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「Tagged World Project」を機に、ユビキタス技術を次々と開発!!
株式会社 ゴビ(1号館)
KRPとほぼ歴史をともにし、今年で設立20周年を迎えた(株)ゴビ。
産学公連携プロジェクトにより研究・開発したのは、本格的ユビキタス時代の到来を予感させる、電子タグを利用した新技術。
人間の行動を推測し、最適なサービスを提供する「Tagged World Project」は、「社会に貢献する技術・サービス・ものづくり」というゴビの理念を象徴する取り組みとして、注目を浴びています。


■会社の基盤を固めていった黎明期。
代表取締役 島田 幸廣さん

  ゴビが誕生したのは、1989年5月。それはKRP(京都リサーチパーク)地区のオープンより、半年近く前のことでした。ロゴの「GOV」はGlobal、Original、Vividの頭文字をとったもの。そこには「グローバルな視野に立ち、独創的かつ斬新な技術で社会に貢献する」という企業理念が込められています。KRP地区のオープン後、関連企業と2社合同で1号館に入居し、技術社員第1号だった島田幸廣社長と事務スタッフのふたりだけで事業を展開していました。当時はPC9801全盛期の時代。ゴビは大手企業を対象にコンピュータシステム導入の提案を行ったり、まだ日本で普及していなかった光学ドライブなどのデバイスドライバを開発したりするのが、主な業務内容でした。そしてバブルが崩壊し、オフィススペースを共有していた会社が解散することとなり、ASTEM棟に移転。そののち、ほとんどの企業が積極的にコンピュータを導入する時代を迎えます。それと同時にシステム提案やコンピュータ販売を行うとともに、ソフトウェアの受託開発の需要も高まり、ゴビにもより多くの開発者が必要となりました。年々開発者が増え、98年、かつて入居していたKRP1号館に戻り、会社の基盤がこのころに固まりました。



■お酒の席で生まれた「Tagged World Project」の構想。
株式会社 ゴビ  システムの開発・コンピュータ関連機器の販売の仕事も軌道に乗った2004年、ゴビに大きな変化が訪れます。それはお酒の席での出来事でした。もともと大学の研究室仲間だった島田社長と立命館大学の島川博光教授が、久々に会い、一緒にお酒を飲むことになりました。その時、「マンションのエレベーターを待つのは面倒。呼び出しをしなくてもあらかじめ待っていてくれたらいいんだけど…」という話が浮上。普通ならよもやま話で終わるところですが、そこは研究をともにしていた仲間同士。話はセンサーを使って生活支援を行う「スマートスペース」の話に及びました。  
  しかし、充分な生活支援を行うためには空間内に多くのセンサーを設置しなければならず、コストがかなりかかります。センサーの代わりにカメラを利用すれば、プライバシーの問題が生じます。そこでたどり着いたのが、電子タグを利用した感知システム。空間や、空間内の物体に低コストの電子タグを取り付けるという発想でした。電子タグそのものは1枚数十円と、非常に安価。それまでのシステムとは逆に、空間に電子タグを埋め込み、人間が電子タグを読み取る装置を身につけることで、その人の動きをモニタリングするという仕組みです。島田社長と島川教授はこのプロジェクトを「Tagged World Project」と名付けました。電子タグを貼り巡らせた空間「Tagged World」の中で電子タグ読み取り装置を備えた「ポケット・アシスタント(電子執事)」を身につけた人間が行動すると、その行動に応じた電子タグが検出され、その検出履歴から行動パターンを発見します。さらに日常の行動パターンを蓄積することによって、その人の次の行動を推測し、先行的にサービスを提供します。例えば、外出しようとすると、戸締まりや火の元の注意を促したり、忘れ物を早い段階で指摘したりすることも可能。あるいは体の不調を推測して、外部に連絡を取るという使い方もできます。やがて「Tagged World Project」は、IPA (独立行政法人情報処理推進機構)の次世代ソフトウェア開発事業に採択され、産学公合同のプロジェクトとして始動。システムの設計やサービスの提案をゴビと株式会社オクトパス、研究の実行は立命館大学、学習機能の開発はゴビと立命館大学が共同で実施。株式会社内田洋行は家具や部屋にICタグを埋め込んだ製品の開発に取り組んでいます。
  誰もが等しくサービスを享受できる「ユビキタス」という概念がありますが、現状ではいまだ「IT機器を使いこなせる人がサービスを受けられる」という段階です。この「ポケット・アシスタント」が普及すれば、「誰もがコンピュータなどを特別に意識しなくてもサービスを共有できる社会」が、実現へ向けて大きく前進します。特に老人ホームや、高齢者住宅などの安全を考えれば、このプロジェクトは非常に有意義なものと言えるでしょう。介護の現場などにおいて、今ある技術のほとんどは心拍数などを遠隔でモニタリングして、異常があれば感知するという事後対応のものです。しかし、この技術では例えばお年寄りの動きの小さな変化からベッドから起き上がろうとしていることを推測して知らせるなどして、事前に対応することを可能とします。この取り組みは京都府の「環境産業等産学公研究開発支援事業」に採択され、「高齢者の生活意欲推定のための運動量収集に関する実証実験」として実施しました。


■展示会で研究・開発の成果を次々と発表し、注目を浴びる。
株式会社 ゴビ  「Tagged World Project」は05年、06年とWORLD PC EXPOで展示されました。ここでは朝の外出前の行動を擬似的に再現し、「Tagged World Project」の先回りサービスを実演。大手メーカー以外では、唯一公式サイトの速報ニュースに取り上げられ、その他のネットニュースでも話題になりました。  
  07年にはKRPの入居企業である京都試作センター株式会社の協力のもと、「ポケット・アシスタント」の機能の一部を手甲型電子タグリーダライタとして開発。アジア最大の電子機器展CEATEC JAPAN 2007では、さっそくこの手甲型電子タグリーダライタを用いたデモを実施。「外出時の忘れ物検知」に加えて、壁に埋め込まれた電子タグを読み取ることによって最適な避難経路を指示する「災害時の避難誘導」、手甲電子タグリーダライタをかざすことで機器を操作する「機器制御」を披露しました。さらには仮想空間「セカンドライフ」内にも会場と同じブースを構築し、仮想と現実の機器が連動するデモも行いました。  
  さらに昨年のCEATEC JAPAN 2008では「Tagged World」を応用し、機器の作業手順の誤りを指摘する「電子タグによる作業支援システム」も発表。これはエネルギー会社で正式採用されました。また、仮想空間と現実の機器との連動を応用した遠隔会議システムのデモも実施。カメラの映像をやりとりする遠隔会議システムが多い中、セカンドライフのような仮想空間を利用しながら資料の提供・共有も可能にしたこのシステムはテレビニュースや新聞でも話題になりました。  


株式会社 ゴビ

   ゴビはほかにも日本各地の気象情報をリアルタイムにモニタリングできる教育用システム「インターネット百葉箱」や、福祉施設や公共施設検索できる「京都市福祉総合MAP」などを開発。「社会貢献できる企業でありたいのはもちろんですが、IT企業として、社会の役に立つ技術・サービス・ものづくりを意識し続けたい」と、島田社長。社名に込められた創業時からの理念は、この20年にわたって受け継がれ、「Tagged World Project」を機にいろいろな形で花開き始めました。

Q.20年後(株)ゴビはどんな風になっているでしょう?
A.私はこの会社にはいないかもしれませんが・・(笑)きっと電子タグはもっと世の中に浸透しているでしょう。
Tagged  Worldになっているかもしれませんし、電子タグを超えるものができているかもしれません。変化の激しい業界ですのでどのようなものに関わっているかは想像もつきませんが、利益を追求するだけでなく、社会の役に立つことを大前提にものづくりをしている会社であってほしいですね。


■Company Profile
■株式会社 ゴビ
業種: IT(開発)
代表者: 代表取締役 島田 幸廣
電話: 075-315-3621
FAX: 075-315-3653
所在地: 京都市下京区中堂寺南町134 京都リサーチパーク1号館3階
ホームページ: http://www.go-v.co.jp
設立: 1989年5月
事業内容: ■「観光」「教育・福祉」「エンターテインメント」およびこれらを融合した分野の情報システム、ウェブサイトの構築
■人間の生活を支援するユビキタスシステムの研究開発
■電子タグ、携帯電話等を活用したコンテキストアウェアなアプリケーションの開発
■インターネット技術およびデータベースを中核としたビジネスシステムの開発
■コンピュータおよび関連機器、パッケージソフトウェアの販売


KRP PRESSの記事に関するお問合せは
京都リサーチパーク(株) 営業開発部
TEL:075-315-8342 Fax:075-322-5348
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