KRP News & Events

京都リサーチパークのニュース、イベントなど様々の情報を発信しています。

平成29年度 第3回再生医療サポートビジネス懇話会@日本橋 はんなり雑記

平成29年度 第3回再生医療サポートビジネス懇話会@日本橋 はんなり雑記


日時 / 2017年7月21日(水) 15:00~20:00
場所 / 日本橋ライフサイエンスビル
講師 / 金森 敏幸 氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 医薬品アッセイデバイス研究グループ 研究グループ長)
座長 / 田畑 泰彦 氏(京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 生体材料学分野 教授)
講演 / Organs-on-a-chipへの期待と技術的課題
協賛 / 一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)


平成29年度の第3回再生医療サポートビジネス懇話会は、
「Organs-on-a-chipへの期待と技術的課題」と題しまして、
金森 敏幸 氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 医薬品アッセイデバイス研究グループ 研究グループ長)にお話し頂きました。


 今回の懇話会はOrgans-on-a-chipのお話しです。聞きなれない言葉かもしれませんが、再生医療技術の応用先として注目が集まっている分野です。Organとは細胞が集まってできた組織の事、その組織をchip上に実現しようという研究を今回の講師の金森先生から詳しくご講演頂きました。


 ※Organs-on-a-chip:chip上に構成された臓器の機能を持つ素子の事。半導体製造等で使われる微細加工技術を駆使して、PDMS(シリコンゴム)やガラス等の上に微細な流路を形成し、その上に臓器の細胞を培養したもの。従来の人工臓器では再現できなかった生体機能を再現することを期待されている。


 肝臓、小腸、心臓、等のマイクロ組織(Organ)を、半導体製造などに使われる微細加工技術を駆使して微細な流路を形成したchip上に並べる。その流路を血管に見立て血液を流す。そうすることで例えば、腸で吸収された薬が血液を通じて肝臓で代謝される、と言った生体の機能をある程度chip上で再現することが可能なのです。chip上に疑似的に模した人体を作ることが出来ると何がすごいのか?実は薬が効くかどうかについて動物実験を行わずに調べることが出来ます。すでにEUでは動物実験を行い製造された化粧品は販売出来ません。また、医薬品では種差(マウス、ラット、人)による影響で、折角臨床試験まで進んだ開発がストップするという事も多いですが、そうした心配も少なくなります。他にも、マウスに効く薬が必ずしも人に効くとは限らず、ある程度開発が進んで中止になると、それまでかけたコストが無駄になるため、そうした点でコストダウンもはかれるようです。
 アメリカではDARPA(アメリカ国防高等研究計画局、Defense Advanced Research Projects Agency)、NIH(アメリカ国立衛生研究所、National Institutes of Health)、FDA(アメリカ食品医薬品局、Food and Drug Administration)が協力して10臓器(脳、筋肉、心臓、肺、肝臓、腎臓、消化器系、女性器、血管、皮膚)を複合したBody on a chipの完成を目指しているそうで、大規模な予算が投入されて研究開発が進められているとの事。日本も半導体技術力では負けていませんので、是非、巻き返していきたいところです。
 また、Organs-on-a-chipは再生医療の研究で得られている知見や細胞・組織を応用可能です。例えば、現在はiPS細胞から色々な臓器を創る研究がおこなわれています。そうした技術を使って開発した細胞が、実はOrgans-on-a-chipに使われ始めているようです。金森先生はOrgans-on-a-chipを実現し、皆が使いやすく低コストで高い品質をもち、幅広く使える技術を作り上げていきたい、と熱を込めて語られていました。
再生医療の応用先として一つの未来を感じることが出来る1日でした。


 今回の「第3回再生医療サポートビジネス懇話会@日本橋」は初めてLINK-J様協賛のもと、東京にて開催いたしました。LINK-J会員様にも特別にご参加頂き、懇話会会員とLINK-J会員の交流をはかる場も用意しました。また、京都への生配信も実施し、東京会場と京都会場あわせて多くの方にご来場いただきました。


 

 konwa201707-2.jpg



 次回、第4回の懇話会(2017年10月31日(火)16:00~19:00) は京都開催です。
講師は愛媛大学 医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 羽藤 直人 氏をお迎えし、

「耳鼻咽喉科領域の機能再生 - 鼓膜、神経再生から人工聴覚器まで -」と題し、ご講演頂きます。
懇話会への途中参加も受け付けております。料金等はお問合せください。皆様の参加をお待ちいたしております。



執筆者 M

再生医療サポートプラットフォーム

http://www.krp.co.jp/sangaku/bio/

(2017.08.09)

この記事に関するご意見・お問い合わせはこちら
TEL:075-315-8491
E-Mail:san-gaku@krp.co.jp