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2023/03/23

微細藻類の活用による未来社会の可能性 ~藻類ベンチャーが目指す 新しい価値の創出~ 終了

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2023年224()に「微細藻類の活用による未来社会の可能性 ~藻類ベンチャーが目指す 新しい価値の創出~」が大阪健都会場とオンラインのハイブリッドにて開催されました。
みなさまは、石油どうやって作られたか、ご存知でしょうか。実は石油は、"微細藻類"と呼ばれる顕微鏡を使わなければ観ることが出来ない小さな微生物が作り出したものです。1億年以上前に海底に大量に微細藻類が堆積し、長い時間をかけて石油へと変化しました。現在でも、一次生産者として私たちの生活に深く関わっている"微細藻類"ですが、食品やエネルギー、水産餌料などの様々な技術開発が進んでおり、多業種を巻き込んだ研究開発と産業化が加速することで、その市場は右肩上がりになると期待されています。

当日はまず「微細藻類ライブラリ提供サービス」を行う株式会社Seed Bankの石井さまから、①微細藻類とはなにか、②提供しているサービス、③今後の展望、の3点についてお話しいただきました。
続けて、極限環境微生物を活用し金属廃液からのレアメタル回収を目指す株式会社ガルデリアの谷本さまから、微細藻類"ガルディエリア"について、その技術を利用してどのような社会課題を解決していこうとされているのかお話しいただきました。

プログラム

17:00~ イベントスタート・登壇者ご紹介・アイスブレイク

17:10~ 石井さまプレゼンテーション

17:40~ 谷本さまプレゼンテーション

18:10~ トークセッション・質疑応答

18:30~ (現地のみ)名刺交換会

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トークセッション一部をご紹介

Q: 藻類事業への注目は高まる一方ですが、事業の発展に最も必要なことは何でしょうか?

石井さま:たとえば今、微細藻類は二酸化炭素を吸収する素材として注目されていますが、「吸収をする」という点以上に、「何に使用するのか」「どういった目的で使用するのか」といった、「目的」を明確に持つことが非常に重要だと思います。その「目的」を徹底的に議論をし、社会に対してどういった影響を与えていくのかを考えていくことは勿論大切です。また、その前段階としての教育も併せて重要になってくると思います。
若い世代は面白いアイデアを持っていると感じる一方で、大学に入ってきた段階で顕微鏡の使い方すらわからないといったように、アイデアとそれを実現するための基礎技術の乖離を感じています。今後は中学生・高校生時代からの微細藻類に関する教育も重要になってくるのではないでしょうか。

谷本さま:研究テーマとして長年、微細藻類は面白いと言われていますが、未だにニッチな分野であるのが現状であり、ビジネスサイドから見たときにその点がネックになってくると感じています。
「ビジネスとして成功しました!」「藻類がこんな社会課題を解決しました!」といった事例が広まれば、微細藻類を勉強してみたいと思う学生や研究者が増えてくるのではないかと思いますし、さらにそこから、産業の方に人材が流れてきて、藻類事業の発展につながるのではないかと思っています。

最後に

イベント後半の質疑応答のお時間では、藻類の保存法やそれぞれの藻類のメリットデメリットについてなど、具体的なご質問をご視聴のみなさまから多数いただきました。
ご視聴いただきましたみなさま、ご質問いただきましたみなさま、ありがとうございました。

KRPでは、今後も定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催していく予定です。次回もお楽しみに。

過去のイベントレポート等はこちら⇒https://www.krp.co.jp/labplus/events/