中小企業を元気にさせたい…それは、日本の産業界の願いです。特にベンチャースピリットあふれる企業をこれまで数多く輩出してきた京都から、それに続く企業を生み出すことは、産業界の発展に大きく関わると言えるでしょう。
そんな思いをなんとか実現しようと、およそ10年前に「京都機械金属中小企業青年連絡会」の中に勉強会が発足しました。さらに「サポートインダストリーネットワーク研究会」に発展し、モノづくりに関わる京都の中小企業を支援するための積極的な意見が交わされ続けてきました。しかし、単なる勉強会・研究会では、なかなか具体的な仕組みができませんでした。そこで2001年、京都の優良企業10社が協力し、「京都試作ネット」が発足したのです。これは試作品製作をサポートするプラットフォームや、さまざまな悩みに相談するソリューション・コンソーシアムなどを整備した組織で、試作ビジネスに貢献する素地がここで固まったと言えます。この「京都試作ネット」をモデルとして、本格的な事業化を目指し、地域貢献型社会的企業を設立しようという気運が高まりました。そして2006年、オムロン株式会社や京セラ株式会社、株式会社島津製作所をはじめとする、京都・関西の大手企業27社が出資し、「京都試作センター株式会社」が発足することになったのです。「設立前のフォーラムは大変な熱気で、立ち見もでたぐらいでした。だからこそ、この期待に応えたいと設立に奔走したわけです。しかし、行政の支援をとりつけたり、会社法と照らし合わせての調整など、さまざまな難関がありました。結果的には新会社法の施行によって、複数の会社で2億円以上共同出資するという企業の設立が可能になったわけですが、このような形態の企業を短期間に立ち上げる事は、かつてなかったので、苦労しましたね…」と、当時を振り返る増田 清 社長。事務所を京都リサーチパーク内に構えましたが、予算を節約するため、増田さん自らがより安い備品の購入に奔走したり、かつてコンピュータや制御機器の研究開発に携わってきた腕を活かしてネットワークや電話などの配線工事を施したりしました。 |