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2022/11/18

【イベントレポート】社会起業家支援プログラム『COM-PJ』 3期生16名 最終発表に登壇@BEYOND2022

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京都リサーチパーク㈱と㈱talikiが共催する社会起業家支援プログラム『COM-PJ』(コンプロジェクト)のプログラム最終発表が10月8日(土)に行われました。

COM-PJは3期目を迎え、全国から16名が採択され、今年の7月から3か月間にわたり実施されました。プログラム期間、ターゲットへのヒアリングなどを通して各々のビジネスプランの仮説・検証を実施する他毎週の進捗報告会、1on1のメンタリング、ゲスト講義などを受け、その内容を磨いてきました。

最終発表は㈱talikiが主催するソーシャルイベント「BEYOND 2022」にて、起業家・学生・投資家・民間企業・行政・非営利団体など多様なセクターから集まった観客の前での発表となりました発表スタイルは2種類あり、1つはBEYOND2022の観客に向けたLT(ライトニングトーク)型、もう一つはVCや経営者、金融機関行政機関で構成された審査員に向けた事業ピッチ型です。観客からの率直な反応や審査員との質疑応答などで、会場全体が盛り上がりました。COM-PJの3期生は最終発表を経て、社会起業家として新たな一歩を踏み出します。

本イベントレポートでは、登壇された 15名の最終発表をお届けします。

ライトニングトーク型 最終発表

鈴木粋さん

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大学生の"学び"に生じるコストに課題を感じた鈴木さんは、学生生活のサポート事業に取り組んでいます。主に奨学金受給を希望する学生をターゲットに、情報収集を大幅に効率化するアプリ『Should List』を開発。『Should List』では、ネット上に散在する奨学金情報や生活サポート情報を集め、"するべきこと"をリスト化・提案できると紹介しました現役大学生ならではのリアルな学生の現状を訴え、"学びや体験がお金に左右されない世界"の実現を目指します

伊藤鴻志郎さん 学生教育団体LearnBo代表

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子どもの"やってみる"機会を増やしたいという願いから生まれた『コトコイン』。伊藤さん自身、小学生向けの教育イベントやワークショップを企画・運営する経験から、単発のイベントでは、体験がその場限りで終わってしまうことに懸念を抱いたそうです。今回のピッチで紹介された『コトコイン』はそういったイベントに参加した子どもに、実物のコインを発行するサービスで、子どもが獲得したコインは次回のイベントチケットや商品と交換できます。伊藤さんは、子どもが自分で選択する機会を持ち、小さな体験を繰り返すことで成長を育みたいと語りました

岡村勇輝さん 一般社団法人 日本インクルージョン協会

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ダイバーシティーが推進されている反面、現代社会では、日本人特有の遠慮によって生じるコミュニケーション課題が懸念されていると考える岡村さん初対面でも素直なやり取りを引き出すオリジナルボードゲーム『インクルーシブ・トラベラー』を考案しました。このボードゲームでは、相手と異なる自分の感性を発見したり、互いの違いを認め合い楽しむことを体感できたりします。今後はこの特徴を活かし、ウェルビーイングや健康経営に取り組む企業を中心にボードゲーム研修会の実施を予定していますボードゲームによる、職場でのコミュニケーション活性化と多様性の尊重が期待できます

作野充さん 株式会社FoodFul COO

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子どもの食で悩む親御さんと専門家がつながるラインルーム『チルディッシュ』を開発・運営する作野さん。『チルディッシュ』は、管理栄養士・保育士等の専門家(バディ)と無料で繋がり、子どものアレルギーや偏食、歯の成長等について気軽に相談できます。ママとパパが子どもの食を安心して見守るための子育てプラットフォームとして、着々とユーザー数を増やしています。本ピッチでは、今後の目標として、ユーザー層の拡大とともに企業へのアプローチも視野に入れ、toB、toC両方のユーザー獲得を目指したいと語りました

徳山倖我さん 学生団体TSUKUM 代表

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徳山さんは、自身が感じている子どもの"創造力"育成への課題と、過去の検証より把握した、子どもに"社会性"を育みたいという親御さんのニーズを解決するべく、『チームプロジェクト型ものづくり教室』を提案。チーム制の習い事の新たな切り口として、数カ月にわたるプロジェクト型の体験を通して子どもの創造性と社会性向上に取り組んでいます近日には、プログラミング×デジタル工作のものづくりハッカソンイベントを計画しています。ピッチ中で、活動メンバーを募る声かけも行われました

Chicoさん  Sophies 代表 / CindyOn ディレクター

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はたらく女性に寄り添いたいという思いから、Chicoさんは『天使のブラウス』をプロデュース。女性起業家への衣装提供やクラウドファンディングを通して、女性支援の輪を広げ認知を拡大してきました。今回のピッチでは、結婚・妊娠出産を控えているはたらく女性をターゲットに新たにインタビュー形式のPODCAST『私たちのキャリアブック』を提案。女性のキャリアとライフイベント、両方の実現を叶えるきっかけにしたいと語りました

高桑蘭佳さん 株式会社メンヘラテクノロジー 代表

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"幸せに病める世界をつくる"をテーマに、ユーザー数17,000人の匿名チャット相談サービス『メンヘラせんぱい』を運営する高桑さん。今回は新たに、企業向けに展開し、従業員の日常的なストレスをケアするチャットサービス『+ta』(プラスタ)を開発しました。+taサポーターとの会話や雑談、愚痴を通して、従業員が気軽に安心して感情を吐き出せる場を提供します。大手企業3社で導入し実証実験を行ったところ、高評価を得ており、今後の活用が期待されます

事業ピッチ型 最終発表

吉川夕葉さん 株式会社ブイクック

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2020年に設立した株式会社ブイクック。 "誰もがヴィーガンを選択できる社会をつくる"をミッションとし、投稿型ヴィーガンレシピサイト『ブイクック』を運営、ヴィーガン商品専門のネットスーパー『ブイクックスーパー』の事業展開を新たにスタートしました。本ピッチでは、まだまだ購入にハードルが高いヴィーガン食品をより求めやすいよう、開発した新サービス『ブイクックスーパー』を紹介しました。今後は、食品販売だけにとどまらず、外食産業、暮らしなど、誰もが簡単にヴィーガンを選択できる環境を作り、ヴィーガン生活を支えるインフラとなることを目指します。『ブイクックスーパー』は9月正式リリース済。

池田航介さん 株式会社Perma Future代表取締役

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"の想い、自然の恵みが循環し「共感」を基本とした新しい資本主義を創る"というミッションを掲げる池田さん。すでに、仲間とともに設立した株式会社Perma Futureで、エコビレッジ発の健康茶ブランド『EARTH MIND』を販売されています。今回のピッチでは、新事業"No農、No Life (略ののの)"を紹介。「農業」x「ワーケーション」の新事業は、「農」への距離を縮め、共感を軸とした幸せな社会を実現するためのビジネス。「ワーケーション」による新しい働き方の実現と同時に「農業」の人手不足などの解消にもつなげるなど、様々な社会課題の解決を目指しています。

追田洵己さん Merchan.Think

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ク質危機という社会課題に取り組む迫田さん。"食の選択肢を広げる"ことを目的ECサイトMerchan.Thinkを開設しています牛肉以外のタンパク質源となる代替食品、昆虫色や大豆ミートをもっと身近に感じてほしいと願う迫田さんは、ECサイトを通じ、顧客への訴求方法をどのように検証すべきか、フィードバックを求め、登壇しました。代替食品の存在や、代替食品の豊富なたんぱく質や高機能性を誰に、どのように伝え、商品購入まで至ってもらえるのか、審査員から様々な視点からのアドバイスがありました

モリタジュンタロウさん 合同会社nopole 代表

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ピッチでは、FTM(女性の体で生まれてきたものの、男性として生きることを望む人)向けのマッチングサイトの開発、仮説検証を経た課題に対し審査員にフィードバックを求めました。誰かを好きになるたびに自分を嫌いになる、というモリタさんの原体験から、誰もが好きな人も自分自身も愛せる社会を目指しています。マッチングサイトは、カミングアウトできない環境などセクシャルマイノリティの様々な不安要素を取り除いた形でコミュニティを形成できるが、女性利用者を増やすことが喫緊の課題です。「FTMだから起きる課題だけでなく、ならではの魅力も深堀してみては?」など、審査員からも、今後の展開を期待する意見がありました

古津瑛陸さん 株式会社LacuS

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高齢者のQOLを上げたいという思いから介護福祉事業へピボットを決意した古津さん。認知症、筋力の衰えなどを悪化させる、高齢者や要介護者の『低栄養』状態に着目し、高齢者のウェルビーイングを目指しています。本ピッチでは、新プロダクトとして、栄養補助と同時に食の美味しさ、楽しさを両立するアイスクリームブランド『Nu』を紹介し、今後のビジネス展開について、審査員からのフィードバックを求めました。ヘルスケア分野での事業で求められる、効果に関するエビデンスをどうするのか、モノづくり分野で起こる"死の谷"をどのように乗り越えるか、など活発な意見交換がなされました。実際のアイスを手に取った審査員は、その美味しさゆえ、高齢者とは限定しないマーケットへのアプローチに対しても意見がありました

平良涼花さん 一般社団法人lightful 理事

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愛知教育大の大学生である平良さんは、学校現場の課題に着目。課題解決型教員研修『LEAMP』を紹介しました。学校現場の課題に関しては、すでに学習管理、授業支援、校務支援の分野でビジネスの参入があるが、未だ山積する課題を『LEAMP』の研修によって、教員自身が課題設定し、解決できる能力や機会を得られると説明。実際の教員や教員志望の学生で行ったプレテストでは、高評価を得ています。今後、この研修をどのように広め、ビジネスとして成立させるか、というマネタイズに関する審査員のフィードバックがありました公教育ゆえに、行政にどのようにアプローチするのか、限られた予算・マーケットにおいて、どのように成長できるのか、など様々なバックグラウンドをもつ審査員ならではのアドバイスがありました

杉江いさむさん

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杉江さんは、家庭養育環境の不足を課題とし、血が繋がっていなくても家族になることに、抵抗感がなくなる世界をつくることを目指しています。自身の原体験を通し、里親の必要性里親が里親をギブアップすることが多い現在の環境改善に挑んでいます開発したプロダクト『これキク』匿名で、里親が抱える悩みを気軽に話せる環境を設けるアプリ。COM-PJのプログラム期間に取り組んだ、仮説検証結果を発表サービス向上のため、審査員のフィードバックを求めました。里親のなり手不足が解決したいことなのか、里親が里子の養育ギブアップすることが解決したいことなのか、課題設定によって、サービスの提供方法が異なるのではないか、など、ビジネスにおける「誰の、何の、どのような課題を解決したいのか」を深める意見交換となりました

池邊亮輔さん 合同会社chacole

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脱炭素社会に向けて、個人の行動変容を促し、CO2削減を支援するアプリ、CABOCHAを開発。脱炭素化の取り組みは上場企業では積極的な排出量削減活動がみられるものの、個人の消費行動においても排出量削減ができるため、個人の行動変容を促したいという池邊さん。開発したアプリCABOCHAでは、個々のCO2排出量を可視化し、削減アクションをクリアしてもらうことで、個人消費の脱炭素化を促す仕組みを提供していますひいては、CABOCHAを導入した企業は、全社員によるCO2排出量削減活動を統合し、脱炭素化経営を加速化させることができるといいます。審査員からは、従業員全員を巻き込むハードルへの対応など、CABOCHAを法人に導入したその後について、審査員と議論を交わされました

各賞の授与式

最終発表を終え、登壇者の中から審査員賞、COM-PJ賞、オーディエンス賞、KRP賞が選ばれました。

審査員賞 吉川夕葉さん株式会社ブイクック画像44.jpg

COM-PJ賞 鈴木粋さん(Should List) 画像45.jpg

KRP賞 池田 航介さん (株式会社Pema Future画像46.jpg

オーディエンス賞 モリタジュンタロウさん合同会社nopole と 追田洵己さん(Merchan.Think) 画像47.jpg

受賞した皆さま、おめでとうございました!

KRPはCOM-PJ 3期生の皆さまの更なる活躍を応援しています!

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