2021/02/25

学内教員の手厚い指導と産官学金のトータル支援が受けられる、歴史あるレンタル施設。龍谷大学RECレンタルラボ

龍谷大学RECレンタルラボは、自然豊かな琵琶湖近くの龍谷大学瀬田キャンパス内(滋賀県大津市)にあります。まだ、共同研究する体力が無いベンチャー企業も入居できて、理工学・農学をはじめとする学内指導教員と産学連携コーディネーターによる指導やサポートを受けることができるレンタルラボ施設です。また、同キャンパス内に立地する龍谷エクステンションセンターによる産官学金のトータル支援を受けることも可能です。

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目次

●国内大学で初めてのインキュベーション施設

●学内指導教員と産学連携コーディネーターによる心強いサポート

●龍谷エクステンションセンターが産官学金のトータル支援

●福祉サービスからAI警備ロボットなど、幅広い分野の入居者さま

 

国内大学で初めてのインキュベーション施設

龍谷大学RECレンタルラボ(以下、RECレンタルラボ)は、1994年に国内大学では初めてのインキュベーション施設として竣工した歴史ある施設です。これまでに50社以上が巣立っています。ラボの広さは23.2~121.6㎡の間で25室、ドライの仕様にも、ウェットの仕様にもカスタマイズ可能な、内装設備がないスケルトンの状態で用意されています。24時間365日、自由に出入りすることが可能。無料の共同実験室や会議室等も完備され、共同実験室にはドラフトチャンバーが3機あり、利用企業様同士で調整しあって使うことができます。駐車場も無料で、入居者や来訪者に喜ばれています。

入居資格は、法人格を有していること、学内教員が指導できる研究開発テーマを有していることで、なんと共同研究は条件ではありません(入居期間は3年間、最長5年まで)。入居企業からの口コミも多く、リピーター企業もあるようです。

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ドラフトチャンバーが完備されている共同実験室の様子

 

学内指導教員と産学連携コーディネーターによる心強いサポート

「入居するにあたり、学内教員との共同研究を条件とはしていません。共同研究ができるように体力をつけてもらうことが第一歩。その手前の方々に是非とも利用してもらいたい」そう語るのは、龍谷エクステンションセンター(REC)・知的財産センターの津秋博之次長です。

「入居企業が成長していく段階で、学内の教員とのマッチングも行なっていきます。単なる部屋貸しではなく、課題に対して教員が近い距離で指導することがRECレンタルラボの魅力です」

入居企業には必ず研究開発をサポートする学内の指導教員がつくことになっています。また、各社に産学連携担当コーディネーターがつき、研究開発の進捗をフォローし、補助金申請や展示会出展のサポートも行います。入居企業同士の交流はもちろん、業種に関わらず、複数の企業間の連携を実現したり、さらには地域社会や公的機関とも共同で取り組む新事業の展開が可能です。

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 龍谷エクステンションセンター(REC)・知的財産センターの津秋博之次長

龍谷エクステンションセンターが産官学金のトータル支援

このようなRECレンタルラボの運営を行なう龍谷エクステンションセンター(以下、REC)は、企業と大学・行政機関が有機的に連携して研究開発に取組む産官学連携を推進しています。RECでは、1991年の開設以来、最先端の研究設備と大学の知的資源を利用した新事業創出を目指して、多くの企業と共同研究開発をコーディネートし、数多くの画期的な研究成果や商品開発等の大きな成果をあげています。その中では、産学連携コーディネーターによる技術相談、専門人材による知的財産や技術移転の支援、社文系教員による経営面の研修講座、各種金融機関との連携など、総合的な支援が行われてきました。

さらに、産学連携を継続的、かつ円滑にすすめるためのREC法人会員制度「RECビジネスネットワーククラブ(以下、REC BIZ-NET)」を設け、会員企業が取組む新事業や研究開発に対して、学内の研究者や他企業との共同研究や業務連携のサポートをはじめ、大学と複数の企業との連携、あるいは公的機関との連携による様々な産学連携、地域連携、社会連携などをコーディネートしています。

REC BIZ-NETによる、エネルギー、バイオ、人工知能等の最新情報の提供や研究会立上げ等も実施しており、中小・ベンチャー企業への支援体制を強化しています。RECは、国の大型研究開発の委託事業や補助事業を目指す入居企業・REC BIZ-NET会員企業のコーディネートにも注力されています。

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RECスタッフの皆さん「RECスタッフが皆様をご支援いたします」

 

福祉サービスからAI警備ロボットなど、幅広い分野の入居者さま

ご入居者さまについて、お話をうかがいました。
「理工系のみならず、福祉系のテーマの方々も入居されていますよ。高齢者向けの教育サービス、身体障がい者のための旅行サービス、人文社会系も幅広く受け入れています。福祉系ですと、教員のみならず学生の力が重要になりますので、実習現場とも連携しています」
入居企業が研究室に出入りすることで学生との交流ができ、学生が企業でアルバイトしたり、就職したりと人財の採用にもつながります。

また、入居企業同士の連携事例としては、警備の現場の慢性的な人材不足を解決するため、大津市の(株)NYSとRECレンタルラボに入居する2社であるトランスブート(株)・(株)クーリエ、さらにAIロボットが専門の先端理工学部の教員とが連携している警備ロボット開発の取組みがあります。開発期間やコストが限られている中で、産学連携コーディネーターからのアドバイスも受けながら、開発は進んでいるようです。

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AI警備ロボットプロジェクトのメンバー

(左から(株)クーリエ瀬戸社長、(株)NYS狩野常務、龍谷大学植村先生、(株)NYS中井社長、トランスブート(株)田中社長)

「龍谷大学のファンになってもらえるような支援をしたい」と津秋次長。地域の企業の夢を実現するため、各プレーヤーの得意分野を活かし、ワンチームで知恵と技術を掛け合わせながら、産学連携が実現できるRECレンタルラボでした。