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ペンギンファクトリー社長の折笠僚洋はその日、壇上で心持ち緊張しながら、自分の名前が呼ばれるのを待っていた。


■アワード受賞の意味
「2004年オープンソース・ビジネス・アワード」の授賞式は昨年の12月15日、東京都内のホテルで開かれた。壇上で受賞のオブジェをもらい、折笠は受賞挨拶の順番を待っていた。今回は 、ペンギンファクトリーのほか、長崎県、飲食店チェーンのモンテローザが受賞。名前を呼ばれる順番は折笠が一番最後だと聞かされていた。
長崎県の担当者が話を終わり、モンテローザの担当者が話を始める。後ろで待っている折笠の緊張はさすがに高まった。自分でも自分の耳が赤くなっているのがはっきり分かる。名前が呼ばれた。受賞の喜びを語り始め、自分たちの仕事に対する思いを話す。最後に「来年もオープンソースのソフト開発に取り組み、次回もオープンソース・ビジネス・アワードを受賞しに来ます」というと会場は沸いた。
「オープンソース・ビジネス・アワード」は、オープンソース・ビジネスの普及啓蒙を推進するNPO法人OSCARアライアンス(東京都千代田区、堀内英紀会長)が行うもの。2002年11月に創設され、今回が3回目。ビジネスにおいてオープンソースの活用を推進した企業や団体、個人の中で、その年に最も活躍した者を表彰する。9件あったノミネートから今回、ペンギンファクトリーを含む3者が選ばれた。この賞に輝くということは、オープンソース・ビジネスの最高峰に達することを意味している。



■オープンソース戦略
ペンギンファクトリーが受賞したのは、「ペンギンオフィス2」というソフト。このソフトは、グループウェアと呼ばれるソフトウエアで、組織などで使われる。スタッフの予定表のほか、伝言メモや回覧板、掲示板などの機能をインターネット上で共有できる仕組み。アワード受賞時までにおよそ2,000件、これまでに4,000件以上のダウンロード数を誇る。
同社は2001年、このソフトの原型となるソフト開発に着手。その後、バージョンアップを重ね、03年にオープンソースとして「ペンギンオフィス2」をリリースした。
オープンソースとは、プログラムの基本内容を公開したソフトのこと。プログラムが公開されているため、他のプログラマーがプログラムを改変することができる。基本ソフトの世界で有名なのが、リナックスだ。
オープンソースはソフト開発会社にとって両刃の剣となりうるものだ。ソースを公開することで社外のプログラマーがいい方向へ改変したり、ソフトの脆弱性を指摘してくれることがある。一方、ソフトの基本構造が分かるため、まねされて他のソフトへ勝手に利用されたり、商品としての価値を下げることにもなりかねない。
オープンソース化を決めたのは、自社商品として開発したものの、自社で販路を囲い込む戦略が採りにくかったことが1つ。もう1つは、技術力をアピールすることになるため、知名度の向上が狙えるということだった。折笠は「即決はしたものの、難しい判断。それでもアワードの受賞を含めてペンギンファクトリーの名前を知っていただくことにはつながった」と話す。


■ウリは「技術力」
自社の収益に直接貢献しなくても、あえてオープンソース化できた理由のもう1つに、同社が「いいものを作るということから軸足を動かさない」(折笠)があるという。
収益構造は、受託開発と自社商品の開発・販売の2本立て。受託開発ばかりだと、収益面での安定が見込めない。一方、自社商品は販路開拓が大きな課題になる。このバランスをいかに取るのかが折笠を悩ませる。実際、「ペンギンオフィス2」の開発には、同社の年商の数分の1をつぎ込んだ。
「ペンギンオフィス2」が“市民権”を獲得しつつある今、ペンギンファクトリーが最も力を入れるのが、「ブログ(blog)」と呼ばれるシステムを活用したホームページ作成だ。ブログは、プログラム言語を必要とせずにホームページ作成を可能にするもの。個人の日記をホームページ化するサービスなどに応用されている。
あるとき、折笠のメンターとなっている先輩起業家から作ってみて欲しいと打診があったことがきっかけだ。作るなかで企業のホームページにブログシステムを応用してみることを思いつく。製品や商品などの情報をリアルタイムで簡便に更新できるほか、社内にインターネットの専門知識を持った人間がいなくても自在にホームページを作成することができる。しかも、周辺には技術的に興味深い開発分野が多数転がっている。折笠は「ウチのウリはあくまで技術力。技術の見せ方の1つにブログを置く。すると、周辺の技術開発にも力をつけることができる」と力を込める。
「ブログもオープンソース化することを考えている。正直に言って(オープンソース化は)怖い。自分たちが作ったソフトなのに、人のモノになってしまう可能性がある。でも、いいものづくりをすれば、必ず突破口ができる。技術に重きを置くことで、事業拡大の起爆剤ができつつあるワケです」(同)。
今年初め、右腕となっていたスタッフが転職した。そのスタッフには、プロのプログラマーとして仕事にかける思いをぶつけてきた。「正直に言って、へこまなかったといえばウソになるが、転職後も頑張ってほしい。これからも人を育てつつ、色々な試行錯誤が続くんだと思いますよ」。(敬称略)



■Company Profile
■有限会社 ペンギンファクトリー
業種: IT(開発)
代表者: 折笠僚洋
電 話: 075-325-5590
FAX: 075-325-5599
所在地: 京都市下京区中堂寺粟田町93番地 京都リサーチパーク4号館4階
ホームページ: http://www.penguin.co.jp/
メールアドレス: info@penguin.ne.jp
事業内容: パッケージ製品・ASPサービス、ペンギン・オフィス(グループウェア)、 ペンギン・ブログ(ブログ、ポータルサイト構築)、 サーバーホスティング(専用レンタルサーバー)、Linuxベースのインターネット サーバーの設計と運用アウトソーシングサービス、システム設計・開発全般。 Linux、PHP、Perl、MySQL、PostgreSQLを利用したWebアプリケーションなどの インターフェイスデザイン、システム設計・開発、運営、保守などの全般業務。





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TEL:075-315-8342 Fax:075-322-5348
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