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平成24年度 再生医療サポートビジネス懇話会 第5回はんなり雑記

 

 

平成24年度の第5回「再生医療サポートビジネス懇話会」が、西田 幸二 氏(大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科学(眼科学)教授をお招きし、角膜再生医療の現状と展望』とのテーマで開催されました。

 

今日、お話を伺うのは、「再生医療の実用化プロジェクト 再生医療の実現化ハイウェイ」にも取り上げられ、再生医療分野の臨床応用で、先頭集団を走られる西田先生の角膜上皮と角膜内皮についての再生医療についてです。
眼は、体の表面に露出している唯一の神経(視神経)で、外界からの情報の80%以上は視覚(眼)から入ってくるといわれるほど、重要な組織です。確かに、現代社会では眼から入ってくる情報は、映像や文字など非常に多いですよね。「百聞は一見に如かず」とはよく言ったもので、言葉だけでものを説明するのは極めて難しくて、聞いている方のイメージもまちまちですものね!
人が情報を得る上で極めて重要な眼を構成している「角膜」は、目の一番外側にある一枚の膜だと思っていたのですが、実は、0.5mm程度の厚さで、外側から上皮、実質、内皮の3層構造をとっているのだそうです。現在、視覚障害は164万人(失明者:18万人、40歳以上で100人に4人は緑内障、加齢黄斑変性は33.4万人)、2030年には200万人に達するであろうといわれており、視覚障害のもたらす社会損失は、実に8.8兆円になるようです。
眼には、白目と黒目の境界付近に幹細胞が存在するそうですが、その量は非常に少なく、その分化能や増殖能に限界があるため、これらの幹細胞を用いた角膜の再生は非常に困難であったそうです。先生が開発されたのは、口腔粘膜(口の中の白いネバネバした粘膜)細胞から角膜上皮細胞の代用となる厚さ50μm程度の4〜5層の細胞シートを作成して、実際に患者さんに移植する方法で、現在、世界初の方法になります。口の細胞が眼の細胞になる!これをもって、目(眼)は口ほどに物を言うということなのでしょうか(笑)? 今回の先生のご講演では、細胞シートによる臨床研究をはじめ、iPS細胞を用いた角膜上皮細胞や角膜内皮細胞開発について、実際の写真や映像(白く濁った角膜や、その角膜を切取る様子、細胞シートを眼の表面に貼り付ける様子など非常にリアルなものでした!)を用いてわかりやすく解説していただきました。

 

 

また、具体的な先進医療の治療費や課題、角膜内皮再生のビジネスとしての可能性、国際標準化の重要性、眼科研究に使われる理化学機器は日進月歩でモノづくり企業の参入余地が大きいこと、眼科で用いられておる顕微鏡関係はほとんどが海外製であることなども触れられ、参加されたモノづくり企業さんは、熱心にメモを取られていました。

 

毎回、再生医療分野のホットな話題が聞け、素人集団の事務局も随分と賢くなりました。平成24年度の「再生医療サポートビジネス懇話会」も残すところ、2月15日(金)に第6回が最終回です。次回は、大阪大学 産業科学研究所の谷口正輝 先生をお招きし、「ナノバイオデバイスの開発」についてのお話です。ガラスプレート上に微細加工を施し、1本のDNAから塩基配列(DNAを構成する4種類の物質の並び方)を分析するという夢のようなデバイス(装置)開発についての現状と課題、モノづくり企業への期待を語っていただけると思います。

 

 

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