おなまえ タイトル コメント> 日時 / 平成26年6月6日(水)16時〜19時 > 場所 / 京都リサーチパーク1号館4階サイエンスホール > 講師 / 中村 真人 教授(富山大学大学院 工学部 生命工学科 生体医工学分野) > 講演 / バイオプリンティングのあゆみから学ぶ:工学技術による再生医療のブレークスルー > > > 今回の懇話会は、私にとって驚きと感動の3時間でした。 > > ■何が驚きだったのか? > 1.講師の中村先生が、医学部を卒業されて小児科の臨床医を10年ほど勤められた後、工学部生体医工学分野の研究者(研究医)になられたこと > 2.普段何気なく使っているインクジェットプリンターが、今後の再生医療の実用化を加速するための重要な武器になること > > > ■何に感動したのか? > 1.中村先生がバイオプリンティングの研究に進まれた動機が、重篤な心臓病の子供たちを出来るだけ多く救いたいという小児科医としての想いからであること > 2.インクの代わりに生きた細胞を、2次元、3次元で位置決めしながら積層印刷できるプリンターを自ら試作されていること > 3.インクジェットプリンターのノズルヘッドから、細胞が入ったアルギン酸Na溶液の液滴を、塩化カルシウム溶液の中に着弾させ、それと同時にゲル化させることにより、生きた細胞を生きたままで自在に3次元積層できる技術を開発されたこと > > 中村先生は、お話の前段部分で、「医療は医工学(新医療機器と新薬)により革新されてきた」ということを強調されました。 > > 例えば新医療機器では、CTスキャン ⇒ 超音波検査 ⇒ MRIスキャンの出現であり、新薬では、抗生物質 ⇒ 抗がん剤 ⇒ 抗ウィルス薬の出現であります。 > > 先生は、手術しても治らない重篤な心臓病の子供を診るにつれ、ドナーの絶対的な不足と莫大な費用がかかる臓器移植に頼らざるを得ない医療現場の現状に強い危機感を抱かれ、自ら医工学の力を利用して臓器を作る道に進まれました。 > > > そして先ず人工心臓の研究に取り組まれましたが、人工心臓は耐久性に問題があるのに加え、日々成長する子供に使うとなると、子供の成長に合わせて人工心臓もリニューアルが必要となるという重い課題に直面しました。 > > さてどうしたらいいか? > > 「生きた細胞を使って臓器をつくるしかない」と中村先生は発想を転換されました。 > > いったいどんな方法でそれが可能なのか……? > > そこで着目したのが日々技術進歩の著しいインクジェットプリンター。 > インクジェットで打ち出された液滴のサイズを顕微鏡で調べると、25〜30マイクロメートルくらい。これなら細胞のサイズが8マイクロメートル程度の赤血球を打ち出せると考え、実際に打ち出されたそうです。 > 結果は、残念ながら3回ぐらい打ち出したところで、血液細胞が固まって、ノズルが詰まってしまったとのこと。大失敗です。 > しかしここでくじけないのが先生の素晴らしい所。何度もプリンターメーカにコンタクトをとり、ついに細胞が固まらないプリンターの開発に成功されました。 > そして海藻などに含まれていて生体親和性の高いアルギン酸ナトリウムというゲル化材料を利用することにより、生きた細胞を生きたまま水溶液のなかで3次元に積層することにも成功されました。 > > 先生のお話しの中で、 > 「これまで組織工学的な手法で上皮や角膜、軟骨などの組織を作り、患者の体に移植する治療が実用化の段階にあるが、これらの組織はまだ薄くて単純な一種類の細胞でできた組織に限られている。心臓、肝臓、腎臓などの臓器は、何種類もの細胞でできたミクロで立体的な3次元構造を持つ、もっと高度で複雑な組織である。即ちそれぞれの細胞がそれぞれの場所で臓器を担う働きをしている。 > こうした臓器をつくるには、生きた細胞を打ち出せるインクジェット3Dバイオプリンターが適していると思う」 > > 「また、培養した細胞に薬が効くかどうかの検証も、 2次元と3次元とでは大きく違うこともわかってきた。そして、できるだけ人の手を介さずに、機械で作製することも、大量生産や安全性の観点などから考えて今後重要になってくるはず。 > 3Dバイオプリンターの活躍するフィールドはとても広いと確信している」 > > と熱く語られました。 > > 先生のお話をお聞きして、これまで夢だと思っていた、自分の細胞を培養して作った臓器を自分の体に戻すという再生医療の実現に向けて、少し光が射してきたのではと思いましたし、一方で小児科のお医者さんが開いたバイオプリンティングという技術の実現に向けて、モノづくり技術、モノづくり企業の果たす役割の大きさを改めて痛感しました。 > > > > 次回(7月10日(木))は、ゲストスピーカーに 坂井田 功 教授(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学)をお招きし、肝硬変患者自身の骨髄細胞を使って肝機能を再生するお話です。 > 再生医療の最新の臨床現場で何が起きているのか、また驚きと感動の3時間になるのではと期待しています。 > 開発企画部 菊田 削除キー (英数字で8文字以内) クッキー保存
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