再生医療サポートプラットフォーム

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平成23年度 専門家との直接意見交換シンポジウム in KRP Part IV

専門家との直接意見交換シンポジウム in KRP Part IV 臨床現場で進む再生医療の現実とモノづくりから見た産業化の展望

 再生医療とは、人が本来もつ自然治癒力や免疫力を向上させて低下した機能を回復させる、あるいは細胞や材料、薬(成長因子)などを活用して体損傷や疾病により損なわれた臓器や組織の機能を回復させることであり、次世代の日本の基幹産業となり得る分野であると期待されています。

 再生医療(分野)は、人を対照とした「治療」と、それを支える「研究」に大別されます。「治療」は、人を対象としたものであり、治験や薬事法などの規制が存在し、医師のみが実施を許されています。一方「研究」は、体外に取り出した細胞や組織、マウスや犬といった実験動物が対象であるため、規制や許認可の対象外であり、誰でも取り組むことが可能です。

 また、再生医療の早期の実現には、細胞や組織に関する生物医学的な研究だけでなく、それらの基礎的な研究を支えるさまざまな道具や材料、機器や装置といった周辺分野の研究開発や実用化・製品化が必要です。これらの周辺分野は、人を対象とした研究ではないために薬事法等の規制や認証制度の対象外のもの、また、その実用化や商品化に多くのお金と時間をかける必要がないものも多く、モノづくり企業の参入が比較的容易であると考えられる分野があります。

 そこで、京都リサーチパーク(株)では、平成21年度より、京都をはじめとする関西の優れたモノづくり技術やノウハウを持つモノづくり中小企業の集積に着目し、モノづくりの視点から再生医療分野の産業化を目指す「再生医療サポートプラットフォーム」を立ち上げました。「再生医療サポートプラットフォーム」活動では、再生医療分野に関する理解を深め、新たな参入の契機を提供するための情報提供をはじめ、産学連携により、研究や医療現場のニーズやアイデア(暗黙知)をモノづくり企業に橋渡し(翻訳・通訳)し、京都試作センター(株)の伴走型コーディネートにより、具体化(試作・改良)する「仕組みづくり」に取り組んでいます。

 今回のシンポジウムでは、再生医療の産業化にチャレンジするモノづくり企業のすそ野の拡大を目指し、目覚しい研究成果をあげ ている研究や臨床の現場に加え、製品開発現場の実情や課題をもとに再生医療分野の産業化の加速に向けた「モノづくり」の 役割、モノづくり企業が容易に参入可能な分野や将来的な展望、さらに失敗しないためのポイントなどについて、産官学の各方面の 専門家の方がフロアを交えて意見交換をする予定です。

 

 開催後記

今年で4回目となる今回のシンポジウムは、紀伊半島に大被害をもたらせた台風が接近して交通機関が乱れる中、 東京方面からも含め、シンポジウムに115名、交流会に70名の方にご参加いただきました。
関係者の方ならびにご参加いただきました皆様には、この場をかりてお礼申し上げます。ありがとうございました。

【シンポジウム】
京都大学再生医科学研究所 田畑先生より、本シンポジウムは、再生医療を判りやすく紹介することが目的であるが、講演者が一方的に伝えるのではなく会場からも積極的に質問等で参加し、言葉のキャッチボールができるシンポジウムにしたいとご挨拶がありました。続いて、再生医療は細胞を元気づけ、自然治癒力を高めて病気を治すことであり、そのために(1)細胞の家、(2)細胞の食べ物、(3)細胞に食べ物を与える仕組み(DDS)という3つの「モノ」をつくる技術が必要であるというオーバービューがなされました。

 


次に基調講演として、(独)理化学研究所発生・再生科学総合研究センター高橋先生より、専門であるiPS細胞を用いた網膜再生医療研究を中心に、幹細胞を用いた再生医療がどこまで行われているのかについて、紹介がなされました。

 

続いて住友ベークライト(株)福島部長より、細胞培養器具を中心に、企業として再生医療分野へはどのようなアプローチで製品開発を行っているのかについて、紹介がなされました。

 

午後の最初は、近畿大学医学部磯貝先生から臨床医として実験に必要な道具の入手方法について紹介の後、田畑先生を相手にお互いの立場から再生医療の現状認識と産業化に向けた戦略についての対談が行われました。この中で、再生医療に役に立つモノづくりを進めていくためには、実験に有用な試作事例を増やし、それらが臨床研究で使用できることが確認できたらビジネスとして進めていくことを考えていくべきだといった産業化に向けた戦略が示されました。
続いて、経済産業省 生物化学産業課 斉藤課長により、「再生医療の実現化ハイウェイ構想」や「再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)」の概要について、大阪大学大学院工学研究科紀ノ岡先生より、細胞の自動継代培養が可能なフレキシブル・モジュール型プラットフォームや細胞シート積層化システムについて、(独)国立成育医療研究センター再生医療センター梅澤部長より、細胞治療には医師法の下に行われるものと薬事法の下で行われるものがあること、細胞製品の品質管理は工程を検証する場合と生産物を検証する場合があることについて、(公財)神戸国際医療交流財団国際医療開発センター吉川先生より、再生医療のモノづくりにおける薬事法の申請の流れについて、各講師からそれぞれの専門分野の情報の紹介の後、本シンポジウムのメインとなる専門家と参加者との意見交換(パネルディスカッション)に移りました。

 

専門家と参加者との意見交換(パネルディスカッション)では、企業と研究者との接点をどのように得るのか、初期の資金をどこから得るのか、利益を得るまでのシステム作りや、市場マーケットの把握のしかたといった製品化に向けた問題点等について、会場からの質問を交えながら活発な議論がなされ、大企業が取り組まないニッチな需要はあるので、中小企業であっても国の補助等を得ながらまずはこの再生医療分野に参入しておくことが重要だといった意見が出されました。

【交流会】

  

【事務局の感想】
台風の影響で、前日より参加者の方々から開催についての問い合わせがあり、キャンセルも何名か出て迎えたシンポジウム当日。
朝から雨風が激しくお足元の悪いなか、会場にご参集いただきました。台風の東進にともなって、新幹線、飛行機共に運休となったものの、シンポジウム終了後の夕方頃の京都は、台風一過の青空。
東京方面へ帰られる方々へは交通の便についてアナウンスをするも、「帰れるところまで帰る」との言葉を残して会場を後にされた方々も数名いらっしゃった為、無事に帰宅されたのかどうか心配でした。後日お聞きするところによると、やはり大変な思いをしながら帰られたとの事。
このような思いをしてまでシンポジウムに足をお運び頂き、熱心に耳を傾け、「勉強になった」「大変役にたった」「よく理解が出来、今後共続けて欲しい」「この分野は素人だが、モノづくり企業に対してもわかりやすく、非常に参考になった」とのお声を頂き、心から感謝しております。
何点か参加者の方からご要望を頂戴していますので、次回開催の際に参考とさせて頂き、来年以降も開催を続けていきたいと思います。
ありがとうございました。

【日程】平成23年9月21日(水)9:30〜17:40(交流会18:00〜)

【会場】

京都リサーチパーク
◆シンポジウム:サイエンスホール(KRP1号館 4F)
◆交流会:アトリウム(KRP1号館 東隣)

【対象】

再生医療に関心のある企業や組織、研究機関、モノづくり企業など
先着150名

【主催】

京都リサーチパーク株式会社

【後援】

近畿経済産業局、独立行政法人 科学技術振興機構、京都府、京都市
京都商工会議所、社団法人 京都工業会、京都産学公連携機構

【申込み】

平成23年度のシンポジウムは終了しました。
多数のご参加ありがとうございました。

 

<午前の部> 9:30〜11:50

9:30

9:40

主催者挨拶

9:40

10:20

オーバービュー

◆テーマ モノづくり技術が支える再生医療の実用化
−細胞研究、創薬研究、治療−
◆講師 田畑 泰彦 氏
(京都大学 再生医科学研究所 教授)
◆座長 司会者
田畑 泰彦 氏

田畑 泰彦 氏

 
10:20

11:05

基調講演-1

◆テーマ iPS/ES細胞を用いた再生医療と事業化
◆講師 高橋 政代 氏
((独)理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
網膜再生医療研究チーム チームリーダー(眼科医))
◆座長 田畑 泰彦 氏(京都大学 再生医科学研究所 教授)
高橋 政代 氏

高橋 政代 氏

 
11:05

11:50

基調講演-2

◆テーマ 住友ベークライトの再生医療への
取り組みと今後の展望
◆講師 福島 雅夫 氏
(住友ベークライト(株)
S−バイオ事業部研究部 部長)
◆座長 田畑 泰彦 氏
(京都大学 再生医科学研究所 教授)
福島 雅夫 氏

福島 雅夫 氏

田畑 泰彦 氏

田畑 泰彦 氏

 

<休憩> 11:50〜13:10

<午後の部> 13:10〜17:40

13:10

13:50

対談

◆テーマ 臨床分野立場と材料分野立場からの再生医療の
現状認識と産業化に向けた戦略

◆対談者
<臨床分野>磯貝 典孝 氏
(近畿大学 医学部 形成外科 主任教授)
<材料分野>田畑 泰彦 氏
(京都大学 再生医科学研究所 教授)

磯貝 典孝 氏

磯貝 典孝 氏

 
13:50

15:20

パネリストによる最新情報の紹介

◆座長:田畑 泰彦 氏(京都大学 再生医科学研究所 教授)

◆テーマ:再生医療産業化の課題と展望
斉藤 群 氏(経済産業省 生物化学産業課長)
◆テーマ:細胞シートの工学的魅力と道具の重要性
紀ノ岡 正博 氏(大阪大学大学院 工学研究科 教授)
◆テーマ:再生医療におけるレギュラトリーサイエンス
梅澤 明弘 氏((独)国立成育医療研究センター再生医療センター センター長/
生殖・細胞医療研究部 部長)
◆テーマ:再生医療と薬事法
吉川 典子 氏(公益財団法人 神戸国際医療交流財団 国際医療開発センター(IMDA)コーディネーター)

  斉藤 群 氏

斉藤 群 氏

  紀ノ岡 正博 氏

紀ノ岡 正博 氏

  梅澤 明弘 氏

梅澤 明弘 氏

  吉川 典子 氏

吉川 典子 氏

15:20

15:40

休憩

15:40

17:40

専門家と参加者との意見交換(パネルディスカッション)

◆テーマ:臨床現場で進む再生医療の現実とモノづくりから見た産業化の展望
※参加者の方から事前にいただきました質問事項や対談での課題をもとに、再生医療の産業化 (幹細胞・再生医療ビジネス)について、パネリストとフロアが自由に意見交換
◆モデレータ:田畑 泰彦 氏(京都大学 再生医科学研究所 教授)

◆パネリスト  
○ 高橋 政代 氏 ○ 福島 雅夫 氏
○ 磯貝 典孝 氏 ○ 斉藤 群 氏
○ 紀ノ岡 正博 氏    ○ 梅澤 明弘 氏
○ 吉川 典子 氏  

<交流会>

18:00〜19:30