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2021/11/30

アンチエイジング研究の最前線 森下仁丹の挑戦~well-beingを目指して~ 終了

最新1116イベントサムネイル20211025.jpg2021年11月16日(火)に『アンチエイジング研究の最前線 森下仁丹の挑戦~well-beingを目指して~』がオンラインで開催されました。今回は研究を進めている技術、素材の可能性、アンチエイジング効果を中心とした成果の一端をご紹介します。本レポートでは、当日の様子の一部をご紹介させていただきます。


目次

・事業紹介 アンチエイジング研究の最前線森下仁丹の挑戦~Well-Beingを目指して
森下仁丹株式会社ヘルスケア研究 開発部 部長 川上 宏智 氏

・トークセッション&質疑応答


オープニングアンケート:森下仁丹と聞いて、どんな製品を開発されているイメージを抱きますか?
森下仁丹アンケート結果画像.png

結果は、ご参加の方の約7割が銀色の仁丹の粒の仁丹の印象が強いということ。やはり銀色の仁丹のイメージは強い一方で、のど飴やサプリメントの製品イメージも抱かれているという嬉しい結果となりました。

【事業紹介】 アンチエイジング研究の最前線森下仁丹の挑戦~Well-Beingを目指して


森下仁丹レポート画像.png

森下仁丹は1893年創業からの130年近く、長きにわたり、人々の健康、豊かな暮らしの一助になる製品を世に送り出すことを使命としてきた会社です。生薬の丸剤を抗菌性のある銀でコーティングした銀粒仁丹のイメージが強いかも知れませんが、近年流行りの腸内環境研究にもいち早く取り組んできました。また、生薬研究を発展させた天然素材の機能成分の研究も進めており、その成果が機能性表示食品として、さまざまなヒット商品に利用されています。

森下仁丹が取り組むカシスの研究について


森下仁丹レポート画像②.png

森下仁丹が今注目して研究を進めている素材のひとつに、カシスがあります。
カシスはアイケア以外にもメタボの予防や美容系の効果、脳機能やメンタルケアに関する論文も出てきているスーパーフードです。カシスの基本成分であるアントシアニンの構成は特徴的で、例えばブルーベリーは15種類で構成されているところ、カシスの場合は4種類だけで構成されています。さらにカシスには、ブルーベリーには含まれていないルチノシドというアントシアニンの割合が多くなっています。
このカシスのアントシアニンに関しては、きちんと体内に吸収されることが確認されている他、アンチエイジングに関するさまざまな研究成果が報告されています。森下仁丹でも現在、これらの作用に関して自社だけでなく、複数のアカデミアとも共同で、ヒト試験をはじめとした研究を進めています。

川上先生画像3.JPG

【トークセッション&質疑応答】

セミナー後半では、前職も含めバイオ・食品など幅広にラボの設置やレイアウト変更についてのご経験が豊富な川上さまと、研究場所をテーマとしたトークセッションを行いました。また、当日ご参加のみなさまからのご質問にもご回答いただきました。

Q:ご自身やお客様がラボの立地に関して気にされる事、また、バイオと食品でのラボの相違点など教えて下さい。

A:例えば封じ込めの施設がある等の場合、町中にはラボを作りにくいのかもしれません。ですが、立地が不便な場所だと実験の人手が足りないから応援に来てもらおうとなった時に人材を確保することが難しいこともあります。近年では市街地に立地する通販のコールセンターのように、やはり交通の便はラボであっても無視できないです。
また、例えばこれまで遺伝子実験に縁のなかった食品の事業者の方が、初めてPCRを導入して微生物の検査をした際に、PCR装置もサンプル調製台も電気泳動装置も同じ実験台にあって見事にコンタミしてしまったという例も見たことがあります。我々が常識だと思っていても(異分野から参入される場合など)初めての方は気づかないので、ラボの設計の時に専門の方の知恵をお借りすることが大事だなと思います。

Q:銀色の仁丹から既に何度もイノベーションが起きているかと思われますが、液体を包もうかと思われたのが最初かと思いました。その液体は何でしょうか?また、大きな変換点などありましたら教えて下さい。

A:液体を包んだ口中清涼剤の開発が発端であったと聞いています。変換点という意味では、銀粒の仁丹は、かつてタバコを吸った後で使っていただく利用者が多かったので、喫煙人口とともに利用者が減少傾向になりました。その代わりに、現在ではシームレスカプセル技術を活かしたプロバイオテクスなどの研究を盛んに行っています。

最後に

今回のセミナーを通して、森下仁丹さまが取り組んでこられた歴史・現在取り組んでいらっしゃる研究についてより深く知ることができ、ご紹介のあったカシスに関しての興味も深まった1時間でした。

KRPでは、今後も定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催していく予定です。次回もお楽しみに。

<今回ご登壇いただいた「森下仁丹」様のご紹介>

会社名:森下仁丹株式会社
森下仁丹株式会社は1893年の創業来、人々の健康や豊かな暮らしの一助となる製品をご提供して参りました。銀粒の「仁丹」、その製造から着想を得て、独自に開発し事業領域を拡大しつつある「シームレスカプセル技術」と、これまでの生薬研究の蓄積と独自技術の確立・育成を通して、幅広い領域で企業活動を行なっています。ヘルスケア事業分野においては、安心・安全は当然ながら、特長を持ち、「健康寿命の延伸」に貢献できる、お客さまに寄り添った製品やサービスを、グローバルに提供し「社会課題の解決」に向けて邁進し、更に社会から必要とされる存在となれますよう、力を尽くして参ります。
WEBページ: https://www.jintan.co.jp/

過去の関連セミナーレポートのご案内

KRPでは、定期的にライフサイエンス・ウェルネス系の企業・スタートアップやアカデミアの研究者を対象に、研究環境やアクセラレーションプログラムなどの情報を発信するセミナーを開催しています。

・2021年10月27日開催 ラボの安全管理のスペシャリストに聞くコロナ禍でもう一度見直す実験研究における安全管理
・2021年9月29日開催 健都イノベーションパーク進出企業によるトークセッション「みんなで考えてみよう!健都に出来る最新施設の楽しみ方」
・2021年8月31日開催 『京都大学と考えるスタートアップが成長するラボ』トークセッション
・2021年7月29日開催 『食とバイオのオープンイノベーション拠点大解剖』トークセッション
・2021年7月14日開催 『コロナテック最前線~研究者とスタートアップの緊急対談~』
・2021年6月23日開催 『「Beyond Next Ventures」と考えるバイオベンチャーのアクセラプログラム活用法』トークセッション
・2021年6月10日開催 『シェアリングエコノミーと実験機器の新しい流れ』トークセッション
・2021年5月13日開催 『研究者集団「リバネス」と考える新しいラボの在り方』セミナー

イベントレポート等はこちら⇒https://www.krp.co.jp/labplus/events/