2021/03/31

第1弾は田町から。東急不動産が見据えるオフィスラボ事業の未来

住宅やオフィスと同じように、ラボにも所有するのではなく「借りる」という選択肢を。そんなレンタルラボ事業に、2021年から本格的に参入したのが東急不動産です。オフィス、商業施設、リゾート、ウェルネスなど、あらゆる不動産事業に取り組む中で、なぜ次に選んだ挑戦がレンタルラボ、そしてライフサイエンス分野だったのか。その裏にある思いを、同社が展開するレンタルラボ第1弾である「田町スクエア -LAB×OFFICE-」でお伺いしてきました。

東急不動産_皇さん500.JPG

「東急不動産都市事業ユニット 皇グループリーダー(左)と稲田氏(右)」

目 次

  • 今、都心型ラボに挑戦する理由
  • スタートアップ向け施設で実績
  • レンタルラボの第1弾、田町に誕生
  • 他事業との連動で、イノベーションのハブに

今、都心型ラボに挑戦する理由

「レンタルラボ事業の検討をはじめたのは、2017年頃のことですね」

そう振り返るのは、東急不動産の賃貸オフィスビルを扱うチームでグループリーダーを務める皇俊之さん(東急不動産都市事業ユニット/都市事業本部ビル事業部/事業企画グループ)です。当時は同社が得意とする渋谷エリアで、スタートアップ向け施設の開発に力を入れていた時期。既存の賃貸オフィスとは違ったチャレンジに取り組む中で、次に注目したのがライフサイエンス系のラボでした。

「物流拠点の賃貸化が進むなど、国内の不動産も所有から借りる時代へと変化してきています。しかし日本では依然として実験・研究施設は自社所有がメイン。最近になってレンタルラボの新規オープンがつづいていますが、数年前は借りられる物件自体がほとんどない状態でした。ライフサイエンスは今後も必ず成長する分野ですし、ラボで研究をされる研究者の方々の働き方も変わっていくことが予見される中、ここをビジネスのフィールドにすれば事業の成長も見込めると考えました」

スタートアップ向け施設で実績

2021年1月、本格的にレンタルラボ事業への参入を果たした同社ですが、その背景には渋谷エリアを中心に展開するスタートアップ向け施設の好調も無関係ではありません。現在、同社は、起業を支援するインキュベーション施設「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」と、ベンチャーキャピタルと連動しながらスタートアップと共に成長を目指す家具付きスモールオフィス「GUILD」シリーズを展開しています。そこでの手応えを、皇さんは次のように話します。

「やはり、オープンイノベーションの力を感じますね。入居者の中心はコンテンツ、ITテクノロジー関連のスタートアップですが、施設内外で協業して新しいサービスを開発していく。協業しているアクセラレーターやベンチャーキャピタルの方と一緒に運営する中で、私たちにもテナントのニーズに合わせた事業支援のノウハウが蓄積され、この流れをぜひライフサイエンスの分野にも広げたいと思いました」東急不動産_Gild青山500.png

「スタートアップ向けのスモールオフィスGUILD Aoyama( ギルドアオヤマ)」

レンタルラボの第1弾、田町に誕生

「田町スクエア -LAB×OFFICE-」は、同社がレンタルラボとして展開する第1弾の施設。もともとは一般の賃貸オフィスとして運用していたビルを、テナントの退去に伴いラボ仕様へとフルリニューアルしました。

JR「田町」駅まで徒歩5分という超都心立地、給排水・給排気設備も備えたフレキシブルな空間に加え、低層フロアには同社が都内で展開する会員制シェアオフィス「Business-Airport(ビジネスエアポート)」が入居しているのもポイント。「Business-Airport(ビジネスエアポート)」初となる、ラウンジ(コワーキングスペース)一体型のカフェ空間も導入して、郊外型研究施設の課題であった交流拠点としての機能も強化しました。利用者として主に見込んでいるのは、ラボオフィスに入居する企業、周辺企業、ビジネスエアポート会員、そして近隣大学の職員、学生など。誰もが気軽に集える場とすることで、オープンイノベーションの創出にも取り組んでいます。東急不動産_ファサード500.jpg

「同社が展開するレンタルラボ第1弾 田町スクエア -LAB×OFFICE-」

他事業との連動で、イノベーションのハブに

「田町スクエア -LAB×OFFICE-」を足掛かりとして、同社は今後、レンタルラボを首都圏の中心エリアに複数展開することを計画していると言います。

「研究拠点を都心部でレンタルすることで、企業はアセットを軽くできるだけでなく、さまざまなコラボレーションを生み出すきっかけをつくれます。そうしたニーズをどんどん掘り起こしていければ」と皇さん。さらに、同社の他事業部との連動も見据えます。

「東急不動産は私たちが担っているオフィス事業のほかに、商業施設、リゾート施設、高齢者施設、スポーツ施設など、さまざまな事業を展開しています。ご入居いただく研究者の方と一緒に、社会実装に向けた協業もできればと考えております。実際、弊社の商業施設やリゾート施設で、コンテンツ系スタートアップと共同でプロトタイプの実証実験もいくつか行なってきました。日本の優れた研究力や技術力と、私たちの強みを掛け算して、より良い社会の実現に貢献していくのが目標です」

オフィスラボ事業についてのお問い合わせ

お問い合わせ先 :東急不動産株式会社 都市事業ユニット 開発企画本部 開発第二部
お問い合わせ方法:電話orメール
電話番号    :03-6455-2635
メール     :officelab_TLC@tokyu-land.co.jp