CLOSE
SITE MAP
イノベーションが
生まれる「まち」。
EVENT

イベント

2023/01/11

次世代型「がん精密医療」の実現に向けて ~個人レベルでの最適治療を可能とする、がんリン酸化シグナルの高精度定量化技術の共同研究~ 終了

2210_京大オリジナル_京大発イノベーションを探る4_バナー (003).jpg

2022年122()に「次世代型『がん精密医療』の実現に向けて ~個人レベルでの最適治療を可能とする、がんリン酸化シグナルの高精度定量化技術の共同研究~」が大阪健都会場とオンラインのハイブリッドにて開催されました。
日本人の死因において、40年以上一位となっている「がん」。今回のイベントでは、多くの種類のがんに適用でき、経時的に生検検体を採取し、患者毎の迅速な治療効果判定や適切な併用薬選択ができる、次世代型「がん精密医療」の実現を目指す共同研究チームのお話を伺いいたしました。

当日はまず庄司先生から、日々診療にあたる臨床医の視点として、特に胃がんを中心とした臨床現場の現状や限界、今後目指したいことについてお話しいただきました。続けて足立先生から、ご自身の研究内容だけでなく、庄司先生との共同研究まで、詳しくお話しいただきました。

プログラム

16:00~ イベントスタート・登壇者ご紹介・アイスブレイク

16:10~ 庄司先生プレゼンテーション

16:40~ 足立先生プレゼンテーション

17:10~ トークセッション・質疑応答

17:40~ (現地のみ)名刺交換会

IMG_0117新.jpg

トークセッション一部をご紹介

Q:お二人の共同研究の進展もあって、近い将来、がんも、がん以外の病気も、個人レベルでの最適治療が進むものと想定されていますが、個人レベルでの最適治療が一般の方にも広がり始めるのは、何年後くらいになりそうでしょうか。
今後の展望も含めながら是非ご見解をお聞かせください。

足立先生:まだまだ研究段階のため、個人レベルでの最適治療の実現にはコストも時間もかかってしまうのが現状ですが、技術開発は今後間違いなく進んでいきます。がんゲノム医療も格段に安くなってきていますし、今日ご紹介したリン酸化でたんぱく質を修飾する方法も、技術の進展に伴い、510年ほどのスパンで個人レベルでの治療を行うことができるようになってくるのではと思っています。

庄司先生:10年前は抗がん剤治療においてはいわゆる殺細胞性抗がん剤が主流で、個別化医療という考えはありませんでした。しかし、その後5年ほどでゲノムを使用した治療法や免疫療法、オプジーボなどが出てきて、時代の流れが変わってきたと感じています。
そして時代の流れと共に臨床現場も変化し、たんぱく質が注目され始めています。その際、免疫染色法でターゲットを見つける方法もありますが、抗体に依存しない方法で網羅的に調べることができれば、と思っています。その技術が510年で実用化されると、患者様のメリットにもつながっていくのではないでしょうか。

最後に

イベント後半の質疑応答のお時間では、たんぱく質のリン酸化修飾についての具体的なご質問など、研究内容を深堀りする多数のご質問を、ご視聴のみなさまからいただきました。
「がん」というものは決して他人事ではないと今一度感じるとともに、次世代型「がん精密医療」への理解も深まるイベントとなりました。
ご視聴いただきましたみなさま、ありがとうございました。

KRPでは、今後も定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催していく予定です。次回もお楽しみに。

過去のイベントレポート等はこちら⇒https://www.krp.co.jp/labplus/events/