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KRP PRESS
100号特別取材 スキューズ株式会社
技術者から経営者へ。「請ける」企業から「創る」企業へ。脱皮を繰り返しながら成熟する。

KRP PRESS vol.87「プロジェクトK」で以前ご紹介した、FA(ファクトリー・オートメーション)事業で培った技術を応用し、空気圧アクチュエータで駆動するロボットハンドの開発…。その挑戦から5年、スキューズ株式会社はKRPを飛び出し、二条城のお膝元と東京丸の内に事業所を構える企業へと成長しました。そして、久々にお会いした清水三希夫代表取締役にも変化が!!今回は、「KRPで土台を築いたスキューズの今」をご紹介します。


KRPから新しい環境を求めて…
 スキューズ株式会社は1997年に個人で自宅の1室で創業してから、2002年にKRPで法人設立。その後、FA事業を通じてさまざまな企業のものづくりを支えてきました。もともと技術者だった清水三希夫さんは、社長とはいうものの、自らシステムの設計などに携わるいわば「プレイングマネージャー」。確かな技術力はもちろん、そのフットワークの良さや明るい人柄もあって仕事の受注はみるみる増えました。多忙な日々の癒しは、KRPの喫煙所で、入居者仲間と雑談すること。「KRPには多彩な会社が集積していて、他のオフィスビルなどでは聞けないような情報を聞くこともできました。喫煙所はそんな情報交換を自然に行えるコミュニティスペースみたいなものだったんです。また、仕事が立て込んでいるために厳しい顔をして歩いていると、後ろから入居仲間がポンと背中を叩いて励ましてくれたのも、いい思い出です」と、清水さんは当時のことを振り返ります。
  そして法人設立と同時に、清水さんはFA事業で培った技術をベースに、空気圧アクチュエータを活用したロボットハンドの開発に着手し、ベンチャー企業としての道を歩むことになりました。腕の筋肉の微弱な電気信号で動き、軽くて安全、
小さな積木を積み上げるロボットハンド
しかも人間の腕に限りなく近い質感のロボットハンドは2005年には「ものを握る」動作ができるところまで実現、義手の手先としての可能性をより確かなものとしました。その手応えを感じた清水さんは新たな環境の必要性を感じ始めます。「KRPではスペースの都合でオフィスと製作の現場を離れた場所に置いていたため、社員の顔を見ながら仕事ができなかったんです。しかも、仕事量が増え、もっと人とスペースが必要になりました」と、清水さん。そう考え始めたタイミングに二条城近くの好物件を発見!! 運命のようなものを感じた清水さんは、2006年1月、KRPから新しい環境へ移りました。


プレイングマネージャーの卒業
 「KRPから今の社屋に移った時は、親元から離れて一人暮らしを始めたみたいな感覚になりましたよ(笑)。京都の古い町という立地もあって、ご近所とのおつき合いも大切にしなければならない。すごく新鮮な感覚でしたね」。そんな環境の変化が清水さんの心にも少なからず影響を与え始めます。これまでは「不夜城」のような現場に自ら立って一心不乱に社員を引っ張ってきました。KRPに入居していた時の会社の規模ならそれほど違和感は感じませんでした。しかし「スキューズは清水の会社なのか?」という疑問が清水さんの頭をよぎります。「『大きい川には大きい鮎が育つ』と言うでしょ?せっかく新しい環境に移ったのなら、それにふさわしいオペレーションがあるはず。『個人オペレーションから組織オペレーションに転換しなければ』『何もかも自分でやるのではなく、任せる勇気を持とう』と考えるようになったんです」と、清水さん。
  新天地で清水さんが最初に取り組んだのは「環境づくり」。まずはボリュームが増え続けるFA事業に対応するためのエンジニアを採用しました。そして昨年の求人では150人以上もの応募があり、筆記試験や面接などを経て、10人近い理想的な人材を厳選しました。今年も新卒者8名の内定が決まっており、うち2名は院生だといいます。「創業期に人材探しの機会すら枯渇し、大変な思いを経験したので、『必要な時に必要な人が現れるような行動をする』ことが僕のモットーなんです。面接でもスキューズという会社や、この業界の良さ、そしてそれらにかける思いを直接しゃべりました。
vol.87(2005.9)「プロジェクトK」
vol.81(2004.9)「企業が語るKRP」
思った以上に良い人材をたくさん採用できたので、こちらが熱意をしっかり伝えることの大切さを改めて実感しましたね」。続いて新卒者をはじめとした新人をマネジメントする人材が必要となっても、適材と出会い、スキューズに招くことができました。さらには経営陣の強化にも着手するまでになっています。「次の目標である『50人以上の会社』をしっかりオペレーションするためには、一般社員の上にマネージャーがいて実務グループをオペレーションし、さらにその上に経営陣を置いて事業オペレーションをするのが理想的(スキューズ流)だと思うんです」月1回は必ず役員会を実施することを取り決め、さまざまな議題について議論する機会をつくりました。取締役会をすることの意味を実感し、「会社」の仕組みというものは本当によくできていると思うことも多いそうです。こうしてスキューズは100人規模でも対応できるであろう会社組織としての素地を整えることができました。

スキューズという「組織」の挑戦
 組織の骨格とアウトラインができれば、次は「教育」です。現場を離れた清水さんは「自ら考え、責任を持って行動する」ことを常に社員に対して意識するようになります。「仕事がないのは清水の責任。仕事をこなせないのは全員の責任。自分で指示を出しても利益が出るかもしれませんが、それではいつか越えられないカベに当たります。今まで自分でやってきたことを人に任せるのには勇気がいりますが、最近では最初から最後まで自分が関与していない仕事が完遂するようになりました。『いよいよ教育の成果が出始めた!!』と思い、感動しましたね」。
  組織としてのスキューズは、現在FA事業とロボット事業の2本を柱にしています。それが全国レベルで見ればどれぐらいの実力なのか? これからどれだけのことができるのか? いわゆるマーケットを見極めるため、今年の夏、東京に事業所を設けました。「これは1年間という期限を決めてのチャレンジなんです。だから中途半端はダメだと思い、ものづくりのメッカである丸の内に事業所を構えることに決めました。入居している新丸の内ビルはベンチャーを支援する施設なんですが、メンターと会って話をできる機会を設けてくれる。もちろんそれを活かすも殺すもこちら次第なんですが、何かのきっかけにしたいと思っています。KRPでの経験が生きますね。もう、1年のチャレンジの半分が過ぎているので、これから3カ月は東京に詰めて、さらにマーケットを見極めて、今後のスキューズの方向性を模索するつもりです。」現場のことはもう大丈夫…清水さんの表情からはそんな強い気持ちが読み取れました。
  一方、清水さんはスキューズのマネジメントと並行して、本も執筆。清水さんの経営理念をまとめた『シーケンシャル・マネージメント』(幻冬舎)が9月28日に出版されました。ここにはプレイングマネージャーから経営者に専念するようになったプロセスで得た、さまざまな知恵が「58の決断」として書かれています。「社長本を書くつもりはまったくありませんでした。むしろ、自分の芯をブラしたくないために書き残したといった感じですね。
『58の決断』とありますが、僕にとっては『58の宣言』でもあるわけです。実際、執筆する過程で自分の考えが整理できてクリアになったので、本当に書いて良かったです」。
  現在、スキューズの社員はエンジニアだけでなく事務に従事する人も含め、全員がネーム入りの作業服を着て仕事をしています。それは強いチームワークの証。中には作業服を着たまま東京と京都を往復する社員もいるそうです。そんな微笑ましいエピソードからも「スキューズというチームを自分たちで創っているんだ」という社員たちの誇りと自信が感じられます。




■Company Profile
■スキューズ株式会社
業種: 設計・開発・製造 エンジニアリング
代表者: 代表取締役 清水 三希夫
電話: 075-812-0101
FAX: 075-812-0188
所在地: ■京都本社
〒604-8381 京都市中京区西ノ京職司町67-21
■R&Dセンター
〒610-0332 京都府京田辺市興戸地蔵谷1
同志社大学連携型起業家育成施設(D-egg)311号室
■東京事業所(2007年5月開設) 
〒100-6510 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10F 日本創生ビレッジ オフィス9
TEL. 03-3287-7350 FAX. 03-3287-7347
■福岡事業所(2007年6月開設)
〒813-0017 福岡市東区香椎照葉3-2-1 シーマークビル 福岡ビジネス創造センター 212号室
TEL. 092-672-8919 FAX. 092-672-8919
ホームページ: http://www.squse.co.jp/
創業: 1997年10月(法人設立2002年4月)
従業員数: 30人
事業内容: 【FA事業】
■システム設計、電機設計(CAD、CAM)、制御系ソフト設計(シーケンサPLC、C言語、VB、BASIC)
■ソフトウェアの開発、設計機械組立調整、現地調整業

【ロボット事業】
■システム開発、アクチュエータ設計、開発、製造


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京都リサーチパーク(株) 営業開発部
TEL:075-315-8342 Fax:075-322-5348
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