研究を始めて、進めて、広げる「リサーチ」パーク 京都リサーチパーク:前編
京都リサーチパーク(KRP)は1989年、全国初の民間運営による都市型リサーチパークとして開設されました。現在では35年以上にわたるレンタルラボの運営ノウハウや、KRP地区内の支援機関同士の連携を通じて入居者を支援しています。2027年には、レンタルラボを備えた新棟の竣工も予定されています。こうした動きを踏まえ、「リサーチを軸に新たな展開をめざす」という今後のビジョンについて、代表取締役社長の浅野貢男様に話をうかがいました。
提供/広告:本記事は「レンタルラボプラス」の運営会社である京都リサーチパーク株式会社が、自社のレンタルラボを紹介する目的で作成しています。
京都リサーチパーク株式会社 代表取締役社長 浅野貢男 氏
目次
- 研究を支えるためのワンストップサービス
- KRPのノウハウと多数の支援機関による万全の支援体制
- 「サードプレイス」としての役割
- 「リサーチ機能の充実」によりビジネスを広げる場に
研究を支えるためのワンストップサービス
―はじめに、ラボ開設を考える企業やアカデミアにとって、京都リサーチパーク(KRP)を選ぶメリットを教えてください。
浅野:メリットをひと言で表すなら「KRPなら、ワンストップで必要なサービスをすべて受けられる」となります。つまりKRP地区には、研究拠点の構築に必要な支援体制が、ほぼすべて揃っています。これが新たにラボ開設を考える人にとって何よりのメリットです。私たち「京都リサーチパーク株式会社」が全力で支援するのはもちろんですが、ほかにもKRP地区内には、京都府・京都市の産業支援機関が集積していて、いつでも相談できて望む支援を受けられます。つまりラボ構築に始まり研究に関する相談から、ひいては経営課題の解決までをシームレスにサポートする体制が整えられているのです。KRP地区内にはレンタルラボやオフィスのほかにも、コンベンション向けのホールから各種商業施設までが揃っているので、研究活動に付随する多様なニーズにも対応できます。もう一点、日本でもおそらく私たちにしか提供できないメリットが、開設以来ずっと蓄積してきたノウハウに基づくラボ構築支援です。
―KRP地区は開設以来すでに35年以上経過していますが、たしかに国内でこれだけの歴史を持つ民間主導型のリサーチパークは他にはありませんね。どういった特長があるのか、開発の経緯も含めて教えてもらえますでしょうか
浅野:元々この場所には大阪ガスのガス工場があり、石炭から都市ガスを製造していました。しかし、都市ガスの燃料が石炭から天然ガスへと転換されたため、1978年に一部の施設を残してガス工場は使命を終えました。それにより生まれた巨大な工場跡地の再開発にあたり、大阪ガスが、京都産業界や通産省・建設省(当時)、京都府・京都市、大学などと協議した結果、「京都の新産業創出拠点」を目指す「京都サイエンスパーク計画」ができました。そして1989年に、全国的にも珍しい100%民間資本の都市型リサーチパークとして、企業や大学、自治体などの試験・研究施設を中心として、その活動を支援する施設を配置した「京都リサーチパーク」が誕生したのです。現在では510社6,000人が集積するビジネス拠点に成長しています。
私たちは開設より35年以上ずっと民間主導、つまりビジネスとして事業を行ってきたからこそ、顧客に対しては常にいただく対価を超えるだけの価値提供を心がけてきました。そのため何より大切にしてきたのが、顧客であるご入居者さまと一緒に伴走して支援する姿勢です。KRP地区のご入居者さまには研究開発型の企業・団体が多く、地区の就業人口の内、約1,700人が研究者・技術者です。ただ、入居される方全員が、ラボ構築や事業運営の経験を十分にお持ちとは限りません。そこで役立つのが、私たちがこれまでに蓄積してきたノウハウです。
面積59,000㎡ ビル18棟からなる一大ビジネス拠点 KRP地区
KRPのノウハウと多数の支援機関による万全の支援体制
―確かにラボ構築では研究内容を踏まえた環境づくりが欠かせません。とはいえ研究者が自ら、研究環境を整備した経験を持つケースは限られているのではないでしょうか。
浅野:実際に話を伺ってみると、KRPに入居を検討される研究者の皆様が、一から自分でラボを整備した経験を持つ方ばかりではないようです。もちろん私たちも開設当初から詳しかったわけではありませんが、それを補って余りあるだけの経験を重ねてきています。バイオ系、ケミカル系など研究の分野ごとに、求められる設備や要件は変わってきます。私たちはそうした違いを踏まえたうえで、これまでの知見の中からベストプラクティスを参照し、ニーズに最適な研究環境を提案して構築できます。これは歴史に裏付けられた私たちだけの強みです。研究分野以外に、例えば外資系のグローバル企業や大学系の研究機関が、研究環境にハイレベルな要件を必要とされるケースもございます。KRPは35年以上それらのニーズに対応することで、ラボの運営・開発のノウハウを磨き上げてきました。
―KRP地区内にある多くの産業支援機関の存在は、入居者にとって大きなメリットになりそうです。
浅野:府と市という異なる行政レベルの支援機関が同一エリアに集まっているのは、全国的に見ても稀なケースです。具体的には、府関連の支援機関として京都府中小企業技術センターと公益財団法人京都産業21が、市関連では地方独立行政法人京都市産業技術研究所、京都バイオ計測センターおよび公益財団法人京都高度技術研究所がそれぞれ立地しています。他にも知財関係の支援を得意とされる一般社団法人京都発明協会や、試作のニーズと技術を結びつける京都試作センター株式会社も入居されています。各機関では技術相談、試験の依頼や計測、共同研究から経営課題のサポートや人材育成の支援、さらには大手企業とスタートアップのマッチング支援なども提供されています。レンタルラボの入居者さまから、京都府中小技術センターと京都市産業研究所の2種類の公設試験場が同じ地区内にあるのは非常に利便性が高い、との評価をいただいております。
―それらの産業支援機関と、KRPとしてはどう連携をしているのでしょうか。
浅野:支援を加速するための取り組みとして、2025年にKRPを含む支援機関6社で「KRP地区共創パートナーシップ」を立ち上げました。これはKRP地区に集積する支援機関が、それぞれの得意分野を活かしながら連携し、企業のアイデアや挑戦を具体的な形にしていく支援システムです。対象となるのはスタートアップから京都地域のさまざまな企業であり、その成長をサポートしています。当然、KRPに入居される企業もその支援を受けられます。研究アイデアや技術力で起業したスタートアップの多くは、自社の技術力については優れたものを持っているものの、たとえば人材を雇った場合のマネジメントノウハウや、事業を拡大していくためのマーケティングに関する知見などは持っていないケースも見られます。そのような企業に対して、支援機関同士が強く連携をしながらサポートしています。
支援システム「KRP地区共創パートナーシップ」の連携機関
「サードプレイス」としての役割
―昨今では企業やスタートアップが別のプレイヤーとジョイントするケースも増えています。KRPでも、そのような動きは見られるのでしょうか。
浅野:最近特にそのような動きが大きくなっていると感じております。元々、KRP地区には500を超える企業・団体が集まっています。交流を促す機会作りとして、年間で250超のイベントを開催し、参加者は年間15,000人近くにのぼります。そのような場での出会いの中から、共同研究や新規事業が生まれるケースもあります。社会全体でも複数のプレイヤーがジョイントして新しい事業を創出しようという動きが加速しており、KRPは今後、サードプレイスとしての役割を積極的に担っていかなければならないと考えています。
―サードプレイスとは第三の場という意味ですね。ここでは具体的にどのような展開を期待できるのでしょうか。
浅野:私たちはサードプレイスを「様々な組織や人が立場を超えて出会い、新たな挑戦を始める場」と考えています。たとえば大企業がアカデミアの研究室から独立した研究者あるいはスタートアップ企業などと出会って連携し、新たな活動を始める場です。ほかにもベンチャー同士のコラボレーションからイノベーションが生まれる場となるのも、この地区だからこそ果たせる役割だと思います。
―ほかにも起業やスタートアップの支援にも力を入れていますね。
浅野:支援の一例として、ヘルスケア分野のプラットフォームである「HVC KYOTO(Healthcare Venture Conference KYOTO)」を、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)・京都府・京都市・KRPで運営しています。これはヘルスケア分野でグローバル市場をめざすスタートアップや研究者の成長を支援するプログラムで、英語によるスタートアップのビジネスピッチ、およびスタートアップと事業提携先や共同研究先、出資先を探索するパートナーとのマッチングを実施しています。昨年10周年を迎え、採択スタートアップは194件、採択後の資金調達額は830億円(2026年1月時点)を超える、ヘルスケア領域では日本最大級のプラットフォームです。これも、サードプレイスの一つの形と考えております。

浅野社長「イノベーションを創出する拠点としての役割を、KRPが担っていきたい」
「リサーチ機能の充実」によりビジネスを広げる場に
―今後は改めて「リサーチパーク」のあるべき姿を追究していくとアピールされています。KRPの今後について、何を期待できるのでしょうか。
浅野:「リサーチ」とは何か。私が注力したいのは「新たなビジネスチャンスを探索するリサーチ」です。成長を持続するために、企業にとって何より欠かせない将来ビジネスのシーズをリサーチする。そんな場を提供するのが、これからのKRPがめざすべきゴールの一つです。よくオープンイノベーションの重要性が強調されていますが、KRPにはイノベーションの源流に近い部分に携わる研究者たちとの接点が数多くあります。KRP地区を新たなイノベーションのシーズを見つけることができる場として、その機能を充実させていきたいと考えております。
具体的には、大学なら京都大学など京都に立地する大学との連携が挙げられます。最近では2026年2月に、学校法人コー・イノベーション大学(CoIU)との産学連携協定を新たに締結しました。CoIUは社会課題解決人材の育成に重点を置く大学で、岐阜県飛騨市を本拠地としつつ、日本各地に拠点を展開する構想を進めています。2026年春に開学を予定しており、データサイエンティストの宮田 裕章氏が学長に就任予定です。産学連携協定では、KRP が運営する施設でのCoIUの京都拠点(サテライトキャンパス等)の設置に向けた連携等を取り決めています。このような取り組みを通じ、KRP地区のあるべき姿を追求できればと考えております。

京都リサーチパーク㈱ 浅野社長(左)/ Co-Innovation University学長候補 宮田 裕章 氏(中央)/
学校法人CoIU理事長 井上 博成 氏(右)
―「京都ではレンタルラボが不足している」との課題があると聞きます。KRPとしてどのように考えていますか。
浅野:ラボ不足への対応も、我々だからこそ出来るテーマだと認識しております。2024年には既存の建物のワンフロアをレンタルラボとして再整備いたしました。また2027年秋には7階建てのラボ棟を竣工予定です。KRPは既に1事業者として西日本最大となる30,000㎡超のレンタルラボを提供していますが、今後も更に拡大を予定しています。企業やアカデミアの皆様とは今後も中長期的に対話をさせていただき、新たな取り組みや開発につなげる契機とさせていただければと存じます。

2027年秋 竣工予定の新ラボ棟
後編について
本記事の後編は3月下旬公開予定です。
後編ではリーシング担当マネジャーが、顧客と対話しラボ構築の要望を実現する過程についてお話します。
ウェブページ :多様な研究をカタチにする都市型レンタルラボ
お問い合わせ先:京都リサーチパーク株式会社 新事業開発部 営業企画チーム
お問い合わせ方法:メール
メール:shintou@krp.co.jp