ご入居者さまの理想を実現するため、徹底的に考え、動く 京都リサーチパーク:後編
1989年に開設された京都リサーチパーク(KRP)では、設立当初から入居者のサポートを徹底してきました。その積み重ね、すなわち35年以上に及ぶ経験の蓄積が、今では独自のノウハウとして確立されています。ラボの立ち上げには、場所を整えるだけでも多くの工程があります。その工程を伴走支援し、あらゆるニーズに全力で対応する。そんなKRPのスタンスを、マネジャーの絹川菜穂様に話をうかがいました。
この記事は前後編での後編です。前編【研究を始めて、進めて、広げる「リサーチ」パーク 京都リサーチパーク】はこちら。
提供/広告:本記事は「レンタルラボプラス」の運営会社である京都リサーチパーク株式会社が、自社のレンタルラボを紹介する目的で作成しています。

京都リサーチパーク株式会社 マネジャー 絹川菜穂 氏
目次
- ラボとは、基本的にオリジナル仕様を求められるもの
- ラボ構築の要望を具体化するノウハウ
- 研究を進めるための理想的な環境
- 優れた研究成果を世に出す基盤
ラボとは、基本的にオリジナル仕様を求められるもの
―京都リサーチパーク(KRP)には120区画以上のレンタルラボが備えられています。設計自由度の高さがアピールポイントの一つですが、その理由は顧客ごとにラボに対するニーズが異なるからですね。
絹川:たしかにラボに対するニーズは多種多様です。その理由は、ラボ構築に際しては、個別に異なるさまざまな課題をクリアする必要があるからです。しかも意外と知られていませんが、研究者の皆様がラボ構築の経験者ばかりではなく、構築に必要なノウハウを十分に持たれていないケースもあります。企業あるいは大学の研究者の方も既に用意された環境で研究開発を行うことが少なくはありません。改めて自分のラボを構えようとすれば、ゼロベースで立ち上げなければなりません。ところがラボを新たに構築するのは、決して簡単な作業ではありません。
―とはいえ、ラボ構築を考える人であれば当然、研究に必要な設備などは理解しているでしょう。
絹川:もちろん、研究を進めるために欠かせない機器類などについては熟知されています。しかし一歩突っ込んで、たとえばその機器の重量がどれぐらいで、部屋の床の耐荷重内に収まるものなのか、などの細かい点まで把握されている研究者は限られると思います。機器を動かすために必要な電気容量なども同様です。機器を搬入したものの電力不足のために稼働できない、といった事態は避けなければなりません。そのうえで予算との兼ね合いも考える必要があります。内容によっては、自分たちで機器を導入しなくても、KRP地区内にある公設試験場の設備でまかなえる可能性もあります。このようにラボ構築に際しては費用対効果を最大限高めるために、ニーズを踏まえたうえでのきめ細かな対応が欠かせません。

ラボは顧客の要望に合わせてゼロベースで構築していく
要望を具体化するヒアリング設計
―自らラボを構築した経験がなければ、伝えるべき要望を整理するだけでも苦労しそうです。
絹川: はい。弊社が正しくニーズをヒアリングするために用意しているのが、段階に応じて使い分ける2種類のヒアリングシートです。第1段階では基本フォーマットにしたがって、まず構想しているラボの概要について伺います。たとえば特に重量のある機器の有無や必要な電力量、水を使う場合なら大まかな流量などです。この回答に基づいて、第2段階では焦点を絞り込んだ質問を重ねていきます。この対話により、お客さまの理想とするラボの設計図を具体化していきます。対話を通じて、入居者も想定出来ていなかった課題を顕在化させることが出来ます。これらのプロセスがおろそかだと、せっかく入居頂いたのに希望していた実験・研究がスムーズに出来ない、といったこともありうると思います。

ヒアリングシートを通し、顧客と対話しながら出来ること、出来ないこと、
検討可能なものを整理し、理想のラボに近づけていく
―研究テーマや実験内容により、ラボに求められる仕様には大きな違いがあるのでしょうね。
絹川:そのとおりです。バイオ系、ケミカル系などでスペースそのものに求められる条件が変わってきます。例えば、実験内容によってはP2/BSL2といった基準を施設で満たす必要があるケースがあります。冒頭申し上げた通り、ラボは研究・開発の内容別に、オーダーメイドの仕様が求められます。様々な希望を叶えるため私たちに提供できるのが、長年の経験で培ってきたノウハウに基づく対応力です。ヒアリングシートを参照し、これまでの知見を踏まえて細かな仕様を詰めていきます。
―建物のスペックでは対応できないことが出てきた場合、どう対応するのでしょうか?
絹川:例えば持ち込む機器の重量が部屋の床耐荷重を超えている、電気容量が足りないといった状況で、「建物のスペック上対応出来ない」と終わらせることなく、法令の順守や安全性を担保した上で「どのようにすればご要望を実現出来るか。工夫すれば実現できるのではないか」と最大限考えることが重要です。そのためには、自社の過去事例は勿論のこと、物件のスペックについて熟知している必要もあります。私はKRPでのラボに関連した工事等のご相談を、100件以上対応した実績がございます。ただ、一人で出来ることは限られていますので、自分の知見以外にも、KRP内の技術者は勿論、社外の協力会社の力もお借りして、総力を挙げて対応を考えます。
―ラボの設計や入居工事を依頼できる施工会社の紹介もされているとか。
絹川:ラボの構築には何らかの施工を必要とするケースが大半ですから、施工内容に適した専門性のある施工会社への発注が必要です。弊社では、KRP地区内でラボの施工実績がある発注候補先をご紹介することも可能です。他にも、産業廃棄物の収集・運搬や処理について、複数の候補の中から企業を紹介しています。例えば、京都であればどの産廃業者で何の産廃は対応ができるかまでご存じの方は少ないです。研究内容により出てくる廃棄物は異なりますから、適切な業者選択はとても重要です。

「KRP地区から世の中の役に立つ技術・サービスが生まれるお手伝いをする。
そのためにKRPとしてできることを最大限やりたい」
研究を進めるための理想的な環境
―万全のサポートを受けて望み通りのラボを用意できれば、KRPの立地は働く人にとっても好都合ではないでしょうか。
絹川:リモートでもこなせるオフィスワークと異なり、実験・研究を行うにはどうしてもラボまで出向く必要があります。その点、KRPは京都駅から2駅の好立地で、通勤などの利便性はかなり高いといえます。ターミナル駅まで10分圏内にある都市型レンタルラボは、関西でもKRPだけではないでしょうか。昨今ではラボで働く方の採用に苦労するケースが多いと伺いますが、KRP地区内に入居後、その拠点で従業員を順調に増やされている事例を多数存じています。KRP地区内には現在、約6,000人の就業者がいらっしゃいますが、内約1,700人は研究者や技術者の方です。通勤時間の短縮は、例えば子育てや介護と仕事を両立したい方には欠かさない要素かと思います。
―交通の利便性だけでなく、エリア内には商業施設も充実していますね。
絹川:1日の大半を過ごすために必要な施設は、すべて揃っているといっても決して言い過ぎではないと思います。カフェ、ファストフード、レストランなどの食関連に加えて、書店や日用雑貨店、フィットネスクラブまで揃っています。あるいは仕事の合間にリフレッシュできる緑豊かな共用空間も備わっています。ある研究開発型企業の方は、「スターバックスがあるなんて、以前の場所では考えられない。ここは研究員にとってパラダイスだよ」と仰ってくださいました。特に企業の研究所の場合は施設の性質上、都心部ではなく郊外に立地している場合があります。勿論、場所の良さはそれぞれの状況によって相対的に違ってくるため、郊外にある働きやすいラボもあると思います。ただ、都心部で商業施設が充実しているKRP地区の環境は、多くの方にとって働きやすい環境であると考えております。

充実した共用部も働きやすい環境の一助になる
―共用部もそうですが、どの建物の中も隅々までクリーンリネスが重視されているようです。
絹川:共用部の廊下などは、毎日必ず清掃しています。清潔さを保つのは、施設運営者として当然の心がけです。もとより研究の場においては、クリーンリネスが大前提となりますから。入所者さまの理想を追求するのが私たちの思想であり、細部まで清掃の行き届いた環境は、ご入居者さまに評価いただいています。万一の事態に備え、地区内2カ所に管理センターを設置し、24時間365日の有人体制で安全を守っています。各管理センターには、ビル管理会社である株式会社大阪ガスファシリティーズのスタッフが常駐しています。同社は、弊社と同じDaigasグループ(旧大阪ガスグループ)の一員であり、オフィスビル・医療施設・教育施設・工場・商業施設など多様な建物において、エネルギー管理のノウハウを活かした設備管理を数多く手がけています。さらに、高い品質が求められる研究施設においても、設備管理や清掃管理を担い、豊富な実績を積み重ねています。こうした分野ごとの専門性と実績を背景に、私たちとともにKRP地区の安全・安心を支えています。
優れた研究成果を世に出す基盤
―立地については公的機関の集約も見逃せないポイントです。
絹川:京都府と京都市の英断、それを後押しした当時の京都の産業界のお力添えなどの賜物でしょう。KRP地区内には京都府中小企業技術センター(中技セン)、京都市産業技術研究所(産技研)の公設試験場があります。それぞれ工学系やバイオ系といった強みをお持ちで、機器を比較的安価に貸し出されています。コストを抑えたい企業にとっては大きなメリットで、スタートアップ企業だけでなく大企業の方もご利用されていると伺います。例えば、中技センに備えられている電波暗室、すなわち電子機器のノイズを測定する特殊な部屋などは、ご利用が多い施設と聞いています。
―電波暗室を使うような最先端企業が集積している、これもKRPにラボを構えるメリットの一つになりそうです。
絹川:スタートアップだけでなく、そもそも京都には計測機器や半導体関連などで最先端をゆく大企業が集積しています。一方では、企業や大学からスピンオフしたスタートアップ企業が、多く集まっているのもKRPの特徴です。また京都大学をはじめとして、京都は多くの大学が集積している土地柄ですから、人材確保についても学生からの応募を期待できます。このような立地の良さをフル活用していただき、多くの企業の研究成果を世に出すために、これからも私たちは最大限のサポートに努めます。

KRPの過去・現在・未来について語ってくださった
浅野社長(右)と絹川マネジャー(左)
ウェブページ :多様な研究をカタチにする都市型レンタルラボ
お問い合わせ先:京都リサーチパーク株式会社 新事業開発部 営業企画チーム
お問い合わせ方法:メール
メール:shintou@krp.co.jp