CLOSE
SITE MAP
イノベーションが
生まれる「まち」。
EVENT

イベント

2023/04/11

微生物ベンチャーが目指す地球規模の課題解決~統合的な科学アプローチで生態系のリデザインへ~ 終了

2302_京大オリジナル_京大発イノベーションを探る0308_バナー.jpg

2023年3月8日()に「微生物ベンチャーが目指す地球規模の課題解決~統合的な科学アプローチで生態系のリデザインへ~」が大阪健都会場とオンラインのハイブリッドにて開催されました。

今回は、土壌中の植物と微生物との共生ネットワークを解析・制御することで地域ごとに特色を有する微生物叢を操り、農業に貢献する研究開発型ベンチャー、サンリット・シードリングス株式会社から、CEOCSOのお二人をお招きし、「生態学×ゲノム科学×ネットワーク科学」という複数領域を融合した新たな技術について、具体的な研究内容や "微生物"がもたらす未来社会の姿など、幅広くお話しいただきました。

プログラム

16:00~ イベントスタート・登壇者ご紹介・アイスブレイク

16:10~ 石川さまプレゼンテーション

16:40~ 東樹さまプレゼンテーション

17:10~ トークセッション・質疑応答

17:30~ (現地のみ)名刺交換会

IMG_0137.jpg

トークセッション一部をご紹介

Q:御社の今後の展望をお聞かせください。

石川さま:当社の事業化促進に向けた技術には、農業の生態系を分析する技術と、農業の資材として提供する技術があると考えています。
前者としては、今後日本全国の圃場からサンプルを提供いただき、当社で蓄積しているデータとあわせて、農地の診断の効率化を図るデータベースを創り上げていきたいと考えています。たとえば「こういう圃場にはこういう生態系があってこのコア微生物が適する可能性が高い」といった診断を、一回一回解析をしなくても予測的に行えることを目指します。さらに一歩踏み込んで、生態系をより良い状態にするにはどういう農法やどういった資材が適するか等、現場の課題とも結びついた分析が高速にできることを目指すとともに、将来的には農業コンサルティングと結び付けていけたらと思っています。
後者、農業の資材として提供する技術としては、当社が製品を生産・販売していくスキームではなく、実力のある企業さまとの共同開発を考えています。様々な地域から様々な微生物が採取されてくると思いますが、それを異なる方法で資材化するのではなく、どんな地域のどんな微生物であっても一律化したノウハウで一般的な資材化ができるように共同開発をして製品化に結び付けていきたいと考えています。

東樹さま:今までは農地の診断をするときに、pHがどれくらいか等の土壌データを解析し診断してきましたが、農地における生態系の情報というものは「そこに生きている生物」の情報であるため、大変画期的であり、次元が広がる情報だと考えています。だからこそ、生態系を情報化し診断に使用していく、予測に使用していく、そしてシステム化していく、ということが、今後農業生産活動にとって重要になってくるのではないかと考えています。

最後に

イベント後半の質疑応答のお時間では、具体的なご質問をご視聴のみなさまから多数いただきました。
世界の人口増加やたんぱく質不足問題等、様々な社会課題に対して、どのようにアプローチをされていくのか、今後の展開に期待が高まるイベントとなりました。

KRPでは、今後も定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催していく予定です。次回もお楽しみに。

過去のイベントレポート等はこちら⇒https://www.krp.co.jp/labplus/events/