NASAの教育プログラムのひとつである「ARISS SCHOOL CONTACT」。これは、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士と無線で交信することにより、子どもたちにアマチュア無線の楽しさと、宇宙開発や通信技術、環境への興味をかきたてる貴重な経験をしてもらうというものです。京都で初めて実施するきっかけとなったのは、2006年、健やかな子どもたちの未来のために活動する「NPO法人子どもサポートプロジェクト」(以下“子サポ”)の法人設立お披露目会でした。会場で一言ずつコメントを贈った来賓者のひとりが「関西ARISSプロジェクトチーム」(以下“関西ARISS”)の藤川昌浩さんだったのです。以来、藤川さんと子サポの福竹康志理事長((有)京都情報化支援事務所 所長)が友人ということもあり、“子サポ”と“関西ARISS”の間で「ARISS SCHOOL CONTACT」を京都で実施しようという機運が急速に高まりました。「子どもたちに、一生に一度あるかないかの大きな思い出づくりをしてほしいというのが第一の目的。さらにはこれをきっかけに科学技術や地球環境に興味を持ってもらい、将来の仕事選びに役立ててほしいと思ったんです」と、福竹さん。しかし、その思いとは裏腹にスケジューリングは困難を極め、昨年12月には実施がほぼ絶望的という状態に陥ったのでした。
それでも懸命にNASAとかけあっていたところ、さまざまな状況が後押しとなって実施が決定。晴れて宇宙飛行士と交信することになった七条中学校の生徒18人と、桂坂小学校の児童2人。事前準備として、休日を返上して4回の特別授業を受け、アマチュア無線や電波の勉強、英語の練習も積みました。
交信できる時間はISSが京都上空を飛ぶわずか10分のみ。その間に子どもたちが交代で20もの質問をするのです。当日もずいぶん早くから、時間を測りながらの入念なリハーサルが何度もおこなわれました。「なんとか最後の子どもまで順番が回ってほしい。ハラハラドキドキしながらお母さんのような気持ちで見守っています」と語ったのは子サポの西本好江副理事長。
そして、緊張の本番。何度呼びかけてもISSから応答はありません。交信可能な残り時間はどんどん少なくなっていきます。会場が不安に包まれたその時、ようやくISSのレイズマン飛行士から返事が返ってきました。次はいよいよ子どもたちが英語で質問する番です。「どうして太陽があるのに宇宙は暗いの?」などの質問にレイズマン飛行士はユーモアを交えながら次々と回答していきます。そして最後の質問者は小学校1年生の男の子。「宇宙食では何が好き?」という質問に「日本でつくられた白米とポークカレーがとても美味しいから好き」という答えが返ってきました。この交信により国内でおこなわれた「ARISS SCHOOL CONTACT」参加の最年少記録が塗り変えられたとともに、全員の質問が見事に成功しました。
子どもたちだけでなく、保護者の方やスタッフの方のなかにも感極まって涙を流す姿が見受けられました。
交信終了後、子どもたちは「こんな機会をつくってくれた人たちに感謝します」、「今日、初めて外国人と話した」、「めっちゃ感動した!」など、興奮を隠しきれない様子。
おそらく一生に一度しかできない素晴らしい体験。それは多くの団体、多くの人々がひとつの目標に向かって多大な努力と情熱を注いだ結果、ようやく実現したものでした。きっとその強い思いは子どもたちに届き、これからの未来へ大きな希望を持ってくれることでしょう。 |
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子サポの福竹さん(左)と
関西ARISSの藤川さん(右)
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ASTEM棟屋上に
取り付けられた
特別なアンテナ |
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| ■ARISS SCHOOL CONTACT in KYOTO |
| 主催 |
: |
NPO法人子どもサポートプロジェクト |
| 後援 |
: |
京都市教育委員会、京都リサーチパーク(株)、(財)京都高度技術研究所、
関西ARISSプロジェクトチーム |
| 協賛 |
: |
大阪ガス(株)、(株)村田製作所、マルホ(株) |
| 協力 |
: |
京都市立七条中学校、
京都市立伏見工業高校、
(株)キョウエイビデオ |
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