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特集

2026/02/05

【株式会社ピューズ】 人と物を運ぶモビリティを進化させ、持続可能な地域社会に貢献したい。

電気自動車がまだ普及していなかった1980年代からモビリティの電動化に取り組み、FCV(燃料電池自動車)をはじめとする次世代モビリティの受託サービスをトータルに手がける株式会社ピューズ。2023年にKRP内でピューズイノベーションセンター京都を開設した想いや、今後の目指す方向など、代表取締役副社長の宮下泉氏と事業企画室の三田悠乃氏に話を伺った。

株式会社ピューズ/代表取締役副社長 宮下 泉氏
株式会社ピューズ/事業企画室 三田 悠乃氏

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モビリティ電動化のパイオニアとして、開発から生産までワンストップで提供。

ー会社の主な事業内容について教えてください。

宮下氏:弊社は、株式会社東京アールアンドデーのグループ会社で、1999年にEVシステム事業部を分離独立してスタートしました。弊社について、社外の人に話す際は「EV(電気自動車)の開発をしている会社です」と伝えることが多いのですが、プロのエンジニア向けの受託研究開発サービスがコア事業となります。自動車メーカーや部品メーカー、公的機関などからご依頼を受け、乗用車や大型車、航空機、産業用車両まで、幅広いモビリティの開発やエンジニアリングのサポートを行っています。

ー会社の強みは何であるとお考えでしょうか?

 宮下氏:調査・企画・シミュレーション・設計・試作・評価・量産(量産移管を含む)までの一連のプロセスをサポートできる点が、ピューズの強みです。電気自動車をゼロから開発し、生産まで一貫して受託できる会社は、大手自動車メーカーを除いて国内では数少ない存在です。弊社は、お客様からいただいた仕様書をただカタチにするだけではなく、ご要望を丁寧にお聞きした上で、最適なソリューションを導き出します。例えば、市町村で電気バスを走らせたいというご要望をいただいた場合、車両だけではなく、利用者数や運行の仕組み、充電システムなども含めたご提案が可能です。こうしたコンサルティング力が弊社の強みであると考えます。

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KRP入居を機に、産学連携や協業、実証実験など活動の幅が広がる。

KRPに入居されたきっかけについてお聞かせください。

宮下氏:数年前から大阪に営業所を構え、西日本の拠点として活動をしてきましたが、事業拡大に伴い、開発拠点としてラボ機能ももつ環境を関西で探していました。あるプロジェクトでご一緒した京都市役所からKRPを紹介していただき、20238月に「ピューズ イノベーションセンター京都(PICK)」を開設する運びとなりました。京都駅に近いというアクセスの良さに加え、近隣の大学や企業との産学連携が期待できる点も魅力を感じました。

 ーKRPに入居後、実際に産学連携等の活動は実施されていますか。

 宮下氏:KRPに入居して以降、京都市内の複数の大学の研究者とつながり、既に京都先端科学大学とリユース電池を活用した充電システムに関する共同研究も進めています。電力を送る際には、バッテリーごとに電圧や特性が異なるため、高度な電力変換や制御が必要になります。本技術は、異なる種類のバッテリーからでも、対象物に対して安定した電力供給を可能にする画期的な技術といえます。

 また、KRPが主催・共催するイベントにも積極的に参加しています。「サイエンスパークサミット2025」にてピッチ登壇を行い、大阪・関西万博のイタリア館で開催された国際連携イベントにも参加し、当社の事業を紹介しました。当社の技術について多くの方々に理解していただき、今後の事業展開や社会貢献に向けた活動を広げる有意義な機会であると感じています。

三田氏:当社では、KRPに入居したのを機に人材確保にも力を入れており、その一環としてインターンシップを実施し、5名のインターン生を受け入れました。学生たちに弊社ならではの実践的な経験を積んでもらおうと考え、KRP 1号館のエントランスロビーで、KRPの協力のもと次世代小型モビリティの社会実装に向けた実証実験を行いました。当日はシニアカーのような一人乗りの小型モビリティを展示し、インターン生に製品説明やアンケートの企画、試乗時のアテンドなど運営業務を担当していただきました。

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宮下氏:この実証実験はマーケティングの一環として実施しましたが、KRPの入居者や関係者の方々に試乗体験をしていただき、弊社の認知向上につながる貴重な機会になったと思います。KRPでは企業間マッチングも行われていますが、それらを活用して他の入居企業との協業をさらに広げていきたいです。

KRPに求めることについて、自由にお答えください。

三田氏:私は学生時代に1箇所しかインターンシップを経験しなかったのですが、最近は何箇所も経験されている学生さんが増えています。KRPには多くの企業が入居しているので、例えば合同インターンシップを実施すれば、学生側も企業側も有意義なイベントになると思います。

宮下氏:現在も夏のビアガーデンなど様々なイベントを開催されているのですが、このような交流イベントは、入居企業の関係が深まるのは素晴らしい機会であると感じます。観光業など京都ならではの企業とも交流できれば、ビジネスも広がるのではないでしょうか。

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ピューズの認知向上をはかり、地域に寄り添いながら課題を解決していきたい。

 ー今後の目標についてお聞かせください。

 三田氏:事業企画部は新設された部署ですが、企業だけではなく一般の方々にも弊社の認知を高めるための活動を進めています。その取り組みの一つとして、イオンモール桂川で開催された「京都子ども探求博」に出展しました。自動運転車両や小型電動モビリティを展示し、お子様にも試乗体験を楽しんでいただきました。

 また、「大阪モーターショー」にも出展し、現在東京大学と進めている「自動運転車両と走行中給電の融合技術に関する研究」について展示しました。この技術は、道路に埋め込んだ送電コイルから、走行中の電気自動車にワイヤレスで電力を供給します。会場では車両下部に設置した受電コイルが見えるように鏡を使って展示し、多くのご来場者に興味を持っていただくことができました。今後も、ピューズや弊社の技術について知っていただくための取り組みを進めていきます。

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宮下氏:弊社は横浜本社と厚木事業所を拠点としていますが、そこではできない新たな事業を、このピューズ イノベーションセンター京都(PICK)で挑戦していきます。従来は受託サービスが中心でしたが、今後は弊社から発信してニーズを捉え、新しい付加価値を生み出していきたいです。

 例えば、地方では高齢者の移動手段不足に加え、部活動を終えた学生が夜間に帰宅するための交通手段がないという声もお聞きします。そのような地域に自動運転バスを導入する場合、コスト面の課題がありますが、人の輸送だけではなく物流など他用途の活用をはかれば、収益確保の可能性があります。

 東京など都市全体の課題を解決するには、行政や大手企業の取り組みが不可欠な側面はあります。一方で、小さな町や村が抱える課題に関しては、弊社のこれまで培ってきた技術や知見を活かして、モビリティ、充電、オペレーションを含めたトータルソリューションが可能であると考えます。人と物を運ぶすべてのモビリティを進化させ、課題を抱えるお客様に寄り添いながら技術を提供することで、持続可能な地域社会の実現に貢献することを目指します。

企業情報

宮下 泉氏
神奈川県出身。上智大学理工学部卒業後マツダ株式会社へ入社。レース用のデータ収集やエンジン制御の開発に従事し、1991年、ル・マン24時間レースで日本車初の総合優勝を飾ったマツダスピードのレーシングカーの開発にも携わる。2000年に東京アールアンドデー(ピューズの親会社)へ転職、主にF1用の電装部品の開発に取り組む。2009年にピューズに転籍、EV開発の営業、電気バスの実証試験のリーダー等を務める。2020年に代表取締役副社長に就任。

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三田 悠乃氏
兵庫県出身。高等専門学校で建築土木を学び、卒業後は「若いうちにいろいろなことに挑戦したい」と考えて台湾で日本語教師として勤務。帰国後は、電動工具メーカーで研究開発に携わり、その後ピューズに転職。営業業務のほか広報など幅広く経験し、現在は事業企画室で企業ブランディングなどにも携わる。

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企業名:株式会社ピューズ
代表者:代表取締役社長 松本 浩征
所在地:ASTEM 10 1006号室、KISTIC 1 106号室
TEL
075-950-0136
FAX
075-950-0137
URL
https://www.pues.co.jp/jp/
E-Mail:zwepdlld@pues.co.jp

事業内容
■モビリティの電動化で、未来を創る

ピューズは1980年代からモビリティの電動化に取り組んできました。
近年は電気自動車やEVチャージャーなどをよく見かけるようになりましたが、1980年代は電気自動車なんてもちろん普及していません。
そんな時代から電気自動車を開発していた私たちは、現在はトラックやバスなどの大型車、飛行機・建機・農機まで幅広いモビリティの電動化開発を行っています。

■ピューズイノベーションセンター京都(PICK
本社を横浜に構えるピューズですが、ASTEM101006号室とKISTIC 1106号室にピューズイノベーションセンター京都(PICK)があります。
ここでは西日本の営業・開発拠点として日々業務に励み、環境に配慮したモビリティのある社会の実現を目指して、日々研究を重ねています。