2026/08/07(金)
CARマクロファージによる固形がん治療の新展開 終了

2026年9月11日(金)に、健都イノベーションパーク交流セミナー「CARマクロファージによる固形がん治療の新展開」を、ハイブリッド形式で開催いたしました。
■当日プログラム■
16:00~ 開会/登壇者ご紹介・オープニングアンケート
16:10~ ご講演
17:00~ 質疑応答
17:30 閉会
今回は、株式会社ENIC Immunology 我妻 慶祐 氏を講師にお迎えし、既存の免疫療法が抱える課題を克服する新たなアプローチについてご講演いただきました。同社が取り組む「CAR-マクロファージ療法」は、白血病等で実績のある免疫細胞治療の流れを応用したもので、固形がんに極めて有効な新たな治療戦略として世界的にも注目を集めています。
はじめに、CAR-マクロファージが大きな注目を集めている背景をご説明いただきました。血液がんの治療で成果を上げているCAR-T細胞療法ですが、固形がんに対しては「組織の奥まで届きにくい」といった課題があります。こうした壁を、マクロファージ特有の動き回る力や、がん周辺の環境を改善する力でクリアする仕組みについて、最新の知見とともに分かりやすく解説いただきました。
次に、生体から直接採取する「プライマリマクロファージ」を細胞医薬品に用いる際の、製造や安定供給における課題が説明されました。この課題に対し、同社はiPS細胞から血球細胞への分化誘導法を最適化した、独自の製造プラットフォームを強みとしています。患者由来の細胞と同等の高い機能性を維持しながら、150以上のクローンで実証された高い再現性(堅牢性)や、安全なゼノフリー条件、さらに従来法の約200倍という圧倒的な高収量を実現していることが紹介されました。これにより、均一な品質の細胞製剤をいつでも安定供給できる「オフ・ザ・シェルフ(既製品)型」の治療薬として、高額になりがちな細胞療法のコストを大幅に削減できる期待が示されました。最後に、製薬企業とのオープンイノベーション実績や、HER2陽性がんを皮切りとした適応拡大の展望、2030年からの臨床試験開始に向けた開発ロードマップについての説明がありました。
講演後には、CAR-マクロファージの疲弊問題、iPS由来CAR-NKとCAR-Mの比較、iPS細胞由来マクロファージの増殖優位性などについて多くの質問が寄せられ、参加者の関心の高さがうかがえる充実したセミナーとなりました。

当日は、会場・オンライン配信において、約80名の皆様にご参加いただきました。
京都リサーチパーク株式会社では、今後も、定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象とした、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催します。次回もぜひご参加ください。