2021/01/29

ALL京都で支える公的インキュベーション施設 京大桂ベンチャープラザ

京大桂ベンチャープラザは、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が京都府、京都市、京都大学と連携して設立した大学連携型の公的なインキュベーション施設。中小機構ならではの手厚いスタートアップ支援を受けられるのが何よりも魅力のレンタルラボです。

京大桂ベンチャープラザ北館・南館_画像1.png                     京大桂ベンチャープラザ北館・南館

目 次

  • ALL京都で支える公的インキュベーション施設
  • 経験豊富な「インキュベーションマネージャー(IM)」
  • 伴走支援で事業化を!
  • 目指すのは「長期入居」ではなく「卒業」

ALL京都で支える公的インキュベーション施設

ベンチャーのまち・京都を舞台に、中小機構が運営するインキュベーション施設が、ここ「京大桂ベンチャープラザ」。隣接する京都大学との産学連携やベンチャー育成を主な目的にする「北館」と、京都地域のネットワークを活かした新規事業創出を促す「南館」の2棟があり、10平米とコンパクトな「スモールオフィスタイプ」から、39~81㎡のP2レベルの実験にも対応する「実験室・研究室・オフィスタイプ」まで、さまざまな居室が用意されています。また、京都府や京都市といった自治体をはじめ、支援機関、金融機関、他機関のインキュベーション施設などとの組織の枠を超えたネットワークを形成されています。ネットワークの具体例として、「ポストインキュベーション」といった制度があります。これは、中小機構が運営する京大桂ベンチャープラザ、クリエイション・コア京都御車(いずれも京都市内)の入居期限を迎え、民間運営の京都リサーチパークへ移転する有望企業等に対して、京都市および(株)日本政策金融公庫、京都リサーチパーク(株)、中小機構の4者が連携して成長支援を行い、移転先の京都リサーチパークでの賃料の補助・軽減等が受けられる制度。こういったオール京都での支援含め、スタートアップに最適な施設として、人気を集めています。

中小機構京大桂VP_居室.png                 耐薬品性・耐水性床の「実験室・研究室・オフィスタイプ」

経験豊富な「インキュベーションマネージャー(IM)」

中小機構といえば、起業支援や経営相談、販路開拓のサポート、共済制度など、中小企業や小規模事業者を幅広く支える公的機関。その強みは、この京大桂ベンチャープラザでもいかんなく発揮されています。そのひとつが、経営や法律、技術、国際展開など、各分野の相談に乗ってもらえる「インキュベーションマネージャー(IM)」の存在。京大桂ベンチャープラザに常駐し、産学連携をはじめ、さまざまな角度から新規事業をサポートしています。

「入居される皆さんは、資金、技術、販路、組織等、それぞれにさまざまな課題を抱えていらっしゃいます。インキュベーションマネージャーは、そうした課題の解決策を提案するのが役割。人的と組織的、両面を通して大学や自治体、支援機関、金融機関等の支援リソースをコーディネートすることも可能です。もちろん、常駐するメンバーだけでは対応しきれないケースもあります。そんなときには、相談内容に合わせて、最適な専門家につなぐこともしています」

そう話すのは、ここで常駐する中小機構の松井順平さんです。

驚くべきは、その相談対応のほとんどが無償で行われていること。入居者がコストや時間を節約しながら、強力なバックアップを受けられるのは、とても幸運なことかもしれません。

松井順平_写真.png                        中小機構 松井順平氏

伴走支援で事業化を!

中小機構によるスタートアップ支援は、それだけにとどまりません。

「伴奏支援も、得意にしていることのひとつです」とは、松井さんの声。「事業を立ち上げる際、最初にぶつかる壁が資金に関することですよね。入居される方たちは、みなさんアイデアも技術も素晴らしいものをお持ちです。それを上手に伝えることができれば、調達のハードルはぐんと下がります」

だから、京大桂ベンチャープラザでは、資金調達の相談先の紹介はもちろん、申請書類や資料の作り方、プレゼン方法なども含めてきめ細やかにフォロー。インキュベーションマネージャーや専門家たちが、マンツーマンで指導にあたります。

「補助金や融資の審査をする人たちは、基本的に研究に関しては素人なんです。だから、いくら内容が素晴らしくても、一般の人にわかりづらければ審査に通りにくい。そのあたりの温度感も含めて、お伝えするようにしています。また、京都ではさまざまなピッチイベントがあるので、そうした場を活用することもご提案しています。人前で話す訓練になりますし、顔と会社の名前を売ったり、ネットワークを作る機会になりますから」

中小機構京大桂VP_ロビー.png                 様々なメディアに取り上げられている当施設のご入居者

目指すのは「長期入居」ではなく「卒業」

京大桂ベンチャープラザにはマテリアルからエネルギー、半導体、ICT、ライフサイエンス、バイオまで、幅広いジャンルの個人や企業、プロジェクトが入居しています。

「気候のいい時期には中庭でランチ交流会を開いたり、近しいジャンルの入居者さんだけを集めたイベントを開催したり。研究室内にいるとどうしてもつながりを持ちにくいので、交流の機会も積極的にご用意しています」

ここまで手厚くサポートしてもらえるなら、ずっと長くこのレンタルラボを利用したい。そんな声も聞こえてきそうですが、京大桂ベンチャープラザでは、入居期限を最大8年に設定しています。

「私たちはあくまでも入居の事業化をお手伝いするのが役割です。そのために、入居期間中は徹底的にサポートをさせていただいています。そして、ビジネスが成長の軌道に乗ったら、『卒業』していただく。もちろん、ご要望があれば、次のラボ探しもお手伝いしています」

長く入居してもらうためではなく、ビジネスの花を咲かせて送り出すために力を尽くす京大桂ベンチャープラザ。新規事業のはじめの一歩に、ぜひ検討してみませんか?