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人工衛星が示してくれた、情報活用の未来。
株式会社 ARCS(アークス)(4号館)
京都の観光地では携帯電話で写真撮影をしている人たちの姿を見ることが当たり前のようになりました。
今や誰もが使いこなしている「写メール」と携帯電話のGPS機能を活用すれば、
さらに情報を活用できることに気付いた企業があります。
株式会社ARCSは、GPS携帯で撮影した写真などのデータをデータベース化し、
さまざまなスタイルで閲覧・活用できるシステム「プトレマイオス」を開発しました。


■歴史ロマンへの憧憬から人工衛星を使ったビジネスへ
 1990年、モンゴルにおいてチンギス・ハーンの墓を探そうという「ゴルバンゴル計画」というプロジェクトが始められました。通常の考古学研究は古文書の研究や、発掘調査を行う物理探査、そして遺物の年代測定などを行う理化学探査というものがありますが、このプロジェクトは人工衛星から調査を行う壮大な「宇宙考古学」。近年では考古学において人工衛星が多く用いられるようになり、陸上や飛行機からは見えないような地形の変化から、未発見の遺構が次々とみつかっています。また、社会情勢の事情により実地調査を行いにくい地域で調査できるということで、「宇宙考古学」は脚光を浴びています。「もともと考古学に興味がありましたが、このプロジェクトは宇宙から地球を眺めることで、歴史も俯瞰で見るというもの。そこにロマンを感じましたね。以来、いつか人工衛星を使った何かを始めたいと思うようになりました」と、語るのは代表取締役、山下 義弘さん。
  当初に取り組んだのはCSデジタル放送。「歴史チャンネル」を開設し、歴史をテーマにしたコンテンツの放送事業に着手。その中で、人工衛星を持つ企業、そして大手エレクトロニクス企業と提携して、プロ・アマ含めた考古学ファンのために「日本全国の遺跡」を画像データベース化しようとしたのですが、諸事情により叶いませんでした。それから数年後、人工衛星を使ったビジネスは思わぬところから復活します。


■IT、教育そしてGPS携帯電話を結びつけた新しいビジネスモデル
 今や携帯電話のほとんどにカメラが基本機能として搭載されています。携帯電話で写真を撮影し、メールの添付ファイルとしてパケット通信を行う、いわゆる「写メール」は、携帯電話を持つほとんどの人が経験していることでしょう。また、人工衛星を使って位置情報を送受信し、MAPなどに反映させるGPS(全地球測位システム)機能を搭載した「GPS携帯」も最近増えてきました。現在の携帯電話の位置特定方法は「基地局情報による測位」と「GPSによる測位」の2種類があります。これは携帯電話から110番や119番などへ緊急通報された場合、通報者の位置情報が警察や消防機関に自動的に通知されるというサービスに活用されています。総務省は緊急通報位置情報通知機能の導入にあたり、今後は原則的に精度の高い位置情報を割り出せるGPSの方を携帯電話に搭載することを義務づける方針を打ち出しました。近い将来、GPSは携帯電話の標準機能となることは間違いありません。山下さんは携帯電話の「パケット通信機能」「カメラ機能」「GPS機能」に着目し、ひとつのビジネスモデルを構築しました。
  2004年、財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)が、全国の学校がITを活用した教育を実践するための支援プロジェクト「E スクエア・アドバンス」を開始。これに参画した株式会社ARCSは、小学校を対象に、GPS携帯電話で撮影をおこなうと、自動的に写真と日時、位置情報がGISデータベースに登録・蓄積され、そのデータをウェブ上のマップなどで可視化できるシステムを利用したモデル授業を実施しました。「モデル授業を行った第一の目的は『子どもたちの想像力を育てる』こと。たとえば自然環境に関する体験学習を行うとします。従来の体験学習では情報を収集・選択・整理して伝えるという活動にとどまることが多いのですが、このように写真などの情報が登録されたマップを見ることで自然環境を考え、次にどのような活動をおこなえばいいのかを判断し、行動に移すという要素を加えることができると考えました。第二の目的は『使いやすさの検証』。小学生がストレスなく使いこなせるシステムなら、おそらく老若男女誰でも使えるサービス、そして生活環境の違いによる地域格差を克服できるサービスが実現すると考えたからです」と、山下さん。



■大学との共同研究を経て、いよいよ本格的なサービスへ
 GPS携帯で撮影した写真や日付、位置情報をデータベースに蓄積し、ウェブで活用できるシステムは「プトレマイオスシステム」と名付けられました。2005年からはより有効な活用を検証するため、立命館大学や明治大学との共同研究を開始。立命館大学では政策科学部とともにロケ地誘致を目的としたデータベースの構築を、明治大学では植生調査のためのデータベースの構築に取り組みました。「立命館大学では映像の企画や収録を行うプリプロダクション業務に先端テクノロジーが活用できるか検証しました。同じ場所でも時間帯によって景色が違う。そんな情報までを一覧できることで、ロケ地の選定が容易になると考えたからです。今、ロケ地の誘致は観光産業にも深く関わっていて、これもビジネスモデルとなりうる可能性を感じました。また、明治大学での植生調査では樹木に関する情報を募ることで、年月によって起こる変化を見ることができる。「プトレマイオス」は『商業』にも『学術研究』にも活用できるという汎用性が確認できたんです。」そして2007年、株式会社ARCSは、ついにプトレマイオスのコンシューマ向けサービスをパイロット事業として開始。従来のプトレマイオスにブログ機能を付加しました。これはお気に入りの場所や店舗、偶然見つけた面白スポットなどの情報をブログに投稿する感覚でデータベースに転送可能。携帯電話で情報閲覧ができるとともに、地図とも連動しているので、「現在地から半径500メートル以内のカフェを探す」という具体的な要望にもいとも簡単に対応します。また、地図やヘッダ、アイコンといったインターフェイスを自由にカスタマイズできる点も、ユーザの遊び心をくすぐります。「もともとはNTT DoCoMoのiアプリをベースに開発してきたんですが、現在開発中のものは全キャリア。全機種にも対応しています。今後は全携帯電話にGPS機能が標準搭載されることを考えれば、課金サービスや広告、地域コミュニティの構築など、さまざまな活用が可能になります。これまで『GPS携帯を使ったサービス』といっても反応が鈍かったんですが、今年に入ってかなりの方が興味を示すようになりました。やはり、簡単にデータベースを構築できて、しかもその情報を携行できるというところが、プトレマイオス最大の強みですね」。
photo1●上段:THE NEWYORK FESTIVALS 金メダル 下段:AMI銀賞
photo2●事務所内には国際的なコンペで受賞した各種賞状や盾が並ぶ



■Company Profile
■株式会社 ARCS (アークス)
業種: IT(コンテンツ制作)
代表者: 代表取締役 山下 義弘
電話: 075-315-8966
FAX: 075-315-8965
所在地: 京都市下京区中堂寺粟田町93 京都リサーチパーク4号館5F
ホームページ: http://arcs-web.co.jp/
メールアドレス:fujisaki.arcs@netaid.or.jp
創業: 1999年6月
設立: 1999年7月
従業員数: 3名
事業内容: 企業活動における中長期的な事業構想の策定やトレンド等に左右されない普遍的な価値を扱った事業の立案など、構想から具体的な施策および表現(コンテンツ)開発に至るまで、創造的な企画・制作ワークを提供
■映像を中核としたコンテンツ開発事業(映像/ゲーム/放送/音楽/WEB)
■企画・マーケティング業務全般
■事業計画企画業務
■文化イベント企画
■研究開発業務





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京都リサーチパーク(株) 営業開発部
TEL:075-315-8342 Fax:075-322-5348
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