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2021/10/12

「京都大学と考えるスタートアップが成長するラボ」トークセッション 終了

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2021年8月31日(火)に『京都大学と考えるスタートアップが成長するラボ』トークセッションがオンラインで開催されました。当日は、インキュベーション施設「イノベーションハブ京都」の運営者・入居者にご講演いただき、更に「スタートアップが成長するラボとは?」をテーマに、シェアラボについてのトークセッションも行いました。本レポートでは、当日の様子の一部をご紹介させていただきます。

目次

・医療ヘルスケア分野のスタートアップを創出・育成するためのインキュベーション施設~イノベーションハブ京都~
京都大学大学院 医学研究科 「医学領域」産学連携推進機構 特定講師 山口太郎氏

・世界初の歯が生える薬~トレジェムバイオファーマ~
トレジェムバイオファーマ株式会社 代表取締役 喜早ほのか氏

・来春、北大阪医療健康都市(健都)にオープンする日本最大級のBSL2/P2対応の機器付レンタルラボ「ターンキーラボ」
京都リサーチパーク株式会社 新事業開発部 中根静香

・スタートアップが成長するラボとは?~シェアラボが果たす役割~
登壇者全員によるトークセッション

医療ヘルスケア分野のスタートアップを創出・育成するためのインキュベーション施設~イノベーションハブ京都~

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京都大学山口氏:インキュベーション施設「イノベーションハブ京都」(IHK)には、成長ステージに合わせたラボが4種類あります。これらのラボは、地下に動物実験室も備えたP2レベルの実験環境で、Wetラボが中心です。その中でも、インキュベーション コア・ラボには、実験機器が備えつけられており、手ぶらで入っていただいてもすぐに研究ができるシェアラボとなっています。初期の資金調達に必要なPOCを取得して次のラボにステップアップするまでの間の部分をカバーすることができます。イノベーションハブ京都に入居される方は再生医療や創薬系のスタートアップが多く、バイオ実験は時間がかかるため、シェアラボ含めた全てのラボの入居期間は一般的なIT系の(インキュベーション施設の年限の)3年よりも少し長い5年となっています。

世界初の歯が生える薬~トレジェムバイオファーマ~

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トレジェムバイオファーマ喜早氏:画像をご覧下さい。〇で囲まれた部分は、現在は病態とされている「過剰歯」です。この「過剰歯」をコントロールすることにより、永久歯の次の世代に歯を生やすことができないか、「歯の再生・治療法」として確立できないか、その研究開発こそがトレジェムバイオファーマの取り組んでいることです。今では先天性無歯症のマウスに抗体を投与することで歯の数が回復されることが確認されており、その先の開発候補物としての絞り込みもできています。

論文掲載やプレスリリースもされているこの研究。現在、歯の欠損に対する治療として、薬で自分自身の歯の発生(再生)ができるのは、トレジェムバイオファーマのみです。

20224月健都にオープン予定!日本最大級のBSL2対応の機器付きシェアタイプのレンタルラボ「ターンキーラボ」

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KRP中根:ターンキーラボは、北大阪健康医療都市(健都)に2022年4月にオープン予定。健都は新大阪駅から3駅7分のJR岸辺駅に位置し、2019年に移転してきた国立循環器病センター、来年移転してくる予定の国立健康栄養研究所、この2つの国研を中心として、関係者が協力し、国際的な医療クラスターを目指して取り組んでいる注目のエリアです。

ターンキーラボには、細胞培養を中心とした基本的な実験機器が備えられており、試薬等を持ち込んでいただくだけですぐに研究を始めることができます。また、ラボマネージャーが常駐しており、煩わしい施設管理や備品管理などが不要なため、研究に集中していただくことが可能です。

スタートアップが成長するラボとは?~シェアラボが果たす役割~

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京都大学山口氏:個室のラボを備えるには、ある程度のまとまった資金が必要となります。その点、シェアラボは、個室のラボを備える一歩手前の段階において機器が使える場所となり、起業のハードルを下げて活用してもらうことができるのです。次のステップに移るための実験結果を出す場所として利用してもらうことが、シェアラボの大きな役割だと思っています。

KRP中根:個室のラボをつくるのは、山口先生もおっしゃっているように、費用がかかってしまうので、研究者がすぐに用意するのは困難です。その点、シェアラボは新しい展開に進みやすいことが利点の一つです。退去や移転時の原状回復費用も安価なため、成長にあわせて臨機応変に活用しやすいと思っています。

最後に

今回のセミナーを通して、大学や民間が運営するスタートアップに向いたシェアラボや、実際に入居しているスタートアップによるシェアラボの良さ等について知ることが出来ました。

KRPでは、今後も定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催していく予定です。次回もお楽しみに。

<今回ご登壇いただいた「イノベーションハブ京都」様と「トレジェムバイオファーマ」様のご紹介>

施設名:イノベーションハブ京都
運営者:京都大学大学院 医学研究科 「医学領域」産学連携推進機構(KUMBL)
イノベーションハブ京都は、アカデミア研究者、ベンチャー企業や大企業、投資家等、異分野のスペシャリストが集い、ネットワーク構築と情報交換を通じて、バイオメディカル分野のベンチャー育成とシーズの事業化を目指す、京都大学内のオープンイノベーション施設です。 これまで京都大学医学研究科が注力してきた創薬研究開発に加えて、医療機器、ヘルスケアアプリ等の開発を目指す研究者やベンチャーが、施設に集まる大企業、投資家等と交流し、成長することができます。
WEBページ:https://www.ihk.med.kyoto-u.ac.jp/

会社名:トレジェムバイオファーマ(株)
トレジェムバイオファーマ株式会社は京都大学歯科口腔外科 髙橋克准教授の研究成果をもとに、歯の再生治療薬の研究開発・上市を目的に起業した、京都大学発ベンチャー企業です。
WEBページ:https://toregem.co.jp/

過去の関連セミナーレポートのご案内

KRPでは、定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催しています。

・2021年8月31日開催「京都大学と考えるスタートアップが成長するラボ」トークセッション

・2021年7月29日開催「食とバイオのオープンイノベーション拠点大解剖」トークセッション

・2021年7月14日開催コロナテック最前線~研究者とスタートアップの緊急対談~

・2021年6月23日開催 『「Beyond Next Ventures」と考えるバイオベンチャーのアクセラプログラム活用法』トークセッション

・2021年6月10日開催『シェアリングエコノミーと実験機器の新しい流れ』トークセッション

・2021年5月13日開催『研究者集団「リバネス」と考える新しいラボの在り方』セミナー

イベントレポート等はこちら⇒https://www.krp.co.jp/labplus/events/