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平成26年度 再生医療サポートビジネス懇話会 第3回はんなり雑記

日時 / 平成26年7月10日(木) 16時〜19時
場所 / 京都リサーチパーク1号館4階サイエンスホール
講師 / 坂井田 功 教授(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学)
講演 / 肝臓再生療法と周辺機器の必要性


 

H26懇話会第3回1今回の懇話会は「再生医療の実現化ハイウェイ」のプロジェクトで、もっとも臨床に近い研究として培養ヒト骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法の開発の代表研究者をされている坂井田先生のお話でした。

先生は、私の故郷である山口県でご活躍されており、勝手に親近感を抱いております。


また、プレゼンの表紙に使われている山口県岩国市の錦帯橋の写真は、
患者さんに夢と希望のある明日に架ける橋を作っていきたい、という思いで使われているとお聞きし、患者さんの事を第一に考えられているお人柄が懇話会中ずっと伝わってきました。

H26懇話会第3回2当日は、予期せぬ来場者として台風が……
幸い京都では、風や雨もたいしたことなく、無事に開催する事ができました。
当日ご参加頂いた皆様は、お足元の悪い中ご足労頂き、ありがとうございました。

また、もう1組の来場者として、NHK京都放送局さんも……
再生医療サポートビジネス懇話会の様子を取材されていらっしゃいました。


 

 

さて、今回のテーマ慢性肝炎や肝硬変の治療についてです。

慢性肝炎は日本で400万人の患者さんがおり、ウイルスやアルコール等で肝臓に炎症が起きている状態です。慢性化し、状態が悪くなると肝硬変になり、日本では30万人の患者さんがいらっしゃるとのこと。
肝硬変になると、内科的な根治療法はなく、根治しようとすると肝移植のみになります。
肝移植はドナー不足免疫拒絶医療費が高額等の問題があり、臓器移植を伴わない肝臓の再生療法が待ち望まれています。
先生のお話の中で、最近ではメタボが原因でなることもある、と言われ、少々ドキッとしました……

H26懇話会第3回3H26懇話会第3回4

臓器移植を伴わない方法として、最初にご紹介されたのは
自己骨髄細胞投与療法」(ABMi療法 Autologous bone marrow cell infusion therapy)でした。
こちらの療法は、先生が世界で初めて開発され、平成25年6月に正式な認証を得られています。

自己骨髄細胞投与療法」とは、肝硬変の患者さんの骨髄から骨髄細胞を採取し、細胞の洗浄収集検査を行い、骨髄細胞の中の骨髄単核球細胞を濃縮し、患者さん自身へ半日かけて点滴投与する、というものです。肝機能の改善が認められ、諸外国にも同様の有効性が認められており、世界に広がりつつあります。
しかしながら、この治療法は1日で治療が完了するという利点はありますが、全身麻酔が必要なため、適応患者さんが限られるという課題もあります。

そこで、坂井田先生のグループでは、こうした課題を解決するため、
自己骨髄細胞投与療法(非培養法)」とは別の、細胞を培養して移植する方法「培養ヒト骨髄MSCを用いた低侵襲肝臓再生療法(培養法)」を開発中です。
こちらの方法は、外来で局所麻酔を行い、少量の骨髄液を採取し、その中の間葉系細胞を培養増殖(細胞数を増加)し、腕の血管から点滴で細胞を投与する方法です。局所麻酔のため、患者さんの負担が少なく、少量の骨髄液で、より効果の高い治療法になります。

骨髄細胞を培養で増やし、保存し、必要に応じて投与することで、肝硬変を完治できない病気から治る病気に変えていきたいと先生は考えておられ、とても感動しました。

また、そうした培養を行うためには最新のロボット技術が必要となり、ロボットが動いて培養する映像を見ていると、改めて日本のモノづくりの力技術力の高さと、医療分野にはこうしたモノづくりの力が必要なのだと改めて感じました。
参加されているモノづくり企業の方も、色々と感じることが多かったと思います。

また、講演の最後には、日常の医療現場で、先生看護師の方が困っているニーズをご紹介頂き、こちらも参加された企業の方々にとっては、興味深いものだったのではないでしょうか?

 


 

次回(11月7日(金))は、ゲストスピーカーに
玉井 克人 教授
(大阪大学 医学系研究科 再生誘導医学寄付講座)をお招きし、損傷組織と骨髄間葉系幹細胞のクロストークメカニズムについてのお話です。
損傷した組織とそこに誘導される骨髄間葉系幹細胞がどういったメカニズムなのか、さらにそれを応用した治療の可能性について、次回の講演も非常楽しみです!

 

 

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