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商品のパッケージや自動車部品、家電製品、そしてスポーツ用品など、
今や多くの工業製品にプラスティック素材が用いられています。
アルケマ株式会社は高品質のプラスティックを研究開発し、さまざまなメーカーの生産部門に提供する
フランスの企業。世界中のメーカーが工場を置き、技術開発が盛んなアジアを担当する拠点として
ここ京都に在日法人のテクニカルセンターが設立され、日々研究が重ねられています。 |
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| ■世界中のメーカーから注目されているアジア全域をカバー |
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フランスにトタルという石油の大手企業があります。グループ会社として設立されたのが、アルケマの前身であるエルフアトケム(本社フランス)でした。エルフアトケムは化学製品を取り扱う企業として実績を上げ、商品パッケージや自動車部品などの生産部門に高品質なプラスティックを提供してきました。1990年代に入ると、世界中の大手メーカーが生産工場を中国や東南アジアなどアジア諸国に置くようになり、アジアは世界の生産を支える一大拠点へと進化します。
日本では1994年に関西国際空港が開港し、日本とアジアを結ぶ航路はより拡充がはかられました。そのタイミングでエルフアトケムはアジア全域をカバーできるテクニカルセンターを開設。その場所として、ここKRPが選ばれました。「海外の顧客を対象とするビジネスで“京都ブランド”は大きな武器となりますし、開発中の素材の分析にKRP内の公的機関を利用できるメリットが大きかったんです」と、宮保淳所長。その後、社名をアトフィナに改め、さらにグループ再編により、「アルケマ株式会社京都テクニカルセンター」となった現在はKRP3号館にオフィスをかまえ、1階にオフィスと分析・試験をおこなうラボ、地下に試験用に成形加工をおこなう設備を備えています。 |
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| ■開発もプレゼンテーションも。ふたつの能力を兼ね備えたエンジニアたち |
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フランスに本社を置くアルケマは世界に6つのテクニカルセンターを有しています。そのうち4つはフランス、ひとつはアメリカ、そして京都です。京都テクニカルセンターがカバーする活動領域は広く、インドを含めたアジア全域と、オーストラリア・ニュージーランドにまで及びます。そして京都に所属するエンジニアは20名あまり。約半数は日本人ですが、フランス人、アメリカ人、シンガポール人、マレーシア人、中国人の6カ国のスタッフで構成されています。公用語は英語。まさに「グローバル企業」なのです。エンジニアといっても、黙々と研究に打ち込んでいるだけではなく、アジアに拠点を置くメーカーや工場などに赴いて、プラスティック素材の成形や、プラスティック部品を使った製造工程における技術的なアドバイスや新素材の提案を行うとともに、新しい用途開発も行います。 「メーカーに対しては材料の特性、組み立て工場に対しては組み立てやすさや不良率の低さ、部品工場には成形の特性や精度の高さなど、それぞれにアピールすべきポイントが違うんです。それを的確に説明するのは、やはりエンジニアが最適。アルケマでは技術の話とビジネスの話の両方ができる人材が求められています」と、ディベロップメントマネージャーのダミアン・ヴィトリさん。世界の製造を支えているアジアに対してアプローチしているのは、まさにサッカーで言うところの「ポリバレント」な能力を備えた少数精鋭の人材なのです。
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| ■高反発エラストマーを世に広めるスポーツ用品への挑戦 |
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さて、現在のアルケマの主力になっているのは、ポリアミド11やポリアミド12をベースとしたポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデンをベースとしたフッ素系の樹脂および機能性ポリオレフィン樹脂ですが、スポーツ分野では、耐久性に優れた高反発エラストマー「Pebax®(ぺバックス)」と、植物原料樹脂「Rilsan®(リルサン)」が注目されています。エラストマーとはゴムに代表されるように柔軟性の高い高分子化合物。「Pebax®」は反発性に優れており、気温が変わっても安定した柔軟性を保つという特性があります。開発された当初の80年代から、自動車部品のように大きな衝撃が加わるものや、過酷な温度環境で使用されるものに使われていましたが、最近ではシューズのソールやゴルフボールの内層、パターの打面、スキーブーツといったスポーツ用品に積極的に使われるようになっています。「スポーツの世界は用具のわずかな重さの違いが0.0何秒のパフォーマンスの違いとなって表れる非常にシビアな世界です。だからこそ常に軽さや反発性、安定性などの高性能が求められています」と、ディベロップメントマネージャーの下西祥幸さん。 また、これは特にシューズの分野で言えることですが、毎年春夏モデルと秋冬モデルが発表されるように、非常に短いサイクルでモデルチェンジがおこなわれているのもスポーツ用品業界の大きな特徴。アルケマはそこに常に新しい材料や新しい使い方を提案し続けています。今年にはスポーツ用品のデザイナーの要望を受けて「Pebax®」の透明化に成功。「Pebax® Clear」を発表し、より多様な色使い、デザインに対応できるようになりました。
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| ■アルケマの未来を担うPebax®のブランディング |
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「Pebax®」のスポーツ用品への活用はここ5〜6年でスポーツ用品分野が爆発的な伸びを示しています。現在、誰もが知っているようなそうそうたるメーカーがこぞって「Pebax®」を導入。その理由は高性能であるのはもちろん、自動車部品などのような隠れた部分に使われているのではなく、スニーカーのソールなど、一般消費者にも性能がわかりやすい部分に使用されているところにもあります。時にはディベロップメントマネージャーが自ら「Pebax®」を使ったシューズを履いて顧客に説明することも。今やスポーツ用品への応用は、アルケマにとってのコアテクノロジーとなりました。「PebaxR」は他の素材に比べて高性能であり、材料コストとしては高価になりますが多くの場合ハイエンドモデルに使用されるため、結果的に「Pebax®」のブランド力を強化しつつあるのです。
アルケマが目指すのは「Pebax®」の名前で商品を選んでもらうようになること。今後は各スポーツメーカーの商品にも「Pebax®」のタグをつけたり、パッケージにロゴを入れたりすることを計画しています。さらには大きなスポーツ大会のタイミングに合わせ、大手スポーツメーカーとタイアップしたキャンペーンも世界規模で展開しています。これによって大手スポーツメーカーが契約するトップアスリートの露出も可能になり、「Pebax®」ブランドの強化を大きく後押ししています。コンピュータ業界での「Intel®」や、アウトドアアパレル業界での「Gore-Tex®」のように、「Pebax®」の名前やロゴをいたるところで見る日も、そう遠くないでしょう。
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