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平成29年度 第5回再生医療サポートビジネス懇話会 はんなり雑記

日時 / 2017年12月8日(金) 16:00~19:00

場所 / KRP 1号館4階 サイエンスホール

講師 / 青井 貴之 氏 (神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科 先端医療学分野 教授)

座長 / 田畑 泰彦 氏 (京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 生体材料学分野 教授)

講演 / 人工がん幹細胞と癌オルガノイドを用いたがん幹細胞研究の展開



平成29年度の第5回再生医療サポートビジネス懇話会は、

「人工がん幹細胞と癌オルガノイドを用いたがん幹細胞研究の展開」と題しまして、

青井 貴之 氏(神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科 先端医療学分野 教授)にお話し頂きました。



 今回の懇話会は人工がん幹細胞のお話です。

 人工がん幹細胞と聞くと人工的にがんを創りだすなんだか恐ろしい技術に聞こえます。しかし、実際にはがんを治療する方法を発見するために、人工がん細胞をあえて創り、創薬研究に活かすことができます。また“なぜ”がんが発生するかについて、がん細胞を人工的に創りだすことで、がん発生のメカニズム解明にも役立つようです。


 「人工」という言葉にも非常に意味があり、Richard Phillips Feynman博士の格言に、「作ることが出来ないものは理解したとはいえない」というものがあります。人工的に創りだすことでどれだけ「本物」に迫れるかが重要である、と青井先生は力説されます。人工的に創りだすことでメカニズムを理解し、がんについて解明していきたい、という先生からの熱い思いを感じながら懇話会は進んで行きました。


 そもそもがん幹細胞とは、がん組織を再構築できる細胞、と定義されているようです。がん幹細胞は転移・再発、予後不良の原因細胞であり、また治療標的としても注目されています。抗がん剤や放射線治療を行うと、がん組織はCTやMRIで見えない程度まで小さくなります。しかし、転移や再発と言われるように、見えないほど小さくなったがん幹細胞からがん組織が再構築される可能性があります。

 がん幹細胞を考慮した治療の考え方としては、がん幹細胞のみを標的とする治療を行います。すると、がん細胞は自己複製が出来ないためゆっくりと消えていくそうです。しかし、がんの非幹細胞の一部がリプログラミングによって幹細胞化することも考えられ、再発が起こるそうです。そのため、がん幹細胞と通常のがん細胞を同時に撃退する方法が大切であると青井先生は説明されました。


 懇話会の前半部分では講義を理解しやすくするため、とても丁寧に基礎的なことから教えて頂き、後半部分ではがん幹細胞についての専門的な内容が展開されました。ご参加頂いた方々は非常に興味深い時間を過ごされたのではないでしょうか。


 さて、次回の懇話会は2018年2月22日(木) 16:00~19:00です。

 講師は京都大学iPS細胞研究所 未来生命科学開拓部門 教授 齊藤 博英 氏をお迎えし、

 「RNAスイッチ:標的細胞の自在な選別と運命制御」と題し、ご講演頂きます。

 ※懇話会詳細はこちら ⇒ http://www.krp.co.jp/newsevents/event/h29saiseikonwakai


 懇話会への途中参加も受け付けております。参加費等はお問合せください。

 ※お申込みフォームはこちら※


 皆様の参加をお待ちいたしております。


(2017.12.22)

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