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HOP STEP JOB
バリア事情を現地で徹底検証!障害を持つ方々の可能性を広げる情報を提供
アイ・コラボレーション ドリーム・シップ(4号館)
ドリーム・シップの代表・山本英嗣さんは、
IT技術や建築の知識を活かし、そして自ら障害を持つ人間であるという視点から
京都観光バリア情報を発信する「ばりかん!京都」の制作に携わっています。
この仕事を通じて見えてきたもの、それは障害を持つ方々への就労支援や、
より本格的なバリアフリーの実現でした。


■サイバースペースにバリアはない!孤軍奮闘の船出

 大阪建設専門学校を卒業後、建築事務所に勤め始めて間もない頃、山本英嗣さんはバイク事故で脊髄損傷の大怪我を負い、車椅子での生活を送るようになりました。そして福祉用具販売の営業をする中で、障害者で運営する情報共同作業所アイ・コラボレーションに出会いました。
  その頃、障害者の方々の自立を促す分野として注目されたのがIT。アイ・コラボレーションはWEBコンテンツの制作やDTP、映像製作などのサービスを提供するようになり、山本さんはその仕事に携わりながらIT関連の技術を磨いていったのです。やがて、「もっと幅広くたくさんの人たちと仕事をしたい」と思うようになった山本さんは、2006年4月、もうひとりのメンバーを誘ってKRP内にアイ・コラボレーション初の事業所を設立。名前は当時見た船の夢にちなんで「ドリーム・シップ」としました。
 ところが、ドリーム・シップを設立してすぐにビジネスパートナーが独立のため退職してしまいます。「ビジネスパートナーがシステム専門のエンジニアだったんです。私はそれまで8bitパソコンのプログラムをやっていた程度でしたが、すでに受注してしまっている仕事があったので、必死で勉強しながらひとりで仕事を進めましたよ」と、山本さんは当時を振り返ります。そんな努力の甲斐あってか、ドリーム・シップは企業や行政、各種団体からの依頼によるホームページ作成や印刷物の制作、データベース構築などの実績をどんどん増やしていきました。



■蓄積してきたバリア情報を形にした「ばりかん!京都」
 自ら障害を持ち、車椅子で生活していること、そして、昔から京都の建築に関心があったことから、山本さんは個人的にバリアフリー情報を集めて、同じ障害を持つ友人たちと共有していました。「本やホームページなどでバリアフリーと明記されていないところでも、実際に行けばバリアフリーだったりすることがあるんです。たとえ段差があっても、実際にトライすると通ることができたり、係の人が手伝ってくれたりして、バリアフリー施設ではなくても行けるところはたくさんあります。現地で蓄積した情報をなんとかすべて発信したいと考えていたんです」。そんな時、山本さんはその思いを、社団法人全国脊髄損傷者連合会京都支部長の家村安雄さんに相談します。家村さんは、山本さんが車椅子生活になったときに、明るく励まし、外に連れ出してくれた恩人。偶然にも家村さんも以前からその取り組みをしたいと考えていたことがわかり、(社)全国脊髄損傷者連合会京都支部(現在、山本さんは副支部長)が主となって、バリア情報を発信するホームページを制作することになりました。ようやくドリーム・シップのこれまでの実績、山本さん個人が蓄積してきたバリア情報と個人ネットワークが活かせる時が来ました。そして昨年の11月に立ち上げられたホームページが「ばりかん!京都」です。
  「ばりかん!京都」は車椅子を利用する人の京都観光を支援することを目的として制作されていて、神社仏閣の拝観や文化施設の利用、飲食店情報や宿泊情報、アクセス情報など多彩な情報が掲載されています。モバイル版もリリースされているので、移動先から携帯電話で見ることも可能。掲載されている情報はすべて調査担当者が実際に現地に赴き、確認したものです。WEBデータベースシステムを採用することで、調査員が調査するごとに集まり入力するということがなくなり、ホームページを閲覧できる環境であれば、調査したその日に本人が自宅から更新・管理できるようになっているのが大きな特徴です。
「現在、調査担当者は京都市内に3人、京都北部、南丹、山城に各1人ずつ。いろんな人を巻き込んで京都全域を一斉調査してるんです。今までかなりの数の施設を調査してきたものですから、もう車椅子のタイヤがすごく傷んでしまって…」と山本さん。でも、傷だらけの車椅子を誇らしげに見せるその笑顔は充実感に満ちていました。



■目指すのは よりよい環境づくり
 「ばりかん!京都」の反響は予想以上に大きいものでした。新聞やテレビで取り上げられたほか、東山区における3K(観光・交通・環境)の課題解決に向け顕著な功績のあった団体・個人を称える東山3K大賞の奨励賞を受賞したのです。観光介護タクシー「つどいネットワーク」と「京都バリア体験」というイベントの実施をはじめ、取り組みはどんどん広がっていきます。「今のところは私たちの社会がバリアフリーになっていないから車椅子の施設利用者が少ないのか、車椅子の施設利用者が少ないからバリアフリー化が進まないのかわかりません。でも、私たちが提供するバリア情報を見て車椅子の人がより多く京都に来てくれるようになることで、バリアフリーについて考えてくれる人たちが増えていけばいいなと思っています。また、現地調査をやっていて気づいたことなんですが、いくら施設がバリアフリーになっていても、スロープ前に自転車が置かれていたり、障害者用の駐車スペースに一般の車が停められていたりと、モラルの低さも痛烈に感じました。これを解消するためにも、車椅子の私たちも同じ町で生活していることを、もっと知っていただきたいですね」。そんな思いを形にしようと、プライベートでは9月に車椅子バスケットボールの大会を企画。より多くの参加者を募るために1チームあたり3人のメンバーがいればエントリー可能な「3on3」にし、会場も京都市庁舎前広場など、あえて多くの人の目に触れる場所を選びました。そして、仕事では「ばりかん!滋賀」の制作が決定。こちらは観光情報だけでなく、車椅子でもできるバス釣りの場所やアウトドア情報も発信する予定です。これらの取り組みはWEBコンテンツの制作やDTP、映像製作などのサービスといった通常業務と並行しています。山本さんは「自分がふたり欲しいぐらい」と多忙を語りながらも、同じく障害を持つ方々が活躍する場所の拡大とよりよい社会づくりのために力を注ぎ続けています。


■Company Profile
■アイ・コラボレーション ドリーム・シップ
業種: IT(コンテンツ制作)
代表者: 代表 山本 英嗣
電話: 075-323-9448
FAX: 075-323-9448
所在地: 京都市下京区中堂寺粟田町93 京都リサーチパーク4号館5F
ホームページ: http://www.dream-ship.com/
設立: 2006年4月
事業内容: ITコンテンツ製作や開発、映像製作関連のサービスを提供。
自主事業として障害を持つ当事者の視点から見た福祉情報の発信も行う。
 
「3on3」についてはこちらをご覧ください。 http://www.k33c.com/


KRP PRESSの記事に関するお問合せは
京都リサーチパーク(株) 営業開発部
TEL:075-315-8342 Fax:075-322-5348
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