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平成26年度 再生医療サポートビジネス懇話会 第6回はんなり雑記

日時 / 平成27年2月10日(火) 16時〜19時
場所 / 京都リサーチパーク4号館地下1階バズホール
講師 / 山下 潤 氏 (京都大学 iPS 細胞研究所 増殖分化機構研究部門 教授)
講演 / 多能性幹細胞の心血管系再生医療への応用


 

平成26年度の懇話会もとうとう最終回となりました。
最後を飾っていただくのは、京都大学iPS細胞研究所の 山下 潤 教授です。
山下先生は(マイク越しですが)非常に通る、落ち着いた声でとても聴きやすく、話がすぅっと身体の中に入ってくるようです。

 

H26第6回懇話会 画像1 さて、本日の話題は
多能性幹細胞の心血管系再生医療への応用
でした。
最初に細胞と遺伝子の多様性の話を非常にわかりやすく説明して頂きました。
その中で幹細胞とは何か、というと

・自己複製能がある
・高度に分化した細胞が誘導される
・組織や臓器の再生に寄与しうる

上記の3つを満たすものが幹細胞だということです。
もちろんiPS細胞も幹細胞の1種です。

 

次に幹細胞の話題によく登場する「プラナリア」という生物が登場しました。
見た目は目が二つあるミドリムシみたいな形をしており、漫画で簡単に描けそうなかわいらしい格好なのですが、このプラナリア、身体の約10%が幹細胞でできており、しかも身体中に分散して存在しているとか。
そのため、身体を100回以上切断しても(痛そう!)、すべてが完全な個体再生するのだとか!
切っても切っても頭と尾(そんな分け方があるかどうかわかりませんが)が生えてきて、元通りになってしまう、なんて恐ろしい生き物なのでしょう。
でもちょっと自分でも切って実験してみたくなります。

もう少し高等生物のゼブラフィッシュは、さすがに身体を切ってしまってはプラナリアのように再生はしませんが、心臓を切っても再生するのだとか。

でも哺乳動物は基本的にそんなことは起こりません。
しかしながら、なんとマウス生後1週間以内であれば心臓でも再生するのだそうです。

つまり、成長していく過程で再生する能力が落ちていく、ということです。

同じようなことで、マウスのES細胞は胚盤に戻すともともとの細胞と混ざり合ってキメラマウスができますが、ヒトES細胞は同じES細胞でもちょっとだけ分化が進んでしまっていて、キメラはできない。
研究としてはキメラができるES細胞を作る必要があるのですが、ES細胞は韓国の論文捏造事件、卵子提供方法などいろいろと問題があります。

iPS細胞については、山中先生は再生に関係する遺伝子を見つける際に、人の2500個の遺伝子の中から、データベース検索で100個に絞り、そこにご自身の研究結果をいれて24個に絞ったそうです。
そこからは1つずつ遺伝子を抜いて実験を繰り返し、有名な山中4因子を発見され、ノーベル賞に繋がりました。

 

H26第6回懇話会 画像2さて、山下先生ご自身の研究の話に移りまして、先生は 重症の心不全患者を治したいのだそうです。
そこで心筋組織シートを作り、日々研究をされています。
心筋細胞の分化誘導の効率化を図ったり、心筋細胞だけではなく壁細胞、内皮細胞を混ぜることで長生きする心筋シートを作ったり、田畑先生と協働でゼラチンハイドロゲルを入れた積層シートを作ったりと、とても活発に研究活動をされています。

また、海洋生物から新しい化学物質を見つけることもされています。
先生によると海洋生物は宝の山(海?)だそうです。
先生のお知り合いの方が海洋生物を研究されているという繋がりがあるそうですが、それでも海から探そうというその発想力が凄いですね。
そして読み通り心筋細胞が10倍以上も増える化学物質を見つけたそうで、やっぱりまだまだお宝が眠っているのかもしれません。

 

H26第6回懇話会 画像3さらに先生はiHeart Japanというベンチャー企業の立ち上げにも携わっておられ、心臓移植を代替しうる次世代医療を開発することが目的だそうです。
こういう先生が活躍されることで再生医療がもっともっと身近になるといいですね。
 


 

さて、こうして今回をもって平成26年度の懇話会はすべて終了しました。
6名の先生方、参加された多くの企業の皆様、関係機関の皆様、誠にありがとうございました。
また、来年度の懇話会については3月より一般募集を開始いたしますので、皆様方のご参加をお待ちしております。
このはんなり雑記もこれからも続けていきますので、次回を是非ともお楽しみに!

 

 

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