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2024/02/14

≪京大発イノベーションを探る@健都≫次世代家庭用調理器の共同開発―亜臨界状態の加圧熱水が生み出す「おいしさ」と「健康」― 終了

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2024年116()に「次世代家庭用調理器の共同開発―亜臨界状態の加圧熱水が生み出す「おいしさ」と「健康」―」が大阪健都会場とオンラインのハイブリッドにて開催されました。

今回のイベントでは、水煮した食物の成分の遊離や反応に影響を与え、嗜好性を変化させる可能性がある「加圧熱水調理」の共同研究をテーマに、京都大学農学研究科食品生物学専攻 松宮健太郎先生と、国内最大手電機メーカー・パナソニックくらしアプライアンス社の研究開発担当者である新田 浩朗さまにご講演いただきました。

当日はお二人の自己紹介の後、加圧熱水プロジェクトがなぜ立ち上がったのか経緯について新田さまよりお話いただきました。その後、具体的な研究成果の内容について、企業との共同研究に対する姿勢については松宮先生からお話いただき、最後にはプロジェクトの今後の展開について新田さまからご説明、ご参加のみなさまへのメッセージをいただきました。


プログラム

16:00~ イベントスタート・登壇者ご紹介・アイスブレイク

16:10~ 松宮先生・新田さま プレゼンテーション

16:50~ パネルディスカッション・質疑応答

17:30~ 現地のみ交流会(飲食の提供はなし)

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質疑応答の一部をご紹介

Q:おいしさの評価というのはやはり人の感覚がメインで、科学的な定量評価(例えば味:HPLC、食感:圧力計等)では難しいのでしょうか?また検討はされないのでしょうか?

松宮先生:
おいしさの評価というのはとても難しい問題です。人の感覚というのは機械に比べて鋭敏で、人が感じていることでも機械では把握できないということも多いです。
また、実際には食べている人はおいしいと感じていないにも関わらず、数値のみで判断をして「これは"おいしい数値"である」とすることは、研究のための研究になってしまうのではないかとも思っています。
勿論、科学的な定量評価ということは分子レベルで考えていくときには避けては通れない道ではありますが、同じ食べ物でも一緒に食べる人が違うとおいしさの感じ方が変わったり、咀嚼の模倣が難しかったり(一口目と、十口目では、唾液の混ざり方が違う等)と、すべて数値で説明するということが大変難しい問題です。
そのため現在は人の感覚を優先して研究を進めていますが、今後近い将来、数値化というところにも踏み込んでいく必要があるかと思っています。

Q:既存の調理器(圧力鍋、バーミキュラ等)との違いはあるのでしょうか?

新田さま:
現在の家庭用圧力鍋は最大約2気圧、バーミキュラに関しては1気圧強の圧力だと思われますが、私たちが共同研究を進めている調理器に関しては現在の家庭用調理器よりも高い圧力(例えば3気圧)で調理できるように検討しており、その点が既存の調理器とは違う点だと思っています。

最後に

イベント後半のトークセッション・質疑応答では、おいしさの評価をどのように考えられているのかといった研究に関するご質問から、具体的な今後商品展開に関するご質問まで、幅広い内容でご質問をいただきました。
私たちの生活には欠かせない「食」ではありますが、「おいしさ」と「健康」の両立を目指されているお二人の今後のご活躍に期待の高まるイベントとなりました。
ご視聴いただきましたみなさま、ご質問いただきましたみなさま、ありがとうございました。

KRPでは、今後も定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催していく予定です。次回もお楽しみに。

過去のイベントレポート等はこちら⇒https://www.krp.co.jp/labplus/events/



イベント中ご案内した「ターンキーラボ健都」の詳細は以下ページからご覧いただけます

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