
【講演2】微細塑性加工を応用した表面機能の改善(機械工学系 山口 桂司 准教授)
表面機能とは、材料の表面に微細な凹凸を設けることで新たな特性や機能を発現させる技術で、撥水性や抗菌性、摩擦特性などを向上させることができます。今回は、微細塑性加工の「マイクロフォーミング」(MFR)法と「マイクロボールフォーミング」(MBR)法について解説されました。MFR法は、微細な構造を持つ工具を基板に押し付けることで微細な凹凸を形成し、均一なテクスチャーを効率的に作成できます。一方、MBR法はボールを被加工物に押し付けて回転させることで微細な凹凸を形成し、特有のパターンを生み出します。この方法は連続的な加工が可能で、複雑な形状の部品にも柔軟に対応できます。
これらの改質技術はバイオマテリアル領域において、細胞の成長を促進できることが示されています。表面機能は、材料の機能性やエネルギー効率の向上だけでなく、医療応用への期待も高まっています。
活発な意見交換が行われた交流会
本セミナーは、テーマによってさまざまな業界の企業の方が参加されます。今回は、製造業の中でも医療機器関連から参加がありました。交流会では、先生方と参加者、また参加者同士が意見を交換し、ネットワークを深める貴重な機会となりました。
