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2023/04/10

【イベントレポート】―キミは、キミを、どう活かす?―「KRPスタ活FES Vol.01」を3月19日に開催

319日(日)、京都リサーチパーク4号館バズホールにて、「KRPスタ活FES Vol.1」を開催しました。
KRPはイノベーションを志す方々に魅力的な交流の舞台を提供することを目指し、多様な人が集まり交流する場づくりに取り組んできました。今回は、進路や働き方、自分自身の活かし方に悩む若者たちに向け、起業を含む多様な働き方を中心としたあらゆる選択肢を提示するイベントを開催しました。20230319スタ活FES413S.JPG当日は、起業家や職人といった多彩なキャリアを積むゲストの方々と、若者たちが会場に集結。
イベントでは3つのトークセッションを通してゲストそれぞれの視点から、キャリア選びに繋がるテーマでお話しいただきました。
トークセッションの他にも、展示・販売ブースや学生による活動紹介ピッチ、交流タイムがあり、会場を盛り上げました。

展示・販売ブース
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活動紹介ピッチ
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交流タイム
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トークセッション①『選択肢の見つけ方』

<ゲスト>
かばんばか 川本 有哉さん
フリーランス ピョー豊さん
(株)やるかやらんか 西 奈槻さん
<モデレーター>
(株)MIYACO 仲田 匡志さん

まずは、キャリア選択をはじめとする人生のあらゆる場面における「選択肢」に関するトークセッション。
ゲストの方々が選んだ進路や働き方は、どのように選択してきた結果なのでしょうか。
今の仕事を始めたきっかけと、仕事選択の際に大切にした「軸」について、人生経験や事例を交えながら語りました。
20230319スタ活FES080S.JPG川本さん:昔の私は、やりたいことも好きなこともありませんでした。まずは自分自身の好きなことを探すため、様々な仕事をしました。ざっと40種ぐらいでしょうか。飽き性なので、継続できるかどうかで、好きかどうかを判断していました。そのようにして自分で自分を観察しながら仕事をこなしていった結果、今の職業である鞄づくりに辿り着きました。私にとっては「一生やり続けたい」と思うかどうかが、選択の軸でした。
20230319スタ活FES117S.JPGピョーさん:私も川本さんと同じで、まずは様々なことに取り組んでみることから始めました。8社のインターンを通じて様々なことを経験し、自分自身が没頭できる趣味に近いことを見つけ、それを仕事にしました。私は「自分に合わなければ、すぐにやめればいい」という考えを持つことが大切だと思っています。その考えがあってもなお継続できることは、自分が本当にやりたいことだと気付けるんです。とりあえず挑戦してみて、嫌なことはやめるという行動を繰り返す。そぎ落としていく感覚で選択肢を絞っていきました。20230319スタ活FES087S.JPG西さん:私が今の事業を始めると決めたのは、ノリです()コロナ禍で学生生活を過ごす中で、とにかく暇で何か始めたいという気持ちだけが強かったんです。そこで、SNSを使って多くの経営者の方とコミュニケーションを取るようにしていたら、ラーメン屋の話をいただき、急遽やると決めました。それまでは、実はドラマーを目指していましたが、あることがきっかけで、私はドラムが好きなのではなく、人の心を動かすことが好きなのだと気付きました。目的と手段の違いですね。ドラムは一つの手段で、目的ではなかったんです。人の心を動かせる職業(目的)であれば、手段は何でもよかったんです。20230319スタ活FES144S.JPGその後はクロストークが行われました。仲田さんによって、失敗した時の怖さについての質問が投げかけられた際、ゲスト3名が口を揃えたのは「失敗をしたことがない。」ということ。人が失敗と判断する結果であっても、皆さん失敗と捉えていないそうです。
世界は広く、人生は何度でもやり直せるからこそ、色々なことに挑戦することで選択肢を広げ、人生の解像度を上げていってほしい。誰かの100点ではなく、自分の100%を出すように。というメッセージで締めくくられました。

トークセッション②『これからの教育』

<ゲスト>
(同)なんかしたい 清水 大樹さん
京都大学大学院教育学研究科 櫃割 仁平さん
We Are Changemakers/立命館宇治高校 田中 美佳さん
<モデレーター>
京都リサーチパーク() 杉山 智織

次のテーマは「教育」。教育は、誰もが通る道であり、これからの未来をつくる軸の一つです。教員志望でなくても、様々なキャリアにおいて教育に携わる可能性があるという点に着目し、教育に携わるゲストの方と集まった皆さまと一緒に、これからの教育について考えていきました。20230319スタ活FES212S.JPG教育に携わるきっかけが全く違ったゲスト3名。しかし「これからの教育」には、多くの共通意識がありました。まずは、現在の教育に対する課題感から。20230319スタ活FES240S.JPG田中さん:私は子供たの環境によって教育の権利が左右されていることに対し、課題を感じています。どんな環境にいても質のいい教育を提供できないものでしょうか。

櫃割さん:そもそもそういった環境による格差や違いに気づけていないことも社会問題の一つですよね。

清水さん:私も個々の環境による違いがあることをどう捉えていくべきかしっかりと考える必要があると思っています。また、少し切り口が違う課題感についてですが、私は、答えがあることと答えがないことを、明確に切り分ける教育に可能性を感じています。例えば、生き方とか人生に正解はないと言うけど、皆さんどこかで正解を定めてしまっているのではないでしょうか?

杉山さん:確かに何事もそうですね。答えがある気がして、それを目指さないといけないという意識から葛藤が生まれてしまいます。教育現場でも正解はないと教えたいと思いつつも、実際はまだそこに至っていない現実があるのかもしれないですね。
20230319スタ活FES185S.JPG続いて、議題に上がったのはこれからの教育について。今話題のChatGPTをはじめとするAIの存在によって、これからの教育に変化は生まれるのでしょうか。

櫃割さん:ChatGPTの出現の前後で、在り方が変わってしまう職業があると思うのですが、教育はどうなのでしょうか。興味があります。

田中さん:分野によってはChatGPTでかなりの精度の答えを出されてしまいます。ただ、社会においてはこれらのテクノロジーが活躍しているので、学校現場において使ってはいけない物と全否定することは彼らのためではないと考えます。テクノロジーとの付き合い方や使い方を教育していくべきです。また、私たちは経験や歴史を語る点においてはAIより優れていると思います。その面でも「教師」という職業は、AIよりも良い仕事ができるのではないかと信じています。20230319スタ活FES223S.JPG一見、自身のキャリアには関与しない分野だと思っていた方にとっても、会社に入ったときの後輩指導や、将来の子育て等、様々な場面において関わってくるテーマだったのではないでしょうか。

トークセッション③『働く場所を選ぶ軸』

<ゲスト>
デジタル庁 田中 優里佳さん
ONOMICHI SHARE 後藤 峻さん
<ゲスト兼モデレーター>
(株)ツナグム タナカ ユウヤさん

最後のテーマは「場所」。場所と言っても、エリアの話だけではなく、環境や分野等、多くの観点がこれに当たります。様々な選択肢が増えた今の社会の中で、これらをどのように捉えているのか、お話しいただきます。
まずはどういう経緯で働く場所を選んできたのか。皆さんのきっかけは、とても意外なものでした。
20230319スタ活FES399S.JPG後藤さん:私が場所を決めたのは、実は広島に住む女性との遠距離恋愛がきっかけでした。ずっと関西に住んでいた私にとって、他の地域の文化や暮らしには興味があったので、結婚を機に広島の尾道に行きました。人生において恋愛も大事ですよね。

田中(優)さん:私は、自分自身で職種を選ぶことが難しい性格だったので、母からもらったアドバイスが職種選択のきっかけになりました。

タナカさん:私は、「人と会う」ことを目的に場所を選びました。今まで知り合ってきた多くの人たちと、ずっと一緒にいたいという気持ちが強く、京都だと様々なタイミングで人が来訪してそうだし、その思いを叶えられるかもしれないと思い、京都で働くことを決めました。では、皆さんの今の職場の働き方の軸はどんな感じですか?20230319スタ活FES378S.JPG後藤さん:自分が今できること、周囲の方のために役に立てることは何かを常に考えていて、それが働き方の軸になっています。

タナカさん:私も近いですね。私の場合はその対象がクライアントで、そこが働き方の軸になっています。ですが、その中でも自分自身の楽しさや目指す目標を、どのように叶えるのかを意識にしています。

田中(優)さん:私もお二人と一緒で、志を持っている人や頑張る人を応援するポジションとして働いています。

タナカさん:そう考えると、私たちは、好きなことややりたいことを軸に持つことが大変だと思っているからこそ、逆にその点にはこだわらずに、その場をどのように楽しむのかを軸にしているのかもしれないですね。やりたいことが見つからない人は、どこかの環境に一度身を置いてみて、その中で失敗や経験を重ねることで自分の軸が見つかっていくんだと思います。20230319スタ活FES381S.JPG

こうして3つのトークセッションが終了。ゲストの方々の生き様や思いを聞いたことで、参加者は自分自身の可能性を広げるヒントやアイデアを得ることができたのではないでしょうか。

20230319スタ活FES158S.JPG 20230319スタ活FES260S.JPG 20230319スタ活FES415S.JPG

私たちは、今後もこのようなイベントを通して、若者たちの可能性を広げ、幅広い分野で活躍する若者を増やすことで、今後の社会を担う世代におけるイノベーションの創発に貢献したいと思います。

写真撮影:逢坂憲吾